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小松遥香HK

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff1_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>世界の学生など若者が中心となり気候変動対策の早急な加速化を求める「世界気候アクション0925」が25日、世界150カ国以上で一斉開催された。この日、国内でも32都道府県75カ所で同アクションが行われ、東京では国会議事堂前に100人以上が集まった。昨年は東京だけで約2800人が参加。今年はコロナ禍で縮小した形での開催となる中、「#気候危機に特効薬なし」をキーワードにSNSを使ったデジタルアクションも展開した。Fridays for Future Tokyoのメンバーで大学1年生の西村健汰さんは「本当は、気候変動問題に取り組みたいわけではない。でも自分の時間を犠牲にしてでも、今やらなければ命が危険にさらされる問題」と語った。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>「FridaysForFuture(未来のための金曜日)」は2018年、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんがさらなる気候変動対策の取り組みを訴えるために毎週金曜日、学校を休み、同国国会議事堂前で座り込みを行ったことから世界の若者たちに広がった運動だ。日本では大学生を中心に2019年2月にFridays for Future Japanが発足した。東京支部には現在、中学生から大学生まで42人が参加している。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>16時、東京では小雨が降る中、国会議事堂前の通りを挟んだ一角に、続々と人が集まり、靴とプラカードを並べ始めた。前回は、青山から渋谷までの通りを2000人以上の参加者がプラカードを持ち、気候変動への取り組みの必要性を叫びながら行進した。しかし今回、感染症対策として過密状態を避けるために、その場に長時間いなくてもアクションに参加できる「Climate Shoes Action(クライメイト・シューズ・アクション)」という手法が会場とSNS上で用いられた。全国では、若者のみならず企業や団体、学校などの参加もあり、1800人が「Climate Shoes Action」に参加したという。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box col2">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff2_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
<td class="separator"></td>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff9_2.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>若者たちが「世界気候アクション0925」で求めるのは、「1.5度目標の達成と早急な対策の実施」「公正な政策決定のプロセス」「若者の意見の尊重」だ。産業革命前と比べて平均気温上昇を1.5度に食い止めるためには、来年11月に開催されるCOP26で二酸化炭素排出量の大幅な削減目標を掲げる必要がある、と政府に訴える。</p>
</div>
<div class="elem_block color">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p><a href="https://fridaysforfuture.jp/gdca-demand">「What do we want? 私たちが求めること」</a></p>
</div></div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff3_2.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>神奈川県川崎市で運送会社を営む新井田知成さんは、「昨年末にグレタ・トゥーンベリさんの活動を知って、自分の18歳の子どもの未来のために何かをしなければと思った。それまでは関心があったわけではなかった。私に手伝えることがあれば手伝いたいと思って、今日は参加した。実は、今年2月からは肉などを食べるのを止めて野菜中心の食事に変えた」と語った。</p>
<p>同じくスーツ姿で参加した40代の男性は「ネットで知った。気候変動に関心を持ったのは最近。どんなものかなと思って様子を見るぐらいの気持ちで来たが、子どもと同じ世代の人たちが多くて驚いた。でもこうして若い人が多いことに、日本も捨てたものではないと安心した。気候変動を真剣に考えないといけない時が来たのではないかと思う」と話した。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff4.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>アメリカの大学に入学したばかりだが、コロナ禍で日本にいながらオンライン授業を受けているという大学1年生は、「国際的な社会問題に関心があった。しかし勉強する中で、気候変動が悪化すると、そのほかの問題も悪化することになると知った。大学では環境科学を専攻している。市民が声を上げることで政治家も動くと思う。私たちが声を上げていくことが大事だ」と力を込めた。</p>
