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  • 公開日:2018.12.14
  • 最終更新日: 2025.03.02
スタバ、2020年からすべての卵をケージフリーに

池田 真隆 (いけだ・まさたか)

アニマルウェルフェアの観点からケージ飼育廃止の動きが世界で起きている

世界最大級のレストランチェーンであるスターバックスはこのほど、2020年までに直営店で取り扱うすべての卵をケージフリー卵(平飼い卵、放牧卵)に切り替えると発表した。米国、欧州、日本、中国の約2万店舗で切り替えを行い、焼き菓子、サンドイッチ、キッシュなど全てのメニューにケージフリー卵を使う。同社が切り替えた背景には、複数の動物保護団体からの働きかけがあった。(オルタナS編集長=池田 真隆)

同社のケージフリー施策は、殻付き卵と原材料に使用される液卵の両方に適用される。焼き菓子、サンドイッチ、ラップ、キッシュ、プリンなどの全てのメニューにケージフリー卵が使用されることになる。

だが、ライセンス契約の店舗はこの施策に含まれていない。今後は、ライセンス契約を結ぶ店舗とも協力し、ケージフリーの取り組みを広げていく予定だという。

スターバックスに対してケージフリーを求める運動は、世界の動物保護団体が協働して働きかけていた。日本からは唯一、認定NPO法人アニマルライツセンターが参加。

アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事は、「国内の企業として2020年という目標はチャレンジであり、大きな意義を持っている。世界を代表する企業であるからこそ、このような決断が可能となり、この決断を歓迎すると共に、実現に向けて消費者啓発や生産者の変換などをさらに促していきたい」と話した。

マックやサブウェイなども切り替え

卵を生産する鶏を狭く不衛生なケージに閉じ込めて飼育することは、世界中で非難を浴びている。ケージの中で、鶏は自然な行動を取ることができず、物理的にも精神的にも苦しめられ、鶏の福祉が守られていないからである。

日本の92%の養鶏場は「バタリーケージ」と呼ばれる、特に狭いケージで卵を生産している。バタリーケージでは、鶏1羽あたり20cm×20cmほどの大きさしか与えられていない。

バタリーケージは残酷性からEUや数カ国・州で禁止されている。バタリーケージだけでなく、ケージ飼育そのものを廃止していく動きが今の国際的な潮流となっている。

スイス・オランダ・オーストリア・ドイツなどではケージ飼育が禁止、または禁止予定となっている。ケージ卵の使用を中止すると発表した企業も世界で増えており、米国・カナダのマクドナルド、欧州・オーストラリア・米国のサブウェイ、デニーズ、ウォルト・ディズニー・カンパニーな200以上の企業がケージフリーに切り替えた。日本でも、ネスレや西洋フーズ・コンパスグループなどの企業がケージフリーの政策を掲げている。

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池田 真隆 (いけだ・まさたか)

株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナS編集長

1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。

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