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資源循環

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<h2>SB2019Tokyo</h2>
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<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04/03/01600358.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">セッション「All In: The Future of Business Leadership」</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナブルな企業経営が注目されるイケア、ネスレ、パタゴニアはどのような企業理念を持ち、どのようなアプローチで事業経営を行っているのか。これらの企業価値を実証する具体的な事例とは――。企業の持続可能性に関するコンサルティングなどを手掛けるサステナビリティ社のマーク・リー氏が「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」のセッションで、持続可能な企業経営のリーダーとなっている3社の担当者に聞いた。（箕輪弥生）</p>
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<h2>企業の存在意義を追求することが持続可能な企業経営につながる</h2>
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<p>イケアは世界各地に377店舗を運営し、年間約10億人が来店するグローバルな企業である。「イケアのバリューチェーン全体で人々の毎日の生活にインパクトを与えていることに大きな責任を感じる」とイケア・ジャパンのヘレン フォン ライス社長は語る。</p>
<p>同社は2020年までのサステナビリティ戦略として「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」（人と地球に良い影響を与えること）を2012年に発表し、進めている。</p>
<p>この戦略の根本にあるものは、創業者が育ったイケア発祥の地、スウェーデン南部のスモーランドにあるという。岩だらけのこの地域では、乏しい資源を無駄なく有効に活⽤する習慣があり、その考えが今なお、イケアの製品開発や輸送・販売⽅法に影響を与えている。</p>
<p>2020年までのサステナビリティ戦略の中では、「サーキュラーエコノミーと気候変動対応」をひとつの柱とした。具体的には、自然エネでの店舗運営、再生可能な素材の使用、廃棄物の資源化、持続可能な原材料の⻑期的な調達などである。</p>
<p>一方、世界最大の食品企業であるネスレは、企業の存在意義（パーパス）を2016年に「生活の質を高め、健康な未来づくりに貢献する」ことだと定めた。これは乳幼児のための栄養補給食品を製造した創業時から150年間同社が目指してきたことを明文化したものだ。</p>
<p>同社はこの企業の存在意義を追求するために企業の共通価値を創造するCSVと呼ばれるアプローチが必要だとする。企業が持続的に成長するためには社会課題を解決し、社会的価値を持たなければならないというものだ。ネスレ日本の嘉納未來執行役員は「CSVを実現することがビジネスチャンスになり、競争力になる」と強調した。　</p>
<p>パタゴニアの企業理念は明快だ。「私たちは故郷である地球を救うためにビジネスを営む」と存在意義を明確化している。自然と遊ぶためのウエアやギアを販売している同社にとって、自然や生態系の保護はパーパスそのものだからだ。</p>
<p>パタゴニア日本支社の佐藤潤一環境・社会部門シニアディレクターは「特に私たちという部分が重要となってきている」と指摘し、「気候変動の問題は1社だけではもちろんできない。同じ危機感を共有するパートナーと連携してイノベーションを生んでいきたい」と話した。</p>
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<h2>環境や社会にポジティブに作用する事業経営とは</h2>
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<p>これらの企業の価値観を実証する具体例はどのようなものがあるのだろうか。会場からの質問にネスレ日本の嘉納執行役員が答えた。</p>
<p>同社では2011年から毎年、社員からのソリューションを募集する「イノベーションアワード」を実施している。その中で東北の契約社員だった女性が地方のスーパーの自販機の近くで休む高齢者を目にし、スーパーに同社のコーヒーマシンを置いて集いの場づくりを提案し受賞した。この取り組みは全国に広がり、提案した女性は正社員となったという。</p>
<p>嘉納執行役員はこのケースを「日々の小さな発見が地方の課題、高齢化社会の課題につながった好事例」と説明し、「企業の存在意義をトップだけでなく社員全員が自分事化した結果」と分析した。</p>
<p>イケア・ジャパンでも社員の「なぜ家具のレンタルがないのか」という声からレンタルサービスが日本から始まったとヘレン社長は話す。</p>
<p>パタゴニアは、米国がパリ協定から離脱した後のブラックフライデーの直営店の売上すべてを環境団体に寄付した。また、同社は世界での売上高の1%を利用して自然保護に取り組むNGOやNPOの支援を行うほか、インターンシップ制度による従業員の活動参加など助成金以外でも支援する。</p>
<p>3社共、ブランドを作るためにサステナビリティを掲げるわけではなく、企業の存在意義を深く追求した結果、環境にも社会にも貢献するビジネスの形を作っている。</p>
<p>今後10年後のサステナビリティ経営に何が重要かというマーク・リー氏の問いかけに対し、パタゴニア日本支社の佐藤シニアディレクターは「今後はビジネスをすればするほど環境や社会が良くなる再生型（Regenerative）の事業経営に皆が本気で移行しなければならない」と指摘した。</p>
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<p></p>

