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  • 公開日:2019.08.01
  • 最終更新日: 2025.03.02
ネスレ日本、キットカット大袋の包装を紙パッケージに 脱プラ促進

沖本 啓一(おきもと・けいいち)

ネスレ日本は1日、主力商品「キットカット」大袋タイプ5品の外装をプラスチックから紙パッケージに変更することを発表した。9月下旬出荷分から全量を切り替え、年間約380トンのプラスチック削減を見込む。今後、21年には大袋だけでなく、個別の包装もリサイクルしやすい単一素材に切り替えることを目指し、より環境負荷の少ない素材への変更を継続的に検証していく構え。専門家は「パッケージ分野での取り組みは実効的なインパクトが大きい」と話す。 (サステナブル・ブランド ジャパン編集局=沖本啓一)

今まで廃棄されていたパッケージだが「日本伝統の想いや願いを伝える象徴の『折り鶴』などをつくる」というコミュニケーション・ツールとしての活用の取り組みも始めるという

ネスレは昨年4月、製品の包装材料を2025年までに100%リサイクル可能、あるいはリユース可能にするというコミットメントを発表している。「プラスチック廃棄物が埋立地や海洋に蓄積・汚染し、鳥や魚などの野生生物が危機に瀕している実状があり、ネスレが優先的に取り組むべき課題であると受け止めている」と同社は説明。

今回同社は、主力製品の大袋タイプ5品について、外装包装の素材を切り替え。昨年のコミットメント後初めての具体的な取り組みとなる。さらにこの取り組みを「最初のステップ」と位置づけ、継続的にプラスチック削減に取り組むことを明らかにした。

来年9月に大袋タイプ全製品の外装を紙パッケージに変更し、21年には個包装を単一素材に変更することを目指す。将来的には生分解性の素材の利用に向けて検証を進めるという。

海洋プラごみの課題に取り組む企業が徐々に増えている。マイクロプラスチック課題の専門家、東京農工大学の高田秀重教授は「パッケージに関する業界は特に取り組みに積極的で、(実効的な)インパクトも大きい」と過去の取材で話した。「脱プラスチック」がスタンダードな価値感になることに現実味が増す。

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沖本 啓一(おきもと・けいいち)

フリーランス記者。2017年頃から持続可能性をテーマに各所で執筆。好きな食べ物は鯖の味噌煮。

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