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  • 公開日:2018.09.21
  • 最終更新日: 2025.03.02
テーマは「ブランド・ガバナンス」–SB-Jフォーラム

中島 洋樹(なかじま ひろき)

トークセッションを行う小山教授(左)と青木アカデミックプロデューサー

サステナブル・ブランド(SB)国際会議の日本における会員コミュニティ活動である第3回SB-Jフォーラムが9月19日、博展本社(東京・築地)で開催された。今回のテーマは「ブランド・ガバナンス」。SB国際会議東京のアカデミックプロデューサーである青木茂樹・駒澤大学経営学部教授と小山嚴也・関東学院大学経営学部教授のトークセッション、ワークショップの2部構成で行われ、参加者は「ブランド・ガバナンス」について理解を深めた。(オルタナ編集部=中島洋樹)

冒頭でサステナブル・ブランドジャパンの鈴木紳介(博展)の挨拶の後、特別ゲストとして慶應義塾大学環境情報学部講師のAlana Bonzi氏が紹介された。

同氏は来日して20年以上になり、専門が「企業の社会的な責任」である。

挨拶をするAlana Bonzi氏

第1部 トークセッション

前半では青木教授と小山教授が「ブランド管理の二重性問題」についてトークセッションを行った。ここでの二重性とは、ブランドの構築と毀損を指す。

青木教授は、「ブランドの広告投資などに莫大なお金をかけている一方で、なぜ経営を揺るがす重大な不祥事を起こしてしまうのか」と参加者に問いかけ、企業や団体の事例を紹介しつつ、ブランドが毀損することにより被るダメージの大きさを説明した。

小山教授は、「事故」が、対応を誤ることにより「事件」へと発展し、不祥事として社会の記憶に残り続ける悪循環について述べた。

そして、不祥事を起こさないためには、「燃えにくい家づくり(不祥事が発生しにくい組織や体制の整備)」と、「消火設備(不祥事を未然に防ぐチェック体制や対応策)」が大事だと結論づけた。

両氏は、さらに昨今の傾向として、「グループ会社が起こした不祥事でも、発生要因が親会社の管理不行き届きであると見なし、親会社の不祥事であると見る向きが強い」と話し、これを踏まえて不祥事への対応を行う必要性を強調した。

第2部 ワークショップ

ワークショップでのグループ発表

オムロン、カシオの2社のCSR担当者が、それぞれ自社のCSR担当部門の変遷、取り組み事例を説明した。

その後、各グループに分かれてグループ内の参加者の内からの1社を選定し、模造紙に記入した組織図をもとに、自社のCSR対応の現状と課題について発表した。他社の取り組みを聞ける機会ということで、参加者は熱心に耳を傾けていた。

次回(第4回)SB-Jフォーラムは11月19日に開催される。

written by

中島 洋樹(なかじま ひろき)

株式会社オルタナ オルタナ編集部

2018年4月オルタナ入社。入社1ヵ月弱でCSR検定3級合格。趣味は高校野球観戦、絵画鑑賞、テニス、ビリヤード、サイクリング、ウォーキング、国内旅行など広範囲におよび、特技はカラオケ(レパートリーは50曲以上)。好奇心旺盛で、編集のオールラウンダーを目指す。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。

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