SB国際会議

ニュース

サステナブル・ブランド国際会議2017～2020

経営 management

存在意義の追求がビジネスをサステナブルにする

吉田広子

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<h2>SB2019Tokyo</h2>
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<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04/03/B11main.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">左からサントリーの福本執行役員、ブランドコンサルタントのヌイ氏、日本ロレアルのデルフィーネ所長</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>日本企業は「パーパス」をどう定義すべきか。「サステナブル・ブランド（SB）国際会議2019東京」では、SBのメインテーマであるパーパス（存在意義）について日本、フランス、タイの視点で議論された。ブランドコンサルタントのシリクン・ヌイ・ローカイクン氏は「企業が社会貢献に取り組んだ結果、副産物としてサステナブル・ブランドになる」と話した。（オルタナ編集部＝吉田広子）</p>
<p>SB東京総合プロデューサーでオルタナの森摂代表取締役はセッションの冒頭で「この数年でパーパスという言葉が少しずつ広がってきた。そのきっかけの一つにリーマンショックがあるのではないか。経営危機を迎え、自社が何のために存在しているのか、企業は見直し始めている」と投げかけた。</p>
<p>サントリーホールディングスの福本ともみ執行役員は、「パーパスとして当社でオーソライズされたものはない。ただ、パーパスは企業の根源的なものだと捉え、理念体系の一番上にあるミッション『人と自然が響き合う』が存在意義にあたると考えている」と言う。</p>
<p>一方で、「ミッションや理念があっても社員全員が共有し、持ち場で実践し、企業活動として実現していくことは難しい」と話した。</p>
<p>世界最大の化粧品会社ロレアルは、「Sharing Beauty with All」（美のすべてを、共に次世代へ）を掲げ、国際環境NGOであるCDPから3年連続でサステナビリティのグローバルリーダーとして表彰されている。</p>
<p>日本ロレアルリサーチ＆イノベーションセンター基礎研究所デルフィーヌ・ブーヴィエ所長は、「トップダウンでサステナブル・プログラムを進めているが、全部門、社員一人ひとりにまで降りていることが成功要因の一つ。CSR担当の数人が頑張るだけでは成し遂げられない」と話した。</p>
<p>デルフィーヌ所長は「化粧品事業は、人を美しくし、自信を深め、日々の役に立つ。だが、これだけでは不十分」と指摘。「健康に貢献し、地球環境を守り、社会にも貢献していくという大きな意味でのサステナビリティが重要である」と強調した。</p>
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<div class="elem_heading_lv2">
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<h2>パーパスは「理由」、ミッションは「方法」</h2>
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<p>「どのようにグローバルで価値観を共有しているのか」との質問に対して、サントリーの福本執行役員は「入社したころの社員数は約8000人でほぼ日本人。わざわざ価値観を共有する必要がなかったが、グローバル化し、社員の多様性が進み、いまこそ理念を求心力にグループとしてベクトルを合わせていきたい」とした。同社はサントリー大学や森林保全活動を通じて人材教育に力を入れている。</p>
<p>日本ロレアルのデルフィーネ所長は「インターナショナルで良いと思ったことを実行しているが、ローカルの人たちがどう考えているのか、ロレアルは学んでいかなければならない」とし、日本でのシングルマザー支援などの取り組みを紹介した。</p>
<p>タイでSB国際会議を主催するブランドコンサルタントのヌイ氏は、「毎年、日本に来ているが、日本はほかの国よりもパーパスの意味を理解している」と話す。日本語の「生きがい」はパーパスに通じるとし、タイの企業経営者にも広まりつつあるという。</p>
<p>「パーパスは『why』（理由）、ミッションは『how』（方法）、バリューはガイドライン。これらはつながっている。マネジメントの基盤があって、山を登るようにビジョンを達成していくためには、適切なパーパス、ミッション、バリューが必要不可欠である」（ヌイ氏）</p>
<p>ヌイ氏は「『サステナブル・ブランド』とは、永遠に続くブランドではなく、社会の持続可能性をサポートできるブランドという意味。企業が社会に貢献して生まれた副産物がサステナブル・ブランドだと思う。そしてそれがパーパスではないか」と話した。</p>
</div>
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<p></p>

