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寺町幸枝

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/story/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/26/400255.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>世界で、社会課題の解決を実践する企業を認定する「ベネフィット・コーポレーション」制度が拡大中だ。米国ではすでに33州とワシントンDCが認定制度を始めた。さらに2015年イタリアが国として初めて導入し、コロンビアも追随した。国連や各国政府は、民間企業やビジネスの力を借りて社会課題の解決を進める動きが強まっており、アジアや日本にもこの流れは広がりそうだ。(寺町幸枝)</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>認証の広まりと並行して進む法人形態</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>世界に先駆けて、利益を追求しながら、より良い社会のために活動する企業「ベネフィット・コーポレーション」を、法的形態として採用したのは米国だ。</p>
<p>この法人形態が認められるきっかけとなったのは、米国ペンシルバニア州で、2006年に非営利団体として設立されたB Lab(Bラボ)によるところが大きい。</p>
<p>独自の指標である「Bインパクトアセスメント」を通じて、各企業が「社会や環境によりよい企業活動を行うことを表明し、行動する会社」であることを証明するための評価「Bコープ認証」を始めたBラボ。</p>
<p>私企業の認定活動を行うと同時に、創設者たちが「法律の保護が必要だ」という考えを持っていたため、積極的なロビー活動を行い、Bコープ認証とは別に「ベネフィット・コーポレーション」(またはPBC)という「法人形態」を自治体へ導入するように働きかけた。</p>
<p>その努力が功を奏し、2010年にメリーランド州で同法案が可決されて以降、ニューヨークやカリフォルニアなどすでに34州で同様の法案が可決されている(6州がペンディング)。株式を販売することで資金調達し、株主への利益配当を目的として存在する企業ではなく、企業の社会責任や、社会貢献を目的として存在する企業としての存在が、現在の社会に受け入れられつつある。</p>
<p>PBCとはPublic Benefit Corporation(パブリック・ベネフィット・コーポレーション)の略で、一般的には「B-Corp」として知られている。各州法に沿ってベネフィット・コーポレーションとして設立した企業のメリットは、Bラボ認証を取得しようとする際に、規定に沿った企業の定款の変更をする必要がない点だ。クラウド・ファンディングの「キックスターター」や、洗剤の「メソッド」、食料品の「キング・アーサー・フラワー」といった企業がPBCの代表的な企業だ。</p>
<p>こうしたBラボを中心とした一連の認証活動と企業のPBC化を「Bコープムーブメント」と呼ぶ。</p>
<p>2015年には、欧州初のベネフィット・コーポレーションがイタリアで導入され、2018年にはコロンビアが南米最初の国として、この法的形態を認めた。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>ベネフィット・コーポレーションのメリット</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ベネフィット・コーポレーションという法人格や考え方が広まるにつれ、「Bコープ認証企業」と混同されることが増えている。</p>
<p>カリフォルニア州を拠点とする「パタゴニア」は、Bコープ認証企業の例である。一方、先に挙げた「キックスターター」や「メソッド」は、法人格をベネフィット・コーポレーションに変えた企業である。</p>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/story/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/26/400211_1.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph">仏食品大手企業ダノンのダノン・ノース・アメリカとダノン・カナダは、今年4月、B-コープ認証を取得した。</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>２つの大きな違いについて、Bコープ認証企業はBラボの規定する内容に沿ってレポートが求められる。また費用面でも、Bコープ認証企業は、Bラボに対して500ドルから５万ドルの認証費用が求められるのに対し、ベネフィット・コーポレーションは書類提出費用として、各州に対して70-200ドルの登録料がかかるだけだ。</p>
<p>一方で、企業としての透明性を求められる点や、企業としてステークホルダーへの法的責任を負う点は、他の法人格でも求められることである。</p>
<p>これまで社会に良いことをする活動＝非営利団体(NPO）という構図だったが、免税措置という大きなメリットがありつつ、NPOの欠点は活動を行うための資金を集めないことには動けないことにあった。一方ベネフィット・コーポレーションは企業として利益を追求しつつ、その活動の透明性を公示し、必要な経費を調達した売上からきちんと捻出していくことができる。</p>
<p>まだ国単位での導入は少ないものの、一方でBラボが進める「Bコープ認証」は急速に広まりつつある。現在50か国以上で導入され、140以上の業界に渡り、2100社を超えるBコープ認証企業が存在している。(2017年現在)</p>
<p>こうした法に守られた人格を持つ社会課題に取り組んだ企業が増えることで、社会貢献を目的とした企業が、ミッションを持ち続けたまま長期間ビジネス活動を行い続けることができるようになった。アジアは少し遅れをとっているが、台湾を中心に導入が進んでおり、現在16か国、84の企業がBコープ認証を取得している。</p>
<p>日本では現在、下記の5社がBコープ認証を取得している(企業名50音順 2018年9月26日現在)。<br />・石井造園(石井直樹社長・神奈川県横浜市)<br />・シルクウェーブ産業(小澤康男会長・群馬県桐生市)<br />・泪橋ラボ(鶴田浩史社長・東京都台東区)<br />・日産通信(福田博樹社長・東京都江東区)<br />・フリージア(五十嵐由佳社長・埼玉県児玉郡)</p>
<p>Bコープ認証企業の業績が好調なことで、さらに多くの人からその存在と考え方が認知されつつある。その認知が国単位での導入を加速させていくだろう。加えて国連が進めるSDGsや、企業価値の指標としてのESGが企業活動の一環として重視されつつある昨今、Bコープ認証だけでなく、ベネフィット・コーポレーションという法人形態を採用する国はますます増えるに違いない。</p>
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</div>
</div>
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</div>
<p></div>
<p></p>

