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サステナブル・ブランド(SB)国際会議の日本における会員コミュニティ活動SB-Jフォーラムの第1回ワークショップが5月23日、御茶ノ水ソラシティ(東京・御茶ノ水)で開催された。今回のテーマは「グッド・ライフ マーケティング~ピクチャーマイニングによる分析 ~」。各企業の参加者35人は各講師のプレゼンテーションや、グループ別ワークショップ活動を通し、「グッド・ライフ」というテーマでビジネスをどう創出できるかを考察した。(オルタナ編集部=中島 洋樹)
世界12都市で開催されているサステナブル・ブランド国際会議の今年度のテーマは「Redesigning the Good Life (グッド・ライフの再設計)」。昨年度の「Redefining the Good Life(グッド・ライフの再定義)」に続き、今年度も「グッド・ライフ」について考える。
青木アカデミックプロデューサー
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最初に、SB国際会議東京のアカデミックプロデュサーである、青木茂樹・駒澤大学総合情報センター所長 経営学部市場戦略学科教授が今回のフォーラムの主旨を説明した。
青木氏は「年代別のSDGs認知度について調べた結果、10代における認知度が男女とも他の年代と比較して高い」と調査について紹介し、この年代は受講者の将来的な顧客になる年代だと話した。
そして、「先日、進学校で知られる灘高等学校と渋谷教育学園幕張高等学校の校長先生の話を聞く機会があり、どちらの学校でも『SDGsを通してどういった社会を構築していくか』を常に生徒に問いかけていると話していた。SDGsと本日ワークショップで皆さんに取り組んでいただくピクチャーマイニングを通して、新たな顧客創出をはかってほしい」と語った。
「日本人が考えるグッド・ライフ」を考える
![]() 江戸教授と参加者
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ワークショップは「日本人が考えるグッド・ライフとは」をテーマに行われた。江戸克栄・県立広島大学大学院経営管理研究科教授/専攻長は、5つに分けたグループに、それぞれ10代~50代の調査対象者から投稿された写真を配り、参加者に写真を分類してもらい写真から抽出されるキーワードを考えてもらった。
この試みは、言葉で説明するより、写真を通した方がメッセージを伝えやすいことから、写真を通して各年代の方々がどういったメッセージを発信しているのかを考えるためのもの。各年代で共通していたものとして、「食べ物を通して感じる幸せ」や「家族や大切な人とのつながり」「何気ない日常に感じる幸せ」があり、このテーマの製品は幅広い年齢層に支持されることを参加者らは確認した。
調査を担当した星氏
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調査の結果分かったキーワードは、「健康でありたい」「適度にシンプルな生活がいい」「家族や社会とつながっていたい」「目標や生きがいを持ち、自身の成長や充実を実感したい」といったもので、先のワークショップで出た考察結果と一致する。
星さんは、グッド・ライフを実現する企業を支持する人の割合が80%を超えているのに対し、グッド・ライフを実現してくれる企業名を問われた際に、半数以上の人が「わからない」と答えている点に注目し、「企業側もメッセージの伝え方について工夫が必要ではないか」と結んだ。
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続いて、本日2回目のワークショップでは、1回目のワークショップで出たキーワードをもとに、製品のアイディアを出し、どういった人たちを対象に、どういったラインナップで展開するかという点についてグループで意見を出し合った。各グループの発表では「コーヒー」「お茶」などにユニークなアイディアを織り交ぜた製品案が紹介され、笑いが起きるなど和やかな雰囲気でワークショップは進んだ。
ワークショップの最後、青木教授は「グッド・ライフ」の意識は20年前、30年前と比較して、考え方そのものが変わってきていると思う。昨今の自治体や大学、企業の不祥事は変化に対応できず、旧態依然とした考え方に固執してしまったことで問題が大きくなっているといっても過言ではない。透明性をもって、変化に柔軟に取り組むべき」と結んだ。
終わりの挨拶で、SB国際会議東京の総合プロデューサーを務める森 摂・オルタナ代表取締役は、「『グッド・ライフ』はブランド選別の新基準。世界はグッド・ライフを通して、課題をどう解決していくかを考えている。個人的に、日本はそれに対して少し遅れを取っていると感じている。日本人の意識を変えるために、今日参加していただいている皆さんの組織、そしてバリューチェーンから変えていってほしい。間もなく、カナダ・バンクーバーでSBがあるので、世界の動きを自分の目で確かめ、関係者に話を聞いて、次回ご報告したい」と締めた。