サステナブル・ブランドは社会貢献の副産物

中島洋樹

<p></p>
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<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/05/400274.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">「2030 VISION」と「サステナビリティ目標」の関連図<br />　　　　　　　　　　　　　　　　　(キユーピー提供)</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>キユーピーは、社会と企業活動の持続的な成長に向け、取り組むべき内容を指標化した「サステナビリティ目標」をこのほど設定したと発表した。「健康寿命延伸への貢献」「資源の有効活用と持続可能な調達」「CO2排出削減」「子どもの心と体の健康支援」「ダイバーシティの推進」の5つのテーマからなる。同社は持続可能な社会の実現に向け、自ら考え、行動していく方針だ。(オルタナ編集部=中島洋樹)</p>
<p>「サステナビリティ目標」は、社会と企業活動の持続的な成長に向け、同社として取り組む内容を指標化したものである。この目標達成への取り組みを通じ、昨年12月に発表した、同社グループが2030年に「ありたい姿」を現した「キユーピーグループ2030ビジョン」の実現につなげていきたい考えだ。キユーピー本社と関連会社を含む、「キユーピーグループ」全体で取り組む。</p>
<p>「サステナビリティ目標」は5つのテーマから構成される。</p>
<p>健康寿命延伸への貢献<br />　サラダと卵のリーディングカンパニーとして<br />　・1日当たりの野菜摂取量の目標値350g(厚労省の定める成人1日当たりの平均摂取量の目標値)の達成に貢献する。<br />　・たんぱく質の摂取に貢献するために、卵の消費量アップを推進する。</p>
<p>資源の有効活用と持続可能な調達<br />　・グループで利用する主要な野菜の未利用部について、2021年までに30％、2030年までに90％以上を有効利用する。<br />　・商品廃棄量を2021年までに25％、2030年までに50％削減する(2015年対比)。</p>
<p>CO2排出削減<br />　・グループの年間のCO2排出量について、2021年までに7.5％、2030年までに20％削減する(2013年対比)。</p>
<p>子どもの心と体の教育支援<br />　・2030年までに、グループの食育活動などで接する子どもの笑顔の数を、100万人以上にする(2019年からの累計)。</p>
<p>さらに、上記に加えて、グループ成長戦略の土台として下記を推進する。</p>
<p>ダイバーシティの推進<br />　・女性の管理職比率を、2021年までに12％、2030年までに30％にする(キユーピー単体)。</p>
<p>いずれの目標も「人生100年時代」「フードロス」「地球温暖化」「子どもの貧困」「ジェンダー平等」に関わる重要テーマと位置付けている。</p>
<p>同社は本年で創業100周年を迎える。次の100年に向け、どのように成長していきたいか、自らの「ありたい姿」を明確に打ち出し、持続可能な社会の実現に向けて、自ら考え、行動していきたいとしている。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