ワールドニュース

社会課題解決に取り組む企業の法的認定、世界で拡大

中島洋樹

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/21/5003752_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">トークセッションを行う小山教授(左)と青木アカデミックプロデューサー</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナブル・ブランド(SB)国際会議の日本における会員コミュニティ活動である第3回SB-Jフォーラムが9月19日、博展本社(東京・築地)で開催された。今回のテーマは「ブランド・ガバナンス」。SB国際会議東京のアカデミックプロデューサーである青木茂樹・駒澤大学経営学部教授と小山嚴也・関東学院大学経営学部教授のトークセッション、ワークショップの2部構成で行われ、参加者は「ブランド・ガバナンス」について理解を深めた。(オルタナ編集部=中島洋樹)</p>
<p>冒頭でサステナブル・ブランドジャパンの鈴木紳介(博展)の挨拶の後、特別ゲストとして慶應義塾大学環境情報学部講師のAlana Bonzi氏が紹介された。</p>
<p>同氏は来日して20年以上になり、専門が「企業の社会的な責任」である。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/21/5000375_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">挨拶をするAlana Bonzi氏</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>第1部 トークセッション</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>前半では青木教授と小山教授が「ブランド管理の二重性問題」についてトークセッションを行った。ここでの二重性とは、ブランドの構築と毀損を指す。</p>
<p>青木教授は、「ブランドの広告投資などに莫大なお金をかけている一方で、なぜ経営を揺るがす重大な不祥事を起こしてしまうのか」と参加者に問いかけ、企業や団体の事例を紹介しつつ、ブランドが毀損することにより被るダメージの大きさを説明した。</p>
<p>小山教授は、「事故」が、対応を誤ることにより「事件」へと発展し、不祥事として社会の記憶に残り続ける悪循環について述べた。</p>
<p>そして、不祥事を起こさないためには、「燃えにくい家づくり(不祥事が発生しにくい組織や体制の整備)」と、「消火設備(不祥事を未然に防ぐチェック体制や対応策)」が大事だと結論づけた。</p>
<p>両氏は、さらに昨今の傾向として、「グループ会社が起こした不祥事でも、発生要因が親会社の管理不行き届きであると見なし、親会社の不祥事であると見る向きが強い」と話し、これを踏まえて不祥事への対応を行う必要性を強調した。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>第2部 ワークショップ</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/21/5003752.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph">ワークショップでのグループ発表</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>オムロン、カシオの2社のCSR担当者が、それぞれ自社のCSR担当部門の変遷、取り組み事例を説明した。</p>
<p>その後、各グループに分かれてグループ内の参加者の内からの1社を選定し、模造紙に記入した組織図をもとに、自社のCSR対応の現状と課題について発表した。他社の取り組みを聞ける機会ということで、参加者は熱心に耳を傾けていた。</p>
<p>次回(第4回)SB-Jフォーラムは11月19日に開催される。</p>
</div>
</div>
</div>
<p></div>
<p></p>

ニュース

話題のキーワード

テーマは「ブランド・ガバナンス」–SB-Jフォーラム

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/news/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/15/RdTGL600.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">サステナブル・ブランドの2018年度テーマ</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナブル・ブランド ジャパンは2018年9月19日15時30分から、法人会員向けコミュニティ活動「第3回SB-Japanフォーラム」を博展本社セミナールーム(東京・築地)にて開催します。</p>
<p>第3回のテーマは、「ブランド・ガバナンス」。ブランドにとってサステナビリティは、これまでのCSR活動や環境活動の領域を越え、事業収益に直接影響する「ブランド選びにおける主要な選択基準」となりつつあります。ただ一方で、企業や大学において、ブランド価値を毀損するような事件が多発しています。</p>
<p>第3回目のSB Japanフォーラムでは、サステナブルな活動が求められる現代において、ブランド管理や組織体制をどうデザインすべきなのかを会員メンバーの方々とディスカッションする予定です。</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/news/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/15/speaker.gif"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>１部では、日本商業学会 第68回発表プログラム 『ブランド構築とブランド毀損におけるブランド管理の二重性問題』を通して、関東学院大学　副学長　経済学部教授　小山 嚴也 氏とSB東京 アカデミック・プロデューサー　青木 茂樹によるトークセッションを行います。</p>
<p>つづく第2部では、　『 Redesign the Organization 』－サステナビリティ/CSR部門の過去・現在・未来－と題したワークショップを開催します。ビジネス環境の変化とともに組織体制は様々に変遷しますが、その道すじは個々の企業によっても異なります。その中で、サステナビリティ/CSR部門は、これまでどのような経緯を持ってつくられてきたのか？ ワークショップでは、サステナビリティ/CSR部門の過去・現在について、その立ち位置の事例紹介を交えながら、未来の体制を描いていく予定です。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>＜開催概要＞<br /><strong>第3回 SB-Japan フォーラム</strong><br />〇会期：2018年9月19日 (水)　15:30～18:30 (受付開始:15:00)<br />〇会場：株式会社博展 本社セミナールーム<br />　　　　〒104-0045  東京都中央区築地1丁目13-14 NBF東銀座スクエア 2F<br />参加ご希望の方は、SB-Japanフォーラム事務局（株式会社博展）<br />E-mail: <a href="mailto:forum@sustainablebrands.jp">forum@sustainablebrands.jp</a>　までご連絡ください。　<br />※ご参加の場合は事前のご登録が必要となります。当日ご参加は受付けておりませんので、予めご了承ください。</p>
<p>＜2018年度 SB-Japanフォーラムの開催レポート＞</p>
<p><a href="http://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1190603_1501.html">第2回 「SB2018バンクーバー」報告会&#8211;SB-Jフォーラム開催</a></p>
<p><a href="http://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1190492_1501.html">第1回「グッド・ライフ」をテーマにSB-Jフォーラム開催</a></p>
</div>
<p></div>
<p></p>