<p>大学2年生の女性は、「1年前にオーストラリアに留学し、授業でキャンプをした時、先生が話していた『人間は自然と共存しながら生きていくんだ』という一言と、水や石鹸などをあまり使わない生活をしたことがきっかけで、これまでの生活って違うんじゃないかと思うようになった。何も考えてこなかったことを後悔しているし、ほかの人にも後悔してほしくない。まわりに気候変動に関心がある人は少ない。(隣にいる)友だちにも無理やり一緒に来てもらった。こうしてアクションを起こしている同世代の人たちに会えたことが嬉しい」と語った。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff10.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>受験を控えているという高校3年生の2人組みは、「環境問題に関心があり、2人で何かに参加したいと思っていた。受験勉強も大切だが、こっちの方が大事なので放り投げて来た。大学では環境問題と企業の関係やCSRなどについて学びたい」「7歳の時に学校の授業で地球温暖化について知った。特に、人間の活動によってシロクマが生存の危機にあることを知った時は、なんで大人たちはなにもしてこなかったのかと、人間に対する怒りを感じた。中学生の頃は、こうしてアクションに乗り出すことはすごく怖かったが、先輩たちが動いているのを見て、私もやろうと思った」と話した。</p>
<p>このほかにも、7月、モーリシャスで日本企業の大型貨物船が座礁した事故をきっかけに環境問題に関心を持つようなって参加した、と話す人もいた。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>Fridays for Future Tokyoのオーガナイザーを務める大学1年生の黒部睦さんは、参加者にこう呼びかけた。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff5.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>「これから日本のエネルギー政策を決める大きな会議が待っている。それに向けて、私たちは声を上げていかなくてはいけない。今が大事。今、行動しなければ私たちの未来は本当に危ないことになる。多くの人たちにこの危機に気付いてもらい、みなさんに発信してもらいたい。一人ひとりの力は大きい。気候危機について話すだけでも、SNSで発信するだけでも、消費を変えるだけでも、世界や日本を変える力になる」</p>
<p>黒部さんは大学で声楽を専攻する。「将来は、音楽の力を使って世界を変えたい。音楽を極めで、なるべくたくさんの人を幸せにしたい」と語った。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/ff6.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>同じくオーガナイザーで大学1年生の西村健汰さんは心理学を学ぶ。「やるべきことと、したいことは違うと思う。やりたいことは心理学で、本当は気候変動問題に取り組みたいわけではない。気候危機の問題がなければ、アルバイトや他のことに使える時間なのだが、自分の時間を犠牲にしてまでやらなければならないと気付いた。本当に時間がない。気温上昇など肌で感じていながらも、なんで多くの人は声を上げないかと疑問を持っている。でも僕は、若者対大人という対立が好きではない。これはお年寄りも子どもも誰もが関わる、命が危険にさらされる問題。みんなで運動をつくり上げていきたい」。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr></tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/hiroshima.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">広島</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/kagoshima.HEIC"/></div>
<div class="m_paragraph">鹿児島</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/nagoya.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">名古屋</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/tokushima.JPG"/></div>
<div class="m_paragraph">徳島</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/26/8BE0sapporo.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">札幌</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<p></div>
<p></p>