ガバナンス

キユーピー、「サステナビリティ目標」を設定

ディーン・ガルシア

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<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/us/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/01/25/600399.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>「サステナブル・ブランド」コミュニティに属し、サステナブルなビジネスを展開する企業家への一連のインタビューの1つを取り上げる。「『グッド・ライフ』実現に向けての再構築」のために組織ができることについて、仏ユトピ社のエリザベス・ラヴィーユ チーフ・アントレプレナーに語ってもらう。聞き手は米ミネアポリス・カレッジ・オブ・アート＆デザインの学生や卒業生だ。(翻訳=クローディアー真理)</p>
<p><a href="http://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1190957_1534.html">Bコーポレーション</a>であるユトピ社はフランス・パリを拠点にコンサルティングとシンクタンク業務を行う、欧州でもリーダー的存在の企業だ。社内の各階層にサステナビリティを取り入れようという企業を支援する。ラヴィーユ チーフ・アントレプレナーは、ビジネスは目的(パーパス)をもって運営されるべきであり、その目的は企業の組織構造に根差すべきものだという信条を持つ。</p>
<p>近年、ユトピ社は「シティX・ブランド」パートナーシップに力を入れて取り込んでいる。これは、企業が拠点を置く地域社会に重点的で前向きな影響を与える方法を模索する活動だ。</p>
<p><strong>――何に着想を得て、コンサルタント会社としてユトピ社を立ち上げたのか。</strong></p>
<p>エリザベス・ラヴィーユ(以下ＥＬ)：当初に得たインスピレーションは、Bコーポレーションの活動とよく似ている。ブランドや企業は利益のためだけでなく目的のためにも運営できると私たちは信じ、ビジネス戦略にサステナビリティを組み込もうと、現在活動を3点に絞り込んで行っている。</p>
<p>1つは、サステナビリティとイノベーションの融合、2つ目は「ポジティブ・ブランド」フレームワークを通しての、ブランド・ポジショニングにおけるサステナビリティの統合、3つ目は製品の原料生産・製造・販売のどれを地域社会で行うのであっても、そこでのビジネスの影響を最大化することだ。</p>
<p><strong>――昨年バンクーバーで行われたサステナブル・ブランド本会議のテーマは、「「グッド・ライフ」実現に向けての再構築(リデザイン)」だったが、あなたにとって「グッド・ライフ」とは何か。また「デザイン」はそこにおいてどのような役割を果たすか。</strong></p>
<p>ＥＬ：サステナブルな開発を目指した都市設計を実践する建築士、ウィリアム・マクダナー氏が言うように、もし「デザイン」が人間の意図を表す最初のしるしだとすれば、デザインは「グッド・ライフ」に大いに関係している。</p>
<p>各人に「グッド・ライフ」を提供するためにデザインされた商品やサービス、活動によって、「グッド・ライフ」の構築が可能だからだ。ここにブランドの存在目的や、サステナビリティ、イノベーションがある。</p>
<p><strong>――この点で消費や消費者に焦点を当てるのは、私たちの方向性が間違っているのか。</strong></p>
<p>ＥＬ：「グッド・ライフ」を支えるのは必ずしも商業的・物質的なものとは限らない。家族間のつながりや文化、スポーツ、アウトドアアクティビティなどがそれに当たり、現代の過剰消費からの脱却手段ともなっている。</p>
<p>サステナブルな消費とは、私たちの文化やライフスタイルを根本的に変えることを意味する。環境負荷の低い製品に切り替える間、現在の消費レベルを維持するということではない。</p>
<p>過剰消費を幸せや社会的ステータスへの第一歩として捉えるのでなく、生活上物的価値と非物質的なものの価値のバランスをとることを再考すべきだ。「グッド・ライフ」とは、物品を購入する前に本当にこれは自分にとり必要なのかを自問するところから始まる。</p>
<p><strong>――「シティX・ブランド」パートナーシップについて教えてほしい。</strong></p>
<p>ＥＬ：私たちは「地域社会を優先すること」が、消費者、生産者、コーポレート・ガバナンスが求める新しいコンセプトと見ている。環境面をはじめとするサステナビリティの観点で、これは道理にかなっている。しかしその一方で移動性などの幾つかの側面からいえば、都市もサステナビリティの問題を解決する重要な場だ。</p>
<p>地域社会でも都市部でも実現可能で、よりサステナブルで新しいビジネス・モデルには2つのトレンドがある。1つは「サーキュラー・エコノミー(循環経済)」であり、もう1つは「シェアリング・エコノミー(共有経済)」だ。</p>
<p>軽んじてはいけないのは、都市にしろ地方にしろ、自治体が体系的な変化を実現するのにより良い位置にいるということだ。住人への教育、インフラや法整備を進めていくのに適役であり、ボトムアップ・アプローチもトップダウン・アプローチも行いやすい。</p>
<p><strong>――地域社会でサステナブルな変化を推進する上での企業の役割とは何か。</strong></p>
<p>ＥＬ：こうした企業は重要だが、ビジネス・モデルについてはさらに検討の余地がある。公益に関連した事柄の変化を企業が推進する場合、地域内のパートナーのエコシステムに沿って進める必要があるからだ。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