SB-Jフォーラム

SBコミュニティニュース

「ブランド・ガバナンス」をテーマにSB-Jフォーラム開催

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/01/600399.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>群馬銀行は8月から在宅勤務を本格導入すると発表した。導入に先がけ、2017年11月から本部行員を対象に在宅勤務で業務が適切に進められるかどうか試行していた。試行に参加した本部行員に対するアンケート調査で賛同が得られたことから、本格的に導入する運びとなった。在宅勤務は同県内をはじめとする関東地域などの全店舗で希望者に対し実施するが、本部行員と支店行員では勤務環境が異なるため、在宅勤務の形態を分ける方針。(オルタナ編集部=中島洋樹)</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>在宅勤務を導入したきっかけについて、群馬銀行人事部人事企画課の清水郷平人事役は、「小さい子どものいる女性行員の負担、行員の電車通勤による精神的・肉体的負担を軽減したいと考えた」と説明する。</p>
<p>在宅勤務の導入に先立ち行われた試行は、昨年11月～12月の期間、対象の本部行員の参加希望者9人(男性6人、女性3人)に対して行われた。期間中、希望者は1日ないし2日、同社の通常所定時間である8:45～17:00の時間帯で在宅勤務を行った。業務内容は、会議や報告書資料の作成など、情報漏えいの問題がないものに限定している。</p>
<p>試行終了後、参加者に対して実施されたアンケート調査では実施に対して、女性を中心に好意的な意見が多かったという。この結果を踏まえ、本格導入を決定した。</p>
<p>本格導入に際して、本部行員と支店行員は業務形態が異なるので、それぞれに合った在宅勤務形態で実施するという。</p>
<p>本部行員の場合、終日在宅勤務で業務を行うことができる。その際にはハードディスクのない新型ノートPCを用いて作業を行う。このノートPCは「仮想PC」と呼ばれ、本体に保存機能がないため、所属部署にある「ホストPC」に対して、在宅で行った作業をリモートで送信して保存する。</p>
<p>在宅業務では会議や報告資料の作成などを行う。最大で週2回、月10回を限度に在宅勤務が可能となる。</p>
<p>支店行員の場合、支店の抱える顧客対応の関係から、現状では、終日在宅勤務の実施は難しい。そこで、出社勤務以外の時間帯で、7:00から始業時刻8:45までと、終業時刻17:00から21:00までの時間、1日4時間を限度に在宅勤務が可能となる。</p>
<p>在宅勤務ではタブレット端末を用いて、訪問計画作成などを行う。</p>
<p>いずれの場合も、事前に上長に対して、在宅勤務を行う旨と、業務予定を申請し、了承を得ることが必要になる。そして、在宅勤務には情報漏えいの危険のあるものを含まないことが条件となっている。</p>
<p>本部行員は始業時間の8:45と終業時間の17:00に合わせて、上長に開始と終了をメールで報告する。本部行員、支店行員にかかわらず、業務の成果をメールで報告することになっている。</p>
<p>清水人事役は「銀行をはじめとする金融業界では、顧客対応の関係で、在宅勤務は難しいとされてきたが、今回の取り組みをきっかけに、働き方改革の1歩となれば」と語った。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

ウェルビーイング

社会 social

企業の働き方改革：群馬銀行が８月から在宅勤務を導入

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/23/700466.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>東京都豊島区は職員に対する在宅勤務導入に向けて試行を開始する。手初めに7月23～27日の期間で管理職の希望者を対象に行い、来年1～2月には一般職員の希望者に対して実施を検討している。豊島区は試行結果を踏まえたうえで、本格的な導入の可否、導入する場合の時期や内容を協議するという。 (オルタナ編集部=中島洋樹)</p>
<p>7月23～27日に管理職の希望者に対して行われる試行は、「テレワーク・デイズ」における取り組みとして行われる。</p>
<p>テレワーク・デイズは、昨年から開始された在宅勤務の全国一斉実施奨励期間である。総務省や経済産業省をはじめとする官庁が、東京都および関係団体と連携し、展開している働き方改革の国民運動の一環だ。</p>
<p>2020年開催の東京オリンピック開会式が7月24日に予定されていることから、同日を在宅勤務とすることで、都内の交通渋滞や混雑、それにともなうトラブルを緩和することが実施の狙いだ。</p>
<p>本年は7月23～27日の期間で、7月24日と期間内のそれ以外の日の少なくとも2日以上をテレワーク・デイズとして在宅勤務にあてるよう参加する団体に呼び掛けている。</p>
<p>同日の7月24日に実施することで、本番に向けたシミュレーションになること、そして同時期に複数回実施することにより、その時期特有の課題も抽出できることが期待されている。</p>
<p>参加団体は企業や自治体が中心で、7月20日現在、1000を超える団体が参加を表明している。</p>
<p>最初に管理職に試行する理由として、豊島区役所総務部人事課の青木主任は「管理職全員にタブレット端末が貸与されているため」と説明した。</p>
<p>タブレット端末を用いることにより、オンライン会議やテレビ電話、登録されているアプリを使用しての承認文書、会計関連の決済が可能となる。</p>
<p>また、同じ部署内や関連部署同士で管理職が全員在宅勤務になり、部署にいない状況を作らないように配慮するとしている。</p>
<p>同区役所内の約100人の管理職のうち、約20%にあたる25人が今回、在宅勤務の試行に参加する予定だ。青木主任によれば、「在宅勤務の時間帯は通常と同じく8:30～17:15(12:00～13:00は昼休憩)となり、始業時には業務内容、終業時には成果をメールにて人事課に報告する仕組みとなっている」という。</p>
<p>来年1～2月にかけては一般職員の希望者に対する試行を行う予定だ。在宅勤務の時間帯や業務報告方法は管理職と同じ方法にするとしているが、一般職員へのタブレット端末の貸与が完了していないことから、実施の詳細について現在検討段階である。試行結果を踏まえ、本格的な導入の可否も含め検討するとしている。</p>
<p>今回豊島区の試行から、民間企業が中心だった在宅勤務導入に弾みがつき、日本全体の流れになることを期待したい。</p>
<p>関連記事<br /><a href="http://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1190841_1501.html">自治体の働き方改革②：高松市が一部業務にAIを導入</a></p>
</div>
<p></div>
<p></p>

