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  • 公開日:2018.02.07
  • 最終更新日: 2025.03.02
トラックの自動隊列走行は可能か?高速道路で初実験

箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

3社のトラックが新東名高速道路を隊列走行した

経済産業省と国土交通省、いすゞ自動車、三菱ふそうなど国内トラックメーカー4社は合同で、高速道路での隊列走行の実証実験を2月1日にかけて初めて行った。実験は「協調型車間距離維持支援システム」(CACC)を搭載したトラックを用いて、先行車両のドライバーが後続車両を「牽引」する形で新東名高速道路などを実際に隊列走行。周辺の交通などへの影響を調べた。物流事業における運転者不足は深刻で、国は早ければ2022年での実用化を目指し、後続の無人隊列走行による輸送の省人化や、燃費の改善を狙う。(箕輪弥生)

最初の実証実験は1月23日から25日の3日間、新東名高速道路の約15キロの区間において、いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックス4社のトラックが3台の隊列を組み走行した。この実験では主に隊列走行が周辺の交通にどのような影響を与えるかを調べるために行われた。途中、隊列に他の車が割り込むことがあったが無事走行に成功した。続いて1月30日~2月1日に北関東自動車道において4台のトラックが隊列走行し、上り坂、下り坂など高低差による車間距離への影響を検証した。

今回の実証実験は有人運転で行われたが、将来的には先頭車両のドライバーが後続車両を「牽引」し、後続車での無人走行が可能となる。それを実現させる技術のひとつが「CACC」と呼ばれるシステムである。先行車両の加減速情報を車両間通信で共有して自動で行い、車間距離を一定に保つ。後続車両は自動走行システムを使って無人走行する。

トラックの自動隊列走行の背景にあるのが、深刻なドライバー不足である。拡大する物流需要に追いつかず、ある調査では10年後も20万人を超えるドライバーが不足すると予測する。そのため、運転者の確保が難しい長距離幹線の輸送などを隊列走行によって省人化するニーズは大きい。

隊列走行は車間距離が短くなることで後続車の空気抵抗が減少し、約15%以上燃費を改善する効果も期待できる。「車間距離が10mを超えると燃費向上効果が表れてくるので、次回はさらに車間距離を短縮して実験したい」と経産省の垣見直彦ITS・自動走行推進室長は話す。

トラックの隊列走行技術は欧州や米国でも研究されており、欧州では2016年にダイムラーなど自動車メーカー6社が合同で公道での実証実験を成功させ、各国間での技術開発競争も激しさを増す。日本でも2022年の実用化に向け、官民連携での車両開発、制度整備などが進む計画だ。

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箕輪 弥生 (みのわ・やよい)

環境ライター・ジャーナリスト、NPO法人「そらべあ基金」理事。

東京の下町生まれ、立教大学卒。広告代理店を経てマーケティングプランナーとして独立。その後、持続可能なビジネスや社会の仕組み、生態系への関心がつのり環境分野へシフト。自然エネルギーや循環型ライフスタイルなどを中心に、幅広く環境関連の記事や書籍の執筆、編集を行う。 著書に「地球のために今日から始めるエコシフト15」(文化出版局)「エネルギーシフトに向けて 節電・省エネの知恵123」「環境生活のススメ」(飛鳥新社)「LOHASで行こう!」(ソニーマガジンズ)ほか。自身も雨水や太陽熱、自然素材を使ったエコハウスに住む。JFEJ(日本環境ジャーナリストの会)会員。 http://gogreen.hippy.jp/

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