ワールドニュース

地域社会でサステナブルな変化を：仏コンサルタント

サステナブル・オフィサーズ

インタビュー

全世界の「店長」を集め、ブランドの「求心力」高める――小林弥生・ラッシュジャパン取締役

ファイナンス

経済 economy

味の素のASV戦略：「社会が先、経済は後」――吉宮由真・味の素常務執行役員

オルタナ編集部

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<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/12/07/model1_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">Images credit: Recruit Group</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>In aiming to resolve negative factors in society such as <strong>inequality</strong>, <strong>inconvenience</strong> and <strong>insecurity</strong>, <strong>Japan</strong>’s <strong><a href="https://recruit-holdings.com/" target="_blank">Recruit Group</a></strong> has devised a new framework, “Sustainability Orbit,” detailed in its annual report issued this October. With management&#8217;s full commitment, Recruit Group follows the framework’s action guidelines to execute sustainability activities. <strong>Masahiko Kawamura</strong>, Director and Chief Researcher at <strong>Alterna Research Institute</strong>, interviewed Executive Officer <strong>Ms. Ayano Senaha</strong> about its aims and prospects.</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/12/07/Senaha-Recruit-Holdings.JPG"/></div>
<div class="m_paragraph">Ms. Ayano Senaha, Corporate Executive Officer, Recruit Holdings Co. Ltd.</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>What does “Sustainability” mean for Recruit Group?</h2>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura: In this annual report, you have devised a new framework, “Sustainability Orbit.” Why now?</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> One reason is that Recruit Group has become a global entity. In Japan, we might be seen as a domestic company, but our overseas sales have now reached almost 50 percent of the Group’s revenue.</p>
<p>In addition, the global environment has changed considerably. When our <strong>CSR Promotion Office</strong> — the predecessor of the <strong>Sustainability Promotion Office</strong> — was established in 2012, we had already recognized the importance of listening to the opinions of stakeholders, and incorporating them in our initiatives. The logical next steps were to listen to a wider range of stakeholders globally — including <strong>NGOs</strong> and <strong>investors</strong>— and properly arranging the internal governance structure for discussion and decision-making.</p>
<p><strong>Kawamura: The flow of the world has changed dramatically, such as the adoption by the UN of Sustainable Development Goals (<a href="https://www.sustainablebrands.com/news_and_views/search/SDGs">SDGs</a>), and the Paris Agreement in 2015.</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> Yes, that is true, however I personally think that even in a constantly changing world there are important things that remain consistent. We have a culture of asking: “what do you <em>really</em> want to do?,&#8221; which is deeply rooted in our group. We have challenged and solved negative factors in society through our business since it was founded. Most of our existing businesses have originated from employees’ ideas.</p>
<p>Even though we have nearly 60 years of history, the culture remains the same. For instance, in 2017, 988 new project proposals were put forward within our Japanese operations alone. As we have this kind of culture in our group, the question for us was not what we can do to accommodate SDGs. For us, it was very natural to ask ourselves what we want to do when considering sustainability policies.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>The spirit of its Founder and the “Ribbon Model&#8221;</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura: Has your company always had this corporate culture? It does not sound very Japanese.</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> Yes, it’s been like this since the company’s founding in 1960. And yes, I guess it is unique in the Japanese social context. When <strong>Hiromasa Ezoe</strong>, our founder, was studying at the <strong>University of Tokyo</strong>, he noticed how inconvenient it was that job offer information was scattered, hidden in places like student information boards, or just personal introductions through laboratories in universities. He felt this was also inequitable, so he gathered and collated all available job information in one place and started publishing it in the student newspaper.</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/12/07/RibbonModel.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>This episode signifies two important characteristics of Recruit Group: using business to solve societal problems, as I explained earlier; and creating value from matching clients with users, which we call the “Ribbon Model.” We visualise a ribbon with the client at one end and the users at the other. We make the two sides of the ribbon meet in the middle, and maximizing this “matching effect” has been our role since our founding.</p>
<p><strong>Kawamura: It must have been quite an innovative idea at that time. I can see why you needed to create your own concept of sustainability. How did you begin?</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> Our first step was to start dialog with stakeholders. As you can easily imagine, the big question for us over the past two years has been to define Recruit Group’s own concept of sustainability. <strong>The Sustainability Orbit</strong>, <strong>5 Material Matters</strong> and <strong>SDG Domino</strong> — all new concepts which are shown in our annual report, which I will explain later — are the outcomes of our efforts to meet stakeholders’ expectations.</p>
<p><strong>Kawamura: Who did you talk to in the Stakeholder Dialogues?</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> We listened to 68 different NGOs, experts, investors and lawyers. We found their various opinions and demands from their own perspectives very interesting. I felt expectations from them, but also encouragement.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Management team commits to new structure</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/12/07/SustainabilityOrbit700636.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">The Sustainability Orbit | Click to enlarge.</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura: Please tell us about the Sustainability Orbit.</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> We call our evolving cycle of sustainability initiatives the &#8220;Sustainability Orbit.&#8221; Through dialogue with our stakeholders, we recognize the demands and expectations society has of us, then discuss them at depth with outside experts and management teams at the Sustainability Committee.</p>