ダイバーシティー

自治体の働き方改革①：東京・豊島区が在宅勤務を試行

東 嗣了

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/column/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/20/vancouver_500_1.png"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>2018年6月にバンクーバーで開催されたSB国際会議。日本人参加者として、個別に参加したBreak Out Session（テーマごとの個別セッション）を中心に、日本ではまだ語られていないトレンドや現地の雰囲気を全３回に渡って紹介します。</p>
<p>真っ先に目をつけて参加したのが、ボブ・ウィラード氏による「A CFO-Friendly Business Case for Any Sustainability Project」の ワークショップ。サステナビリティ戦略やプロジェクトを社内で推進していくためには、リーダーとして数字に強くなくてはなりません。CFO（ Chief Financial Officer）が納得するために、成果が見えにくいサステナビリティをどう「見える化」していくのか？</p>
<p>実は彼の書籍は以前より拝読しており、昨年のデトロイト開催の時にも彼のワークショップに参加した事があります。１年ぶりの再会でしたが、彼も私のことを覚えていて、改めて「サステナビリティ戦略」を組織展開していく上で、リーダーにとってなぜ財務的な観点が必要か？を再認識する機会となりました。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/column/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/20/AZvan01.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">ボブ・ウィラード氏による「A CFO-Friendly Business Case for Any Sustainability Project」の ワークショップ風景</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナビリティ・リーダーシップ学を米国で学び、日本企業に対しリーダーシップと組織変革を推進している私自身の肌感覚として、まだまだ日本では「サステナビリティ」という文脈においては、利益が生まれている上での「社会的責任と貢献」という位置づけが主流だと感じています。</p>
<p>一方、欧米の企業においては「サステナビリティ」を事業のメインストリームとして統合していく事は当たり前の領域であり、具体的にどう実践していくのか？が主な議論のテーマとなっています。そんな中、どうサステナビリティ戦略を「数字」で見える化していくのか？どう数字で財務担当者やCEOに納得してもらい、事業の核にしていくのか？という事が、より具体的な課題になってきます。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>サステナビリティ戦略を組織内に展開する上での障壁</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>１位は、サステナビリティの価値を説得していくリーダーシップや組織の意識変革が挙げられますが、それ以外は主にROI（投資対効果）やKPI（業績評価指標）となっています。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box left">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/column/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/20/AZvan02.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ボブ・ウィラード氏が提言しているサステナビリティ戦略を実践していく上で、費用対効果の切り口は大きく４つあります。</p>
<p>効果指標１：　Increase Revenue （利益が増幅する）<br />効果指標２：　Improve Productivity（生産性が上がる）<br />効果指標３：　Reduce Expense（コストが下がる）<br />効果指標４：　Decrease Risks（リスクが下がる）</p>
<p>以外にシンプルな指標ですが、この４つを切り口に更に細かく分解して効果を見極めていきます。</p>
<p>今回のワークショップの中では、「もしあなたの会社が、新しい社屋としてグリーンビルディング（環境負荷のないエコな建物）の建築を推進したいとしたら、どんな効果があるとCFOを説得するか？」というお題で、参加者同士の対話の場から学びに繋げていきました。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box col2">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/column/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/20/AZvan03.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
<td class="separator"></td>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/column/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/20/AZvan04.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ボブ・ウィラード氏のユニークなポイントは、独自のスプレッドシート（ROIワークブック）を使い、業界ごとの費用対効果を算出するメソッドを持っている事です。しかも、そのワークブックは公開されており、できるだけ沢山の方に使用してもらう事を彼は願っています。</p>
<p>今回のワークショップの中でも、グリーンビルディングを導入する事で、「働いている人の生産性が上がる」といった見えにくい効果も数字化していくアプローチは驚きでした。また、LEED（グリーンビルディングの認証）といった第三者機関からのサステナビリティ認証が、これまでの「コスト削減」というレベルから「資産価値が上がる」ことを事例として挙げており、今の日本にはまだまだ事例として欠けている「サステナビリティによる付加価値」の具体的な定量的な効果を示していました。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box left">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/column/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/20/AZvan05.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>後半は、これからの時代のサステナビリティ戦略（プロジェクト）の意思決定に必要な、財務的必要項目について具体的なリクエストフォームを使った解説となりました。従来型の意思決定フォームとしては、「コストと利益の分析」「NPVを考慮したROI」などが一般的でした。それに対して、更に最近の公認会計士の分析トレンドやESG（環境：Environment、社会：Social、ガバナンス：Governance）投資の観点も統合し、より中長期的な視点とステークホルダーの関わりを考慮した財務的インパクトを測定していく内容でした。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box left">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/community/column/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/20/AZvan06.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>最後に、彼の言葉が印象的でした。<br />“If the sustainability team doesn’t understand the financial metrics and financial implications of sustainability initiatives, it simply won’t able to work efficiently across the organization”<br />つまり、サステナビリティを推進していくチーム、そしてリーダーが財務的な知識と見識がなかったら、どんなに素晴らしいサステナビリティ戦略であっても組織内にはうまく浸透していかないというメッセージです。</p>
<p>これはリーダーにとって、とても大切な観点です。これまで多くの情熱を持ったサステナビリティリーダーと出会ってきました。しかし多くのリーダーは、感情や情熱に溢れているものの、組織の意思決定に必要な財務的な情報やロジックに欠けている事が多かったかもしれません。</p>
<p>正しい数字を作る事よりも、相手（財務担当、経営者、株主など）の見ている景色をしっかり理解し、そこにコミットしていくリーダーシップこそがサステナビリティ戦略を推進していく上でとても重要なのです。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