ニュース

話題のキーワード

社会 social

行動変容

「私たちが動かず、だれが未来を変えられるか」大学生ら32都道府県で気候変動対策訴え

SUSTAINABLE BRANDS

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/us/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/17/cf_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>米西部で深刻な山火事が続いている。健全で回復力のある森林は、気候変動の影響を軽減するカギとなる。森林には気温を9度下げ、エネルギーコストを年間で78億ドル削減する力があると言われる。8月、全米26の企業や市町村、団体は世界的に広がる1兆本の植林活動「<a href="https://www.1t.org/">1t.org</a>」に参加することを表明した。この活動は米国の8億5500万本の木を保全、再生し、さらに育てて行くことを約束するものだ。近年の猛暑や山火事など気候変動によるさまざまな影響に立ち向かっていく狙いがある。(翻訳＝梅原洋陽)</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>今年、世界経済フォーラムはスイス・ダボスで開催された年次総会で「1t.org」を打ち出した。「1t.org」は、国連が2021―2030年を「生態系回復の10年間」と定めた動きを支援するためのプラットフォームだ。失われてきた生態系の回復を世界規模で行い、気候危機に立ち向かい、食の安全性を高め、きれいな水を供給し、地球の生物多様性を保全することを目標としている。世界経済フォーラムとNPOアメリカン・フォレストは、米国内の個人や団体が森林保護活動を行うにあたって必要なツールや技術的な支援を提供していく。</p>
<p>参画するのは、アマゾン、バンク・オブ・アメリカ、クリフバー、ヒューレット・パッカード、マスターカード、マイクロソフト、ペプシコ、セールス・フォース、ティンバーランド、アメリカ森林財団、アーバーデイ基金、全米森林協会、国立森林財団、そしてアイダホ州ボイシー、ミシガン州デトロイト、テキサス州ダラス、アリゾナ州ツーソンといった都市が国内の森林保護に積極的に乗り出している。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/us/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/17/ryanstone.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">米モンタナ州セントメアリー湖</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>健全な森林は、気候危機に対処するための自然の原理に基づく重要な解決策だ。山火事はひどくなる一方で、カリフォルニアなどの西海岸の州の自然を徐々に消滅させている。近年、企業やNPOが山火事の影響が最も悲惨な地域の森林を再生するための計画に乗り出している。1t.orgは、米国の森林をさらに保全し、再生するための全体的で長期的な取り組みとなるはずだ。<a href="https://us.1t.org/">米国支部</a>は「1t.org」の最初の地域支部となった。</p>
<p>森林に投資をすることは経済や公衆衛生の質にも影響する。特に新型コロナウイルスによって、経済のみならず公衆衛生も大打撃を受けている現在のような時代にはなおさらだ。最近の世界経済フォーラムのレポートによると、世界の森林を持続可能な方法で管理することは、2030年までに2300億ドル規模のビジネスチャンスと世界中で1600万人もの雇用を生み出すことに繋がるようだ。健康の面で言うと、森林は毎年1740万トンもの大気汚染物質を吸収し、67万件に及ぶ喘息や急性の呼吸器系障害を予防できる。</p>
<p>「森林を保全し、再生することに強いエネルギーと熱量を持っていることを感じる。新型コロナウイルスからの自然を重視した回復は社会や経済の再生に非常に重要だ。再生プランの中心に植林を置けば、私たち、そして未来の世代にとってもサステナブルなやり方をとることになるだろう」と世界経済フォーラムの自然を活用した対策を促進するジャスティン・アダムス氏は言う。</p>
<p>1t.orgは、<a href="https://uplink.weforum.org/uplink/s/">UpLink</a>というデジタルプラットフォームを活用し、イノベーションをクラウドソーシングしながら、国連のSDGsを加速させている。UpLinkの１兆本の植林活動は2020年7月に立ち上げられ、解決策や、イニシアティブ、斬新な視点やアイデアを求めている。優秀な提案者は2020年9月21日から開催される世界経済フォーラムの<a href="https://www.weforum.org/events/sustainable-development-impact-summit-2020">サステナブル・ディベロップメント・インパクト・サミット</a>での発表に招待される。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

