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  • 公開日:2019.08.21
  • 最終更新日: 2025.03.02
ソニー、蓄電池を使わず再エネを自家消費するシステムを導入

ソニーは21日、自社で太陽光発電した電力を、蓄電池を介さずに遠方の工場で活用するシステムを導入すると発表した。メガワット級の大規模な太陽光発電でこのシステムが導入されるのは国内初という。技術支援を行う東京電力エナジーパートナー(以下、東電EP)などとの協業で、2020年2月からの稼働を予定している。これにより、年間1000トンのCO2排出量を削減できる見込み。同社はRE100に加盟しており、2040年までに自社の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)

太陽光発電設備を設置する JARED 大井川センター

ソニーの子会社、ソニー・ミュージックソリューションズが持つ製品倉庫の「JARED 大井川センター」は静岡県焼津市に位置する。このたびの計画では同センター屋上に約1.7MW(1,700kW)の太陽光発電設備を設置。発電量のうち同センターでの消費量を上回る余剰電力を、静岡県榛原郡吉田町にある静岡プロダクションセンターへ供給(自己託送)する計画だ。

従来、太陽光発電では発電量が不安定なためその予測が難しく、自己託送をするケースでは蓄電池を介して電力量の変動に対応することが一般的だった。ソニーが導入するシステムでは、協業する東電EPと日本ファシリティ・ソリューション(JFS、東京・品川)が培った高精度の発電量予測や需要予測の技術を活用することで、発電・託送・需要量の同時同量を実現するという。

これまで、キロワット級の規模では千葉県でリゾート施設などを手がけるリソル生命の森(千葉・長柄)が同様のシステムを導入した事例があるが、1.7MWという規模での導入は国内で初めてという。東電EPの広報企画グループは「再エネへの注目度は今後ますます上がる。同様の自己託送システムの導入例も増えていくのではないか」と話す。

自己託送イメージ

自社内で太陽光発電を託送して自家消費をする場合の電力調達コストは、初期設備の置費用を除けば、再エネを市場調達する場合と比べて安くなる。一方で「託送料」の負担によって、非再エネの電力調達と比べれば同程度のコストだという。

ソニーは「2050年までに環境負荷ゼロ」という大きな目標を掲げ、RE100にも加盟している。同社の広報・CSR部は「目標に向かってまた一歩前進する。CO2排出量を削減できる再エネへの取り組みは大きな意味がある」と話した。

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