SB国際会議

コラム

サステナブル・ブランド　グローバルイベント

第1回：サステナビリティ戦略を数字で論破する

小松遥香

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/20/mintetsu.png"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>東京急行電鉄や東京メトロ、近鉄グループホールディングスなど全国11社の大手民営鉄道会社は15日、勤務地を理由に就労を続けることが困難な社員を相互で受け入れる新たな枠組み「民鉄キャリアトレイン」を立ち上げたと発表した。背景には、配偶者の転勤や介護を理由に退職し、他の地域に移る社員が将来的に増加する危機感がある。各社はキャリアを積み重ねて働きがいを感じられる勤務制度を設けて、優秀な人材を確保したい狙いだ。(オルタナ編集部＝小松 遥香)</p>
<p>「民鉄キャリアトレイン」は東京急行電鉄の呼びかけで始まった。参加する企業は、同社のほか東武鉄道、京浜急行電鉄、京王電鉄、東京地下鉄、小田急電鉄、西武鉄道、名古屋鉄道、近鉄グループホールディングス、阪急阪神ホールディングス、西日本鉄道。</p>
<p>東京急行電鉄社長室広報部広報企画課の江戸卓哉さんは、「現在、総合職の新卒採用のうち女性の数が半数を超え、将来的にライフイベントを理由にした退職が増えると考えている。優秀な人材を確保するというのは各社共通の課題だ」と同枠組みの立ち上げ理由について話した。</p>
<p>相互受け入れの方法は、「出向」「転籍」「再入社」。従業員は働きがいや働きやすさを感じられ、民鉄各社は優秀な人材を相互に活用できる利点がある。11社は、「民鉄キャリアトレイン」を通してダイバーシティマネジメントを実現していきたいとしている。</p>
<p>さらに、各社の許容範囲内でUターンを望む社員の受け入れや、再びの転居で最初に所属した会社に復帰、再入社を認めることも念頭に入れており、同枠組みに柔軟性を持たせる。</p>
<p>東京から福岡までの民鉄を巻き込む形で立ち上がった「民鉄キャリアトレイン」について、江戸さんは「2017年に構想ができ、今年に入って各社との調整を始めた。各社の温度感が異なり、ご賛同頂くのに時間を要した」と振り返った。今後は、参加企業を増やしていくことも検討しているという。</p>
<p>民鉄各社は、鉄道事業のほかに不動産事業や各地域に密着した独自のビジネスモデルを展開する。11社は、社員が持つ民鉄ビジネスのノウハウを「共通財産」と捉え、即戦力になる優秀な人材を相互に生かすことで、沿線地域の発展にも貢献したい考えだ。</p>
</div>
</div>
</div>
<p></div>
<p></p>