ワールドニュース

米企業や自治体、NGO、1兆本の植林活動「1t.org」に参加　世界初の地域支部

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/08/1_top_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">講師の川村雅彦氏</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>「統合思考経営」とは財務情報だけでなく、人や環境、社会といった企業を取り巻くさまざまな状況や要素を組み込む経営戦略だ。それがなぜ必要で、何を、どうすれば実行できるのか。「SB ESGシンポジウム」は、サンメッセ総合研究所(Sinc)所長・首席研究員、川村雅彦氏が「統合思考経営」を全5回でわかりやすく解説する。9月4日に開催した第1回目ではコロナ禍からの復興という今の時代、状況の中での思考の枠組みを川村氏が提示し、参加者・講演者が双方向の質疑応答を行った。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局)</p>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>「SB ESGシンポジウム online」はSBJ Labコラム「統合経営思考のWhy ,What and How」をベースに川村雅彦氏が統合思考経営を解説します。シンポジウム第1回目のテーマはコラム内容の総論、俯瞰した全体像と枠組みです。</p>
<p><a href="https://www.sustainablebrands.jp/sbjlab/newscolumn/index.html"><strong>SBJ Lab連載中コラム「統合経営思考のWhy ,What &amp; How」はこちら</strong></a></p>
</div></div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>気候危機を背景に、コロナ禍からのグリーンな復興の機運が高まっている。人の移動が制限され、需要は急減し、経済が大きく落ち込んで各国で「経済の立て直し」が図られている。当面の復旧が必要な一方で、川村氏は「復旧と復興は異なり、大事なことは長期視点の『復興』である」と強調する。経済や社会の構造を変えなければ、課題を持った元の経済に戻り、課題が復活してしまう。これが根本的な問題意識だ。</p>
<p>「今ある仕組みというのは恐らく、20世紀後半の平時に確立し、外部環境が安定した状況で経済をはじめとした効率を高めるようにできている。社会にショックがあったときの強靭性、耐性が考えられていないのではないか。賛否はあるとしても、レジリエンスやサステナビリティを考えてつくり変えなければ、50年、100年と同じことを繰り返してしまうのではないか」(川村氏)</p>
<p>EUは強靭で耐性のある持続可能な経済・社会システムへ転換する「グリーンリカバリー」を成長戦略の要と位置付け、通常予算とは別に7500億ユーロ(約90兆円)の「復興基金(次世代のEU)」をつくり、加盟国に財政補助や融資をすると発表した 。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/08/p5.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">リーマンショック後、経済の復旧は成功したが環境負荷(温暖化ガス排出量)は増加し、グリーンな「復興」は失敗した。コロナ禍からのリカバリーの行方は――(当日資料より公開)</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>さらにグリーンリカバリーという方向性が決定したとしても、その解決策に対する考え方が問題になる。欧米では「目標主導型」で、「明確な時間軸と到達点(ありたい姿)」を掲げ、 従来の延長線にない斬新な発想で仕組みを変革する「バックキャスティング」や「ムーンショット」を主軸に据えて推進される。一方、日本では積み上げ思考(フォアキャスティング)、「カイゼン」思考が企業経営の主流となっている。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/09/p7.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">フォアキャスティングを生かし目前へ前進しながらも、長期目標からのバックキャスティングにより中期目標を捉えてイノベーションを創出することが望ましい(当日資料より公開)</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>気候変動・感染症時代　「日本型グリーン・ディール」の必要性</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>川村氏はEUで昨年12月に新しい戦略として採用された「欧州グリーン・ディール」が手本になるのではないかと提起し、以下の3つの柱からなる「日本型グリーン・ディール」を提案する。</p>
</div>
<div class="elem_block color">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>・従来の環境・社会課題の復活につながらないこと</strong><br />今は変革を促す千載一遇のチャンスだと捉える。</p>
<p><strong>・新しい産業と経済の競争力を生み出すための財政出動・投資</strong></p>
<p><strong>・気候変動・感染症時代における2030～2050年を視野に入れた経済復興策の基本は「脱炭素」「循環経済」「自立分散」「包摂」の社会へ移行</strong><br />環境省は「持続可能でレジリエントな復興」の要点として「脱炭素」「循環型社会」「分散型社会」を掲げているが、川村氏は「グリーン・ディールとは環境と人についての施策である」との観点からここに<strong>「包摂」</strong>を加える。</p>
