![]() Image credit: Future Earth
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持続可能な地球社会の実現をめざす国際協働研究のプラットフォーム「フューチャー・アース(Future Earth)」の最新レポートによると、現在のデジタルトランスフォーメーション(DX)は気候危機を緩和するシステム変革の助けになるという。(翻訳=梅原洋陽)
レポート『サステナビリティのためのデジタル・ディスラプション(Digital Disruptions for Sustainability)』(The D^2S Agenda)は、人と人はデジタルと自然界の両方に依存しながら結びついているという。デジタル・ディスラプションとは、デジタル技術によって引き起こされる創造的破壊、破壊的イノベーションのことだ。
従来は気候変動とデジタルに関する取り組みは別のものとして扱われてきたが、近年ではこれらは絡み合っていると認識されつつある。レポートは、より持続可能で公正な世界を作るために必要な社会的変革を起こすために、絡み合っている事象を検証し、必要となる研究やイノベーション、行動を分析している。また、その中に潜むビジネスチャンスにも触れている。
レポートでは、世界規模で経済やガバナンス、認知システムに創造的破壊をもたらしている4つのデジタル・ディスラプターを取り上げている。前例のない高レベルの透明性、知能システム、マス・コラボレーション、複合現実に関するデジタル技術だ。また、気候危機をAIのような技術で対応できる社会課題としており、多様なデジタルツールを組み合わせることで、経済やガバナンス、そして認知システムを劇的に改善できる可能性があると分析する。
デジタル・ディスラプターは社会的変革をかつてない規模とスピードで推し進めているが、気候変動問題という観点から見ると安全で公正な世界を創りだしているとはまだ言えない。The D^2S Agendaは、今後の変革を起こすために、まず取り組むべき重要なアクションを提案している。
D^2S Agendaのアドバイザーであり、2050年までにすべてのカーボン・フットプリントを取り除くと公言している、マイクロソフトの最高環境責任者ルーカス・ヨッパ氏は「AIへの投資と実用化を加速することで、気候変動によるビジネスへのリスクを下げるだけでなく、より豊かで気候的に安定した未来を創るために地球の資源をどう活用するかについても抜本的な変革をしていくことができるだろう」と語った。
民間企業が解決のカギを握るとしながら、The D^2S Agendaはデジタル・トランスフォーメーションに最も関係のなさそうな領域も含む、社会を構成するすべてのセクターが力を合わせることが気候変動問題を解決するためには不可欠だとしている。