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  • 公開日:2019.01.28
  • 最終更新日: 2025.03.02
環境省の海洋プラ問題解決キャンペーンが拡大

海洋プラスチック問題の解決に向け、個人や企業、NGOや自治体など幅広い取り組みを国内外に発信しようと、環境省が昨年10月に始めた「プラスチック・スマート」キャンペーンが広がりを見せている。廃棄プラ・レジ袋の削減や海岸清掃、環境教育、アート作品の制作など多様な活動がウェブサイトに寄せられ、1月24日時点で147団体・計229件を掲載。同省は「プラスチックとの賢い付き合い方」を推進し、取り組みの輪を広げたい考えだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

団体の活動写真や簡単な説明文を登録するとキャンペーンサイトに掲載され、誰もが一覧で見ることができる。個人で参加する場合には、ツイッターやフェイスブックなどのSNSに「#プラスチックスマート」とタグをつけて投稿する仕組みだ。

企業の取り組みでは、「社内の包装材ロスをポリ袋に再生」(ユニ・チャーム)、「マイボトル・エコバックキャンペーン」(積水ハウス)など自社から出すプラごみの削減のほか、「デニーズでのストロー提供原則禁止」(セブン&アイ・フードシステムズ)など事業を通じた取り組みや、そごう・西武による「ペットボトルディスプレイ」といったアート分野の取り組みもある。

キャンペーンサイトでは、全国の団体・企業の取り組み一覧を見ることができる(左)
そごう・西武では、ペットボトル4000本を利用したウインドーディスプレイを、西武渋谷店で行った(右)

市民による「『水辺のごみ見っけ』で、水辺のごみを考える」(全国川ごみネットワーク)など清掃活動や、「かながわプラごみゼロ宣言」(神奈川県自治体)といった自治体の取り組みも、全国各地で数多く行われていることが分かる。

キャンペーンでは、参加団体・企業や個人の交流を促進するため、「プラスチック・スマート」フォーラムを立ち上げた。情報提供をはじめ、日本財団など海洋ごみ問題に取り組む他団体とも連携し、国際シンポジウムや「海ごみゼロウィーク(仮)」といったイベントの開催を通じて横のつながりを強める。

また優れた取り組みについては、今年6月に開かれるG20エネルギー・環境関係閣僚会合で発表・表彰を行うほか、国内外のイベントや国際シンポジウムを通じて世界に向けて発信する予定だ。

キャンペーンを担当する環境省 環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室の井関勇一郎係長は、「多くの取り組みがサイトに集約されることで、『行動を起こしたいが何をしたら良いのかわからない』『連携パートナーを探している』といったニーズに応えられるようになり、好循環が生まれる」と述べる。

「立ち上げ以降企業や自治体を始め多くの反応があり、ビジネスやライフスタイルの風向きが変わって来ていると感じる。取り組みの輪をさらに広げていく」(井関係長)

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