<p>Then, at Recruit Holdings’ Board of Directors meeting, we secure management&#8217;s commitment. According to our action guidelines, we promote tangible sustainability activities. It may be easier to understand if you imagine a three-dimensional helix, not a flat spiral. It is not a process that has an end, and will always evolve and improve.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Emphasizing stakeholder engagement</h2>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura: That is exactly what stakeholder engagement should be about. How are you going to make this work?</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> We do this by grasping society’s demands through Stakeholder Dialogue, participating in international conferences, reviewing action plans, consulting with the Sustainability Committee, and finalizing our plans with the Board of Directors.</p>
<p><strong>Kawamura: Can you tell me about your time scale, and if there are any challenges in realizing it?</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> I think it is a cyclical flow, so the time scale is almost constant. For example, we noticed at one point that we maybe a little biased because we mainly listened to stakeholders outside our company, such as NGOs and investors, so from this year we started having town hall-style meetings with our <strong>employees</strong>, who are also <a href="https://www.sustainablebrands.com/news_and_views/marketing_comms/dr_john_izzo/employees_are_your_best_purpose_ambassadors">important stakeholders</a>. We improve the process by correcting its trajectory as necessary.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Five Material Matters and the SDG Domino</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura: Now, please tell me the specific tasks your company is working on, and their Key Performance Indicators.</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> We focus on five themes as our priorities: “<strong>Inspire new ways of working</strong>,” &#8220;<strong>Close the opportunity gap</strong>,” “<strong>Celebrate​ <a href="https://www.sustainablebrands.com/news_and_views/marketing_comms/eb_moss/nat_geos_susan_goldberg_creating_picture_diversity">diversity and inclusion</a></strong>,” “<strong>Respect human rights</strong>” and “<strong>Conserve the environment</strong>.&#8221; These matters were selected after <strong><a href="https://www.sustainablebrands.com/news_and_views/new_metrics/daniel_aronson/materiality_broken_it_doesn%E2%80%99t_have_be">materiality analysis</a></strong>; evaluating the level of demands gathered through the Stakeholder Dialogues, and the degree by which we can contribute the most in our original way. In addition, there is the &#8220;SDG Domino&#8221; effect, in which all the matters relate to each other.</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/12/07/SDGDomino700533.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">SDG Domino effects at Recruit Group | Click to enlarge.</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Kawamura: “SDG Domino&#8221; is also unique. Can you tell me how this leads to value creation?</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> I think it is significant that we selected “<strong>Reduced Inequalities</strong>,” the 10th SDG, for our first domino piece. As providing “<strong>Opportunities for Life</strong>&#8221; is a key mission for Recruit Group, we are determined to add value to society by maximizing the matching effect, with the Ribbon Model at its core.</p>
<p>However, there are other things that directly contribute to different SDGs in our business. For example, we have an educational business, so the 4th Goal, “<strong>Quality </strong><strong>Education</strong>,” gets tackled head on. In addition, we run a job listing service called &#8220;<strong>Travaille</strong>,” aimed mainly at women, which matches the 5th Goal of “<strong><a href="https://www.sustainablebrands.com/news_and_views/supply_chain/victoria_shapovalova/addressing_sdg_5_5_steps_promote_gender_equality_su">Gender Equality</a></strong>.&#8221; That said, the 10th Goal — “Reduced Inequalities” — is set as the first piece of the domino for the whole group, and we try to make each goal interact to generate social impact.</p>
<p>We launched “Travaille&#8221; in 1980, more than five years before the official enforcement of the Equal Employment Opportunity Law in Japan. From our founding to 2018, our idea that we want to make a positive influence on society through our core business has not changed. As a result of this accumulation, we would like to realize our basic principle of creating a brighter world where all individuals can live life to the fullest.</p>
<p><strong>Kawamura: What is your vision for your future?</strong></p>
<p><strong>Senaha:</strong> Recruit Group’s vision is to &#8220;<strong>Follow Your Heart</strong>.” As the basis of this vision, we believe each person reaches their greatest potential when their aspirations, dreams, desires and passions are all unleashed. This belief is incorporated into each element of group management, and produces a virtuous cycle that creates a social impact through engaging with all of our stakeholders.</p>
<p>Being in charge of sustainability, I place great importance on one thing, and that is “authenticity.” Our vision, as well as our Sustainability Orbit, are not there just to be framed and hung on a wall. I want them to be real tangibles in our daily activities.</p>
<p>At Recruit Group, these principles are grounded in reality that each employee actually carries out their duties sincerely. These accumulated efforts not only grow our business but also make our contribution to the society very authentic. As a result, I hope that we make positive impact for SDGs and a sustainable society in a real, unique way.</p>
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Recruit Group: Resolving Society’s Negatives with Business Solutions