東急や近鉄、勤務地が理由の退職防止で相互受け入れ

G☆Local Eco！

青木 茂樹

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_heading_lv3">
<div>
<h3>〜情緒的対応から合理的対応へのブランド・ガバナンス〜</h3>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/04/tokyot.png"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>世間が求める組織対応とは</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>「ブランドが落ちる」とか「落ちません」との議論が大学界でも聞こえる昨今。昨年末には重厚長大の企業における品質管理や検査の問題が連続し、春先からは省庁の情報改ざん問題が再燃し、そしていまや大学。まさに産学官において、ブランド毀損が連発している。昨年末にも「<a href="http://www.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/1189645_1535.html">ブランド毀損とブランド・ガバナンス</a>」にて論じたが、まさにブランド・ガバナンスの粗末さが組織生命にも関わる大きな毀損を生んでいるのである。</p>
<p>インテージ社とSB−J(サステナブル・ブランド・ジャパン)の我々で２月に全国で共同調査(n=2040、5点尺度)した結果によれば、「企業不祥事対応において重要なもの」は、企業からの「謝罪」ではなく、「正確な説明、原因追求と改善策の公表、迅速な説明」を求めていることがわかる(図表１)。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/04/sdgs1.png"/></div>
<div class="m_paragraph"><strong>図表１)SDGsの認知の違いによる企業への期待</strong></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>伝統的に日本における責任の取り方は「担当者が謝罪し責任をとれば、後はうやむや」というトカゲのシッポ切りだった。2001年に日本航空機のニアミス事故が発生したとき、怪我をした乗客への見舞いや謝罪が空港に戻った機長からはなく「弁護士に相談する」と会見を避けたことで、メディアや世間から機長や日航機長組合へのバッシングが起きた。当時の風潮からすれば事故があれば「まずは謝罪」という空気のなかで、グローバルな対応とはそういうものかとも感じたものだ。結果として、これは管制塔の指示ミスであり、むしろこの機長は何百人を巻き込みかねない大惨事を避けたヒーローであったことがわかった。</p>
<p>グローバル化が進むなかで、今日の日本人は「謝罪」より「原因究明と改善」を求めるようになっており、情緒的対応ではなく合理的説明を求めるように変化している。昨今の産学官の不祥事問題でなかなか火が消せないのは、謝罪のみで終わらせようという旧き伝統にとらわれてしまったガバナンスにこそ問題があるのだろう。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>SDGsの認知が広まる世代</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>図表１では、こうした企業不祥事対応に関して、SDGs認知者と未認知者での差異があるかを調べているが、有意な差があるのが、やはり「正確な説明、原因追求と改善策の公表、迅速な説明」であり、これに「行政調査・指導」が加わっている。</p>
<p>一方、謝罪とメディアからの批判的検証は、SDGs認知者と未認知者において平均値も低く、その差異もない。メディアによる批判的検証の期待が低いのは、日本では一部のメディアに権力との癒着があると疑われていることに一因もあるのだろうか。または欧米のように性悪説に立ち、批判的検証によって真実を暴くことをメディアに期待することより、日本では性善説に立って企業自らの開示姿勢が重要だと考えているのかもしれない。</p>
<p>さらに、小山嚴也氏(関東学院大学)、江戸克栄氏(県立広島大学)と私との研究においても「企業不祥事が発生したときにとる不買行動」の５点尺度の平均は、SDGs認知者が3.42に対してSDGs未認知者3.26と有意な差が出ており(t=2.60,p&lt;0.01)<a href="#_edn1" name="_ednref1" title="">[i]</a>、SDGs認知者の厳しい態度が現れている。</p>
<p>ただ、SDGs認知者は約10%しかいないと批判もあるかもしれない。しかし、図表２によればSDGsの認知度は男女ともに10才代が20％弱と、世代間のなかで最も高くなっている。進学校として急成長を遂げた渋谷教育学園渋谷中学高等学校理事長の田村哲夫氏によれば、受験のハウツーが優れているのではなく、スーパーグローバル校として、生徒達がサステナビリティやSDGsの世界観をもつことこそが進学実績に繋がっているとのことであった。この高校からは１割の生徒が海外大学を目指すという。この世代がこれからの市場をつくっていくとなると、企業は対応せざるを得ないのではなかろうか。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/04/sdgs2.png"/></div>
<div class="m_paragraph"><strong>図表2)SDGsの世代別認知率</strong></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>グローバル化は海外進出だけではなく、世界基準に則ること</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>これまでのグローバル化は、海外進出していくことであり、現地にマーケティング適応するべきか、またはこれまでの方法を踏襲して標準化していくべきかが永く重要な意思決定とされてきた。</p>
<p>しかし今日のグローバル化は、国内基準や日本感覚で物事を捉えるのではなく、世界的な観点からサステナビリティを俯瞰し、世界基準に合わせて企業活動をしていくことに他ならない。ルールを受け入れながらも競争軸としては差別化を図っていくことに企業の戦略の醍醐味があるはずだ。</p>
<p>慶應義塾塾長の長谷山彰氏は、グローバル化の事例として「当初、日本柔道界は、カラー柔道着や積極的な攻撃的姿勢は日本的精神として本筋ではないと反対していた。いま柔道がグローバル化してわかったことは、ルールは世界の流れの従いながらも日本の個性を見せていくことが重要だった」と論じ、大学改革に着手している。</p>
<p>アンドリュー・S・ウィンストン氏は『ビッグ・ピボット』の中で、VUCA(Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をとった造語)の経営環境では、バスケットボールのピボットのように、片足は自社の志に置きつつ、片足は正しい方向に大きく踏み出すべきだと示唆している<a href="#_edn1" name="_ednref1" title="">[ii]</a>。サステナビリティと利益が相反するとかしないとかの問題ではなく、新たな土俵の上でいかに利益を生み出す事業を構築していくかが鍵となっているのである。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>企業理念は、”社会の鏡”に映ってこそ意味がある</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>いま日本の組織が知るべきは、VUCAといわれる激しい環境変化とインターネットによって隠し事ができない時代において、最も重要なことは、Transparent(透明性)な経営こそが最もリスクが少ないということだ。</p>
<p>むしろこの環境を積極的に捉えて、企業理念をトップ・マネジメント自らがステイクホルダーや社会に訴えて社内外に浸透させ、結果として形成された企業イメージや製品イメージこそが肝となる。これを我々は“ブランド・プレゼンス(ブランド存在感)“と呼んでいる(図表3参照)。企業理念をウェブサイトや企業広報に載せたことに意味があるのではない。ましてや企業理念は実態を隠す綺麗な包装紙ではない。</p>
<p>企業理念が“社会の鏡”にどのように映っているのかを、トップ・マネジメントが常に意識しながら、社内外に血液を流すようにコミュニケーションを動態、迅速かつ柔軟に仕掛けていくことが重要だ。サステナブル・ブランド国際会議の創設者コーアン・スカジニア氏は「サステナブル・ブランドとは企業の頭であり心であり、背骨となる精神的支柱だ」と喝破したが、ここからもブランド戦略がマーケティング戦略の一翼どころではなく、VUCAの時代にこそトップ・マネジメントが牽引する組織の旗印となるものだとわかるだろう。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/04/brandgovernance.png"/></div>
<div class="m_paragraph"><strong>図表3)ブランド・ガバナンスの構図</strong></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>こうしたトップ・マネジメントのブランド・プレゼンスの下に、製品やサービスのマーケティング戦略としてのブランド・ビルディングや、企業広報から不祥事対応としてのブランド・ディフェンスを連動させていくことが、経営資源を効率的かつ持続的に活用できることとなる。ステイクホルダーを常に意識した三位一体の動きをブランド・ガバナンスと呼ぶのだ。</p>
<p>今日の一連のブランド毀損問題を見ていると、トップ・マネジメントが保身に走り、“社会の鏡”を意識できていないことが、結果として組織生命に致命傷となっていると思わざるを得ないのである。 </p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><a href="#_ednref1" name="_edn1" title="">[i]</a>青木茂樹・小山嚴也・江戸克栄(2018)「ブランド構築とブランド毀損におけるブランド管理の二重性問題」日本商業学会第68回全国大会配布資料。</p>
<div><a href="#_ednref1" name="_edn1" title="">[ii]</a> アンドリュー・S・ウィンストン(2016)『ビッグ・ピボット』英治出版。</div>
</p>
</div>
<p></div>
<p></p>