</div></div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>では、実務的な視点でこれらを実現するために企業が実践すべきこととは何か。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>企業の実践における4つのX</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/08/p10.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">当日資料より(公開)</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>企業が取り組むべき4つの変革について川村氏はトヨタを事例にあげて解説を行った。このうちPX(Business Portfolio Transformation)の説明では、GX、DXを前提としてサステナビリティと「データ経済」がビジネスモデルを変えていることを説明。トヨタの場合は「メーカーを脱却してモビリティサービスのプロバイダとなる」ということを2年前に豊田章男社長自ら宣言し、最近ではAmazon Web Serviceなどとも連携してビジネスの形態を変えている。競争のルールが変わったことにより、販売台数を競うのではなくビジネスを変革することがこれからの生き残りに重要だとして実践した事例だ。業種の垣根を超えた連携が進めば「恐らく20世紀的な産業分類は役に立たなくなってくるのではないか」と川村氏は言う。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>統合思考経営とは何か</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/08/2_450.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>2年前、オックスフォード大学が世界10カ国の主要企業の統合報告書を横並びで評価した結果、日本は「下から3番目」だった。その理由は、IIRC(国際統合報告委員会)の提唱する「統合思考」の内容要素に対して、日本の統合報告書が応えていないことだという。なぜ日本の統合報告書は世界で評価されないのか。</p>
<p>「多くの日本企業は、統合報告書の中で『今何をしているか』を記載している。価値創造や毀損防止に関してはガバナンス、つまり取締役会の問題として書かれていないということが大きな理由だ」(川村氏)</p>
<p>価値創造や毀損防止について、企業がどう考えているのか。それを自社の中で議論し、対外的に公表することが重要だ。それは長期的なESG投資家に評価されることにつながる。</p>
<p>関連・詳細コラム＝<a href="https://www.sustainablebrands.jp/sbjlab/newscolumn/detail/1195846_2675.html"><strong>【統合思考経営2】「統合思考」に欠ける日本の統合報告書</strong></a></p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>オンラインで参加者とインタラクティブに議論</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/09/08/3_650.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">進行を務めた山吹善彦氏(サンメッセ総合研究所(Sinc)副所長／上席研究員＝左)と川村雅彦氏</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>SB ESGシンポジウムは完全オンラインで開催した。川村氏の講演の後、講師と参加者が双方向に意見交換、質疑応答を行った。川村氏と進行の山吹氏からは、「パリ協定のもと気候変動に対し、どのようなビジョンが所属企業にもっとも影響があるか(4択)」といったリアルタイムのアンケートが行われた。その結果は、得票数が多い回答から順に以下の通り。</p>
<p>・企業トップによるビジョン<br />・日本政府独自のビジョン<br />・国際機関による強制力をもったビジョン<br />・NGOなど非営利組織による規制的なビジョン</p>
<p>もちろん、参加者の所属に影響を受けた回答結果という側面もあるが、海外と比べ「NGO/NPOの影響力が弱く、行政のリーダーシップが不足しているため企業の積極的行動が重要だ」と言われる国内の状況を反映した結果となった。</p>
<p>また参加者からはサステナビリティを実践する現場からの切実な質問が寄せられた。</p>
<p><strong>質問：一部の膨大な内部留保を持つ企業は別として、現在の資本主義の社会を前提とした場合、自社が持続するために、環境を含めたSDGsなどのあるべき論に、どれだけの企業が同調できるのか？</strong></p>
<p>「かなり厳しく言えば」と前置きして川村氏は次のように話した。</p>
<p>「新しいビジネス環境やフレームワークができている以上、その中で成り立たない産業は消えるしかない。そこで重要視されるのは『どうあるべきか』ではなく『どうありたいか』だ」</p>
<p>コロナのあとにどのような社会になるのか、という論調もあるが、重要なのは「中長期的に見て、私は、わが社は、どうしたいのか」という発想だ。投資家から求められているのは自発的な意思決定であり、どういう世の中になるのかではなく、その見込みの中でどうするのかが問われている、と川村氏は話した。</p>
<p>それを具体的に実践する際に重要な方策になるのが、「4つのX」というわけだ。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>SB ESGシンポジウム online 第2回</strong>は9月18日 16:30-18:00にオンラインで開催します。<br />川村氏の講演テーマは<strong>「統合思考経営」におけるESGコミュニケーション</strong>。<br />「統合思考経営」を理解し実践するために、全体像から各論へと解説を進めます。</p>
</div>
<div class="elem_link emphasis">
<p><a href="https://sbtokyo-hkt.wixsite.com/sb-esgsymposium2020">詳細・参加お申込はこちらから</a></p>
</div>
<p></div>
<p></p>