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<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/os/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/10/18/500375.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">国連グローバル・コンパクト リーダーズサミットのCEO円卓会議に参加したBASFのサオリ・デュボーグ取締役(写真：BASF提供)</div>
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<p>BASF(本社：ドイツ)はこのほど、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の「リード企業」と「SDGパイオニア」に認定された。持続可能な成長の実現に向けたグローバルなイニシアチブであるUNGCが、先導的な企業や個人を認定するもの。リード企業は今回34社が認定された。同社は安全な飲料水提供に向けた消毒技術の開発など、持続可能な水と気候への取り組みを進めており、その活動担当者がSDGパイオニアに選出。これまでに累計30人が選ばれている。(オルタナ編集部=堀理雄)</p>
<p>UNGCは、1999年の世界経済フォーラム(ダボス会議)の席上でコフィー・アナン国連事務総長(当時)が提唱したもので、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに向けた企業や団体のイニシアチブとして、2000年に発足した。</p>
<p>「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野・10原則を軸に活動を展開。160カ国以上を拠点とする13000を超える企業や非営利団体が署名し、世界各地で70近いネットワークを形成している。</p>
<p>リード企業は、その中でもサステナビリティにおいて先導的に活動に取り組む企業が認定される。</p>
<p>今回の認定についてBASFのサオリ・デュボーグ取締役は「責任ある事業活動はSDGs(持続可能な開発目標)を達成するための前提条件。事業の成功は利益を生み出すだけでなく、社会や環境に価値を生み出すこと」と述べた。</p>
<p>SDGパイオニアは、ビジネスを通じたSDGsの達成に向け優れた貢献をした個人をUNGCが表彰するもので、2016年から毎年10人が選ばれている。</p>
<p>このほど水の保全に関する活動を推進した、BASF北米市場・ビジネス開発担当プレジデントのテレサ・ゼレスト氏が選ばれた。</p>
<p>BASFコーポレーション(米国)は、2017年にルイジアナ州立大学工学部に100万ドルを寄付し、地球規模の課題に対する持続可能な解決策に焦点を当てた研究所を設立。この研究所のチームが、太陽光を利用した携帯型の水消毒システムを開発した。</p>
<p>従来のエネルギーを集約する消毒法を用いることが難しい開発途上国において、約10億人に安全な飲料水を提供する可能性があるという。</p>
<p>こうした研究や、地域の水利用に関する解決策の開発など、持続可能な水と気候への取り組みが評価された。ゼレスト氏は「資源に限りがある中、責任ある水の使用、世界的な水の保全はBASFにとって引き続き最優先事項」と述べた。</p>
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BASF、国連GCのリード企業とパイオニアに認定

