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サステナブル・ブランド国際会議2019東京(SB 2019 Tokyo)まで1カ月半を切った1月23日、会議参加者同士の交流を促進するコミュニティ活動「第5回SB-Japanフォーラム」とその分科会が博展本社(東京・中央)で開かれた。分科会では、SDGs(持続可能な開発目標)を事業戦略にしていくための「デザイン思考」について討論。フォーラムでは、「NGO/NPOとの対話」をテーマに、NGO/NPOが企業との事例を発表した。(オルタナ編集部=堀理雄)
SBフォーラムが2018年9月から開催している分科会「SDGs:マッピングの一歩先へ(全3回)」は、SDGsを経営戦略に取り込むための実践的課題をテーマに開かれてきた。
![]() 「デザイン思考はSDGsに直結する」と話す田瀬和夫氏
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最終回の今回は、前回に続きリクルートホールディングス サステナビリティ推進部の田瀬和夫シニアパートナーが登壇し、「SDGsを事業戦略とする手法としてのムーンショットとデザイン思考」について講演した。
田瀬氏は、技術のイノベーションを生むものは、目に見えやすいニーズだけでなく、その背景にある人間の本質的なニーズから考えることが必要と指摘。人の感性やあるべき社会像など見えないものに形を与える「デザイン思考」は、SDGsの目標設定にも直結する思考法だと述べた。
そのうえで、「今ある技術から積み上げていく帰納的な『システム思考』だけでなく、あるべき姿から演繹的に考える『デザイン思考』を融合させていくことが、これからのビジネスのヒントになる」と強調した。
「潮目を変える」のがNGOの役割
「第5回SB-Japanフォーラム」では、「NGO/NPOとの対話」をテーマにセッションを開催。WWF(世界自然保護基金)ジャパンの筒井隆司事務局長、認定NPO法人ACEの白木朋子事務局長、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの高田久代プログラム部長が登壇し、それぞれ活動事例や企業との向き合い方について発表した。
WWFジャパンの筒井事務局長は、「NGO/NPOは、『反』政府組織ではない。『地球益』のために解決策を提示する組織」とし、「日本企業が国際市場で劣後しないように支援すること」「第三者的な立場でマテリアリティをチェックし、『言行一致』を担保する」ことも国際NGOの役割だと強調した。
筒井事務局長は「カーボンゼロ」を掲げる自動車企業との連携や、持続可能なシーフードを社員食堂で提供する企業との連携事例なども紹介。「世の中の潮目を変えることは難しいが、日本では一部の意識の高い企業など先進層の取り組みが社会を引っ張り、いよいよというタイミングで全体がガラッと変わる」と指摘した。
児童労働の撤廃と予防に取り組むACEの白木事務局長は、森永製菓との連携でガーナの子どもたちを支援する「1チョコ for 1スマイル」キャンペーンや、ガーナを中心に児童労働のない地域を広げる「チャイルドレイバー・フリー・ゾーン認定制度(仮)」などの取り組みを紹介した。
白木事務局長は「グローバルな動きでは、チョコレートにかかわる企業が協働してカカオの児童労働問題に取り組む動きが進んでいる。日本でも同業界の企業が一緒にタッグを組んで、共通の社会課題に取り組む動きがもっと進んでほしい」と提案した。
グリーンピース・ジャパンは、キャンペーンの展開など「創造的対立」を通じて社会の流れを変える取り組みが特徴の一つだ。
高田プログラム部長は、アパレル業界全体で進む有害化学物質の使用をゼロにするキャンペーンを紹介しながら、「対話を通じて感じるのは、(企業もNGO/NPOも)目指しているところは一緒ということ。課題を達成できるかなど難しい点もあるが、創造的対立からイノベーションが生まれるという視点が重要」と力を込めた。
ナビゲーターを務めた森摂・SB東京総合プロデューサー/オルタナ編集長は「いま『サイエンスベースト』が合言葉になっているが、NGO/NPOは科学的根拠を持って活動している。NGO/NPOとの対話が、企業成長のカギを握っていることを多くの企業に伝えていきたい」と述べた。