SBシンポジウムレポート

SBコミュニティニュース

コロナ後に問われる企業の変革　「統合思考経営」を実践するための「4つのX」とは――SB ESGシンポジウム online 第1回開催レポート

沖本啓一HK

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/27/1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">ビデオメッセージでセクターを超えた各国の連携を呼びかける小泉環境相(Platform for Redesign 2020より)</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>環境省は25日、気候危機、環境対策を見据えた新型コロナ禍からの復興を促進する国際連携プラットフォームを立ち上げた。ウェブサイト「<a href="https://platform2020redesign.org/">Platform for Redesign 2020</a>」で参加各国内の行動・知見を共有するほか、政府・非政府問わずビデオメッセージを掲載し、9月3日に約60カ国が参加する閣僚級オンライン会合をライブ配信する。ウェブサイトはCOP26が開かれる来年11月までを目途に公開。欧州ではグリーンリカバリーが政策として進むが、日本発の連携プラットフォームが国際社会でどのような役割を果たすのか、注目が集まる。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局＝沖本 啓一)</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>気候危機とコロナ禍、直面する2つの問題</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>気候危機、環境対策に重点を置き、持続可能な社会の再構築を目指すコロナ禍からの復興計画「グリーンリカバリー」はEU加盟国を中心に世界中で実践され始めている。</p>
<p>日本の環境省は公式に「グリーンリカバリー」という言葉こそ使っていないものの、同様の考え方で「Sustainable and Resilient Recovery from COVID-19」を掲げ、閣僚級会合の開催とウェブ上の国際連携プラットフォームの立ち上げを発表した。会合やプラットフォームへの参加は小泉環境相が各国に呼びかけ「希望するすべての国が参加できる」という。</p>
<p>同会合では約60カ国・地域から各国の大臣や代表だけでなく、市民、産業界、自治体などさまざまなステークホルダーが参加し、国内の取り組み、知見を共有する。会合の様子はオンラインで配信し、誰でも視聴できる。</p>
<p>会合に合わせ25日に公開されたウェブサイト「Platform for Redesign 2020」では現在、日本を含む26カ国が情報を開示している。参加国のグリーンリカバリーに関する取り組みの状況や予定が公開されるほか、政府機関・非政府機関を問わず各国からのビデオメッセージを順次掲載する予定だ。トップページでは小泉環境相の英語によるメッセージを閲覧できる。COP26が開催される2021年11月までを目途に継続して情報を発信するという。</p>
<p>環境省は今年6月、気候危機宣言を発し「日本版グリーンリカバリー」を推進する姿勢を示した。先行して気候危機と環境の対策をコロナ禍からの復興に紐づけ政策に反映しているEU諸国などもある中、今回のイニシアチブでは有益な国際連携、情報共有を促す構え。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/27/2.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">「Platform for Redesign 2020」参加国(8月27日時点・同ウェブサイトより)</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>新型コロナウィルスからの復興と気候変動・環境対策に関する「オンライン・プラットフォーム」</p>
<p><strong>閣僚級オンライン会合</strong><br />日時：令和２年９月３日(木)　20:00～23:00(日本時間)<br />言語：英語(日本語同時通訳あり)<br /> ライブ配信<br /><a href="https://vimeo.com/446674358/dