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武田薬品工業やグラクソ・スミスクライン(GSK)、ノバルティスファーマなどの製薬会社が「ヘルプマーク」を社内で普及する活動を相次ぎ実施している。ヘルプマークは内部障害や難病の人など外見では配慮が必要かどうか分からない人がサポートを受けやすくするため東京都が2012年に導入した。製薬会社は同マークを必要とする患者との関わりが強く、取り組む企業も増えていると推察される。(辻陽一郎)
内部障害や難病、義足や人工関節を使用している人などは、外見では判断が難しく、電車の優先座席など必要なサポートを受けづらいことがある。
![]() グラクソ・スミスクラインでは、本社に設置されている50台のデジタルサイネージでヘルプマーク普及動画を3週間にわたり放映。
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GSKは社内で、見た目ではわからない難病の一つ「肺動脈性肺高血圧症」について動画やパンフレットなどを通じて伝えるとともに、ヘルプマークについてその意義を広く社員に考えてもらう機会をつくった。肺動脈性肺高血圧症の患者は、初期には軽い動作での息切れや呼吸困難などの症状が出るため、公共交通機関などで周囲のサポートが必要なときがある。
武田薬品は「ファミリーデー」というイベントを実施し、そのなかで社員やその家族に向けてヘルプマークの啓発を行った。ノバルティスファーマでは、ヘルプマークをもつ社員の声を社内報で発信したり、ポスター掲示を行うことで、社員同士でディスカッションする機会も生まれたという。
昨年、障害者の就労支援を行うゼネラルパートナーズが実施したヘルプマークの認知度・利用状況に関するアンケート調査では、ヘルプマークを「利用したいと思わない」と回答した人のうち26%が「認知不足により役に立たないと思うから」と答えている。
利用する側が必要なサポートを受けられるように、ヘルプマークの存在を知ってもらい、どうサポートすればいいのかを考えていく機会の増加が求められている。
東京都福祉保健局の担当者は「製薬会社や鉄道会社の取り組みが多いが、百貨店などのサービス業でも広がってきている」と話した。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。