<p></p>

「社会の鏡」に映った組織の姿を注視せよ

オルタナ編集部

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/17/sb-jp_Masahiko-Kawamura_Yoshiyuki-Hirai_Sekisui_635_2.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>With a goal to help realize a sustainable society and management, <strong>SEKISUI CHEMICAL CO., LTD.</strong> has been promoting CSR management that has evolved from its environmental management efforts. In April 2017, SEKISUI CHEMICAL integrated its CSR Promotion Department into its Business Strategy Department. <strong>Masahiko Kawamura</strong>, Director and Chief Researcher at <strong>Alterna Research Institute</strong>, spoke with <strong>Yoshiyuki Hirai</strong> — Managing Executive Officer and Head of Business Strategy Department at SEKISUI CHEMICAL — about the purpose of this reorganization and its result.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Focusing on “3 Prominences”: Human Resources, CS &amp; Quality and Environment</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura:</strong> Please tell us why SEKISUI CHEMICAL strategically tackles environmental issues and more broadly defines CSR.</p>
<p><strong>Hirai:</strong> We started our environmental initiatives with conservation. Then in 2003, we shifted our focus to environmental management; and in 2006, we elevated this to CSR management. I am going to tell you about the background behind this large shift. Our consolidated sales reached record highs in FY 1996. After the collapse of the bubble economy, the housing business led the company and while other areas of the business were sluggish, the sudden surge in demand for housing after the Great Hanshin-Awaji Earthquake in 1995 overlapped with the rush of property purchases before the consumption tax increase in 1997. Unfortunately, the housing bubble also burst soon after that and we suffered a deficit for four consecutive years, from FY 1998.</p>
<p>So, in the course of sorting out and centralizing the operation, we asked ourselves: &#8220;What are the strengths and prominences of our company?&#8221; We decided to work on environmental management and aimed to be a prominent and highly profitable corporation. We have a housing business under the <strong>SEKISUI HEIM</strong> brand, and a final products and materials business using our plastics processing technology. As a manufacturer, we came up with the idea of contributing to the environment through our products and establishing the balance between ecology and economy.</p>
<p><strong>Kawamura:</strong> Am I right in thinking that SEKISUI didn&#8217;t simply start a new business, but reviewed the foundation of your management, organization and intentions?</p>
<p><strong>Hirai:</strong> Correct. Our business is founded on human resources. In addition, with the aim of improving what we call &#8216;CS &amp; Quality&#8217; by integrated customer satisfaction and quality, and as a manufacturer, we focused on developing and expanding sales of environment-friendly products.</p>
<p>We began to emphasize these three elements as our business foundation. We also began to provide environment-friendly materials such as plastic parts that contribute to the reduction of weight and fuel consumption for automobiles, for the middle of the supply chain towards end users. In the housing business, we proposed a concept of &#8216;the zero-utility cost house&#8217;. Through these businesses we embarked on balancing ecology and economy. </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Establishing an organization based on integrated thinking</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/17/sekisui-chemical_csr-graphic.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Hirai:</strong> Our company&#8217;s CSR management became full-scale in 2014, but from the outset we had the intention of integrating business and CSR. The main challenge was to get the concept <a href="http://www.sustainablebrands.com/news_and_views/marketing_comms/dr_john_izzo/employees_are_your_best_purpose_ambassadors">accepted and used by all of our employees</a>.</p>
<p>For this, the important thing is corporate philosophy. In 2017, we formulated a new conceptual scheme of CSR. We have our <strong>3S principles: Service</strong>, <strong>Speed</strong> and <strong>Superiority</strong>. Then, there is our group vision, devised from this philosophy, which states that we will contribute to improving the lives of the people of the world, and the Earth’s environment. This is the basis of our management and our approach to environmental issues. This philosophy also leads to the <a href="http://www.sustainablebrands.com/news_and_views/collaboration/sustainable_brands/new_digital_platform_connects_corporates_startups">current <strong>SDGs</strong></a>.</p>
<p>In the past, we had no opportunity to explain to our employees about the company&#8217;s philosophy system (on the left side of the figure) and CSR concept (on the right side of the figure) simultaneously, but these concepts should be combined. Then we became aware of the idea of <a href="http://www.sustainablebrands.com/digital_learning/research_report/marketing_comms/integrated_thinking">&#8216;integrated thinking&#8217;</a>.</p>
<p>The resolution of social issues through business according to our strategy will be achieved with our <strong>“3 Prominences”</strong>: <strong>Environment</strong>, <strong>CS &amp; Quality</strong>, and <strong>Human Resources</strong>. Businesses are not only responsible for their products, but also for their business operations. This responsibility is fulfilled by maintaining a safe and compliant workplace; at the core of this foundation sits Governance.</p>
<p>Previously, the Business Strategy Department and the CSR Department were separate entities; but in 2017 we restructured this, based on integrated thinking, and incorporated CSR management and environmental management into the Business Strategy Department.</p>
<p><strong>Kawamura:</strong> It&#8217;s been almost a year since the organizational restructuring. Do you feel the effects of the integration?</p>
<p><strong>Hirai:</strong> One example is our Environment-Contributing Products. As our business is expanding, the range of issues that can be solved by our Environment-Contributing Products is also clearly widening.</p>
<p>To expand contributions not only to the natural environment but also to social issues, we applied SDGs to the environment-contributing products and redefined them. In addition, we set up a framework for a ¥12 billion energy-saving investments, running for 3 years, from 2017 to 2019. With this, we are introducing new equipment and renewing existing equipment, which contribute to CO2 reduction throughout the company. This amount exceeds 0.3 percent of the anticipated sales scale in these 3 years, larger in comparison to the past. This is the result of integrating the management strategy and CSR promotion.</p>
<p><strong>Kawamura:</strong> I&#8217;ve heard that SEKISUI is working on environmental education, as well.</p>
<p><strong>Hirai:</strong> Regarding environmental education, we run enlightenment events both inside and outside the company. One example is the <strong>Children’s Eco Summit</strong>. We ask our group companies throughout the world to encourage their employees’ children to participate. We run field studies with them, and show them our factories and environment-contributing products to promote environmental awareness through our group companies’ operations.</p>
<p>Last year, we ran the Global Children&#8217;s Eco Summit 2017, held in commemoration of the company&#8217;s 70th anniversary. The children who participated noticed that there is a difference in the degree of comprehension about environmental issues and the amount of information available in different regions such as America, Europe and Southeast Asia. The children suggested that this should be addressed, and now we are discussing how to reflect this inside our company.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Digitizing and indexing the environmental impact</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura:</strong> Can you please tell us about how you define Natural Capital?</p>
<p><strong>Hirai:</strong> We use natural capital as a resource for our products. The <a href="http://www.sustainablebrands.com/news_and_views/finance_investment/maxine_perella/natural_capital_accounting_sdgs_critical_components">consumption of natural capital</a> is an impact on the Earth. First, using the <strong>LIME 2</strong>* from LCA (Life Cycle Assessment) method, we calculate the monetary value of the natural capital that we are using. We then evaluate how we use the natural capital for each product and how much of it is returned to the capital.</p>
<p>If we set the default of environmental burden to 100 percent, we must return 100 percent or more. Currently, we have achieved a return rate of 76.9 percent. We are aiming for 90 percent in 2019 and over 100 percent in 2030. We recognize the importance of encouraging our supply chains by showing them the figures, and we reaffirmed the magnitude of our contribution to natural capital from our products. We have a prospect of reflecting this in our 2050 vision.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Implement global governance by inter-linking organizations</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura:</strong> Please tell us about your business strategies for foreign markets, at present and in the future.</p>
<p><strong>Hirai:</strong> The situation is different for each Divisional Company. In the <strong>High-Performance Plastics Company</strong>, which is undergoing the most expansion outside Japan, the ratio of overseas sales is close to 70 percent. The world&#8217;s demand for solutions to environmental issues is getting stronger, and employee awareness is getting higher.</p>
<p>The <strong>Urban Infrastructure &amp; Environmental Products Company</strong> is now looking to make overseas markets the basis of its business. Like our synthetic lumber used for railway track sleepers, our sales of our environmentally contributing products are expanding. In Europe, this product was highlighted when wood preservatives became regulated and wooden sleepers became unusable.</p>
<p>In 2016, 24 percent of the SEKISUI CHEMICAL Group&#8217;s sales were made overseas. We hope to increase this to 30 percent in 2019. Accordingly, our overseas procurement rate will also rise.</p>
<p>With the organizational change in 2017 we created a new Overseas Management Group within the Business Strategy Department. We have headquarters in each region — in Europe (the Netherlands), the United States, China and Southeast Asia (Thailand) — and are strengthening our corporate governance.</p>
<p>With regard to accounting, finance, human resource and legal affairs, we will unify rules globally and will oversee the Overseas Management Group. We use this structure to inter-link the Business Strategy Department.</p>
<p>* LIME 2: Damage-based impact assessment method in Japan. A method of measuring and evaluating the environmental impact of business which reflects domestic environmental conditions and the latest methods of environmental science.</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

