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  • 公開日:2018.07.20
  • 最終更新日: 2025.03.11
拡大続けるヘンプ麻産業、アフリカでは貧困対策にも

川崎 陽子 (かわさき ようこ)

ヘンプ・イノベーション賞受賞式©️EIHA

アフリカでは貧困撲滅のためにヘンプ麻を活用しているという事例が6月、ドイツでの国際会議で報告された。ヘンプ麻は、麻薬成分がわずかな品種を原料とした産業用大麻で、世界中で用途の拡大が続いている。41カ国から過去最多の340人が参加した同会議の模様を、日本から出席した専門家に尋ねた。(川崎 陽子)

15回目を迎えた欧州産業用ヘンプ協会(EIHA)の国際会議に、これまで日本人最多の6回参加してきた赤星栄志(あかほし よしゆき)氏によると、今年の会議では次のような注目点があったという。

アフリカ大陸から初めての発表があったことは、ヘンプ産業の世界的な広がりを象徴している。マラウイ共和国のヘンプ会社は、社会貢献として貧困撲滅プロジェクトに参加している。日本や欧米で人気のスーパーフードであるヘンプは高級品だが、栄養価が高いので、アフリカでは子どもたちを飢餓から救うために提供されているとのことだ。

今回初めての企画として、衣料・複合素材、化粧品、食品の3部門でヘンプ・イノベーション賞の授与があった。40の商品から絞られた9候補の中から参加者が気に入った商品に投票し、電動スクーター(オランダ)、スキンケア自然化粧品(ルーマニア)、ヘンプの根からつくった蒸留酒(ドイツ)が、各部門で受賞した。

WHO(世界保健機構)が83年ぶりに大麻草を正式に審査したという、6月の歴史的な会議の紹介もあった。大麻草の研究が進み薬理的な科学的根拠が明らかになる中で、現実に即さぬ国際的な法的規制が、合法化を巡る混乱を招いてきたからだ。 

医療用・嗜好用・産業用の大麻草は、北米だけで5兆円産業になると言われている。国際会議には中国やロシアからの参加者も増えた。ヘンプビジネスに関心のある人は、EIHA国際会議に一度は参加するとよいだろうと、赤星氏は語った。

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川崎 陽子 (かわさき ようこ)

欧州ドイツ語圏在住の環境ジャーナリスト。

横浜国立大学卒業後、日本企業の研究職、米国企業の顧客エンジニアを経てドイツに留学。アーヘン工科大学で応用工学修士(環境学・労働安全)を取得。(株)バイエル社本社の労働安全部署、ケルン市役所環境行政部署で実習も経験した。ドイツ連邦経済省直属消費者研究所の通信教育「環境コンサルタント」修了。 公害大国日本が、なぜドイツのような環境先進国になれなかったのかを追究中。主な要因として、中央集権制官僚主導金権政治の問題、地域主権のドイツと行政や教育、メディアなどの大きな違いがある。また、「核兵器と原発の廃絶」、「低線量被ばく問題」、「将来世代のための持続可能な社会」というテーマにも取り組んでいる。共著「福島原発事故の放射能汚染 問題分析と政策提言」(世界思想社 2012年)、共著「公害・環境問題と東電福島原発事故」(本の泉社 2016年)。

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