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<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/10/08/700274.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">「総合トレーニングセンター(仮称)」の完成イメージ図(ANA提供)</div>
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<p>ANAはこのほど、航空業界で世界初となるグリーンボンドを発行すると発表した。償還期間は10年で発行総額100億円を予定。発行日は未定だが、10月中の発行を見込む。同社は調達された資金全額を、同社訓練施設の建設資金に充当する方針。同施設では、世界最新鋭の設備を導入し、訓練などを通じて安全の確保、人材育成に取り組む。さらに省燃費機材の積極導入も継続し、世界の「環境リーディング・エアライングループ」を目指す。(オルタナ編集部=中島洋樹)</p>
<p>ANAグループは、今年2月、持続的な成長と価値創造に向け、ESG経営を中核とした「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」を策定した。</p>
<p>本戦略期間におけるマテリアリティ(CSRにおける重要課題)として、同社は「環境」「人権」「ダイバーシティ＆インクルージョン」「地域創生」の4項目を掲げている。これらに適切に対応することで、「社会的価値」と「経済的価値」を同時に創出し、企業価値の向上を図る方針を打ち出した。これはCSV(Creating Shared Value・共通価値の創造)への取り組みと言い換えることもできる。</p>
<p>同社は2008年に運輸業界・航空業界として初となる「エコ・ファースト企業」に認定された。そして、さらなるESG経営を進めていくにあたり、その一環として東京都大田区に「総合トレーニングセンター(仮称)」(以下、同センターと表記)を建設することとなった。</p>
<p>ANAホールディングス 広報・コーポレートブランド推進部の担当者(以下、担当者と表記)によれば、今回発行される航空業界では世界初となるグリーンボンドで調達された資金は、全額、同センターの建設資金の一部に充当されるという。現在、発行日は未定だが、10月中の発行を見込んでいる。償還期間は10年で、発行総額は100億円を予定。主幹事は野村證券(東京・中央、森田敏夫社長)、SMBC日興証券(東京・千代田、清水喜彦社長)、みずほ証券(東京・千代田、飯田浩一社長)の3社が担当する。</p>
<p>同センターは昨年7月から建設が開始され、2019年3月に竣工予定となっている。これにより、今まで複数の施設で行われていた同社のパイロットやキャビンアテンダント、整備士などのトレーニングをすべて同センター内で行うことが可能だ。担当者は、「VR(バーチャル・リアリティ)機器やシミュレーション機器など世界最新鋭設備を導入し、より本番に即した臨場感のあるトレーニングの実施を通じ、経営の基盤である安全の確保と、品質・サービスの源泉となる人財育成に取り組んでいきたい」と語った。</p>
<p>同施設には太陽光発電設備やLED照明器具、屋上緑化などを用いており、温室効果ガス排出抑制にも配慮した設計となっている。同社はこれらの取り組みに加え、保有する航空機への省燃費機材の積極導入の継続により、世界の「環境リーディング・エアライングループ」を目指すとしている。</p>
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ANA、航空業界で世界初のグリーンボンド発行

瀬戸内千代

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<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/26/282400.jpg"/></div>
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<p>事業構想大学院大学出版部はこのほど、書籍『SDGsの基礎』を発刊した。SDGsに深く関わる6人が執筆した入門書。副題に「なぜ、『新事業の開発』や『企業価値の向上』につながるのか？」を掲げ、採択された背景、企業の実践とその課題などを盛り込む。国連の沖大幹(おき・たいかん)事務次長補は最終章で、SDGsを積極的に活用し、企業が「国際社会の『観客』から『選手』へ」変わることを提唱した。(瀬戸内千代)</p>
<p>著者は、国際連合大学上級副学長でもある沖氏のほか、地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能性ガバナンスセンターの吉田哲郎リサーチ・マネージャーと小野田真二研究員、伊藤園の笹谷秀光顧問、東京都市大学環境学部の佐藤真久教授、CSOネットワークの黒田かをり事務局長兼理事など、SDGsの立案や普及に関わってきた面々である。</p>
<p>先行企業を紹介した章では、オランダの石炭公社から転じて全事業でSDGsに配慮するグローバルな化学会社となったDSM社や、SDGsの複数のゴールを同時に満たす「PaperLab(ペーパーラボ)」を開発したセイコーエプソンなどを例に挙げ、SDGsを本業化する必要性をまとめた。</p>
<p>笹谷氏は、SDGsは特に「共通言語として使用し、取引先やNGO/NPOなどと目的を共有する」点で企業経営に有効であり、社員のモチベーション向上や優秀な人材の確保にも役立つと述べた。</p>
<p>佐藤氏は、MDGsとSDGsが完成した時代背景の差異に着目し、「SDGsは15年後に現在とは全く別の変化した未来を求める目標であり、発想の転換が必要」と強調した。</p>
<p>沖氏は、企業に問題解決型から「目標追求型」への移行を求めつつ、見せかけの取り組み(SDGsウォッシュ)に陥る危険性も指摘した。</p>
<p>また、日本企業が国際的な基準づくりの場に積極的に参画し、次世代に希望を伝えることの大切さにも触れた。</p>
<p>巻末にはSDGsの17個の目標の細かなターゲットや指標を日英2か国語で掲載。タイトル通りSDGsを基礎から伝える1冊となっている。</p>
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事業構想大がSDGs本—企業価値や事業の意味を問う

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