SEKISUI: Building an Organization with Integrated Thinking to Balance Management, Environment

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_paragraph">
<p>年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と世界銀行グループは20日、「債券投資における環境・社会・ガバナンス(ESG)の考慮」に関する共同研究の報告書を発表した。両者は世界の30の投資家や格付け機関などにインタビューを実施。債券投資先の事業をESGの観点から評価していくことが、「リスク管理の強化につながり、より安定した投資リターンに貢献し得る」と結論付けた。(オルタナ編集部＝小松 遥香)</p>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/04/23/gpif.png"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>GPIFと世界銀行グループは昨年10月、持続可能な投資を促進するために提携。第一段階として、これまで研究や実践が進んでいなかった債権におけるESGについて共同研究を行っていくことを明かした。</p>
<p>報告書によると、債券投資の判断にESG課題を組み込むことは信用リスクを判断する上で重要であり、包括的な信用リスク分析の一部として債券投資にESGを統合すべきという実証結果が出ている。債券投資家にとってESG投資は、一般的な投資判断の決定プロセスになりつつあるという。</p>
<p>国際的には、社債や国際機関債を中心に債券投資へのESG課題の組み込みは急速に進んでいるが、国債や資産担保証券、私募債に関しては課題も多い。</p>
<p>さらには、一部の投資家において、ESGをリスク管理や投資リターンの視点から見るだけではなく、ESGとインパクト投資を統合させる動きもあるという。例えば、ポートフォリオが環境や社会における特定の事象に与えるインパクトを測定し、さらにSDGs(持続可能な開発目標)と関連付ける手法などがある。</p>
<p>一方で、株式投資か債券投資かを問わず、ESGの実践については課題があると指摘する。例えば、ESGの標準的な定義が確立されておらず、特に「S（社会）」についてはさまざまな見解がある。データについても新興国市場を中心に十分なものがないとし、国債を発行する政府とのエンゲージメントを推進することが難しい、信用格付けや債券指数に置いてESGが果たす役割が不明瞭、債券投資における指数の選択肢が乏しいなどの課題を挙げた。</p>
<p>世界銀行グループのジム・ヨン・キム総裁は、「SDGsの達成には年間約4兆ドルが必要と見込まれるが、ODAだけでは年間1400憶ドルにしかならない。目標の達成には、民間セクターや機関投資家の力が必要。ESGを投資活動へ織り込むことは、より高いリターンを確保しつつ、途上国に必要な資金を提供でき、世界の貧困削減を達成するための賢明な方法だ」としている。</p>
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サステナブル・ブランド国際会議2017～2020

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GPIF・世銀、債券のESG投資が「収益の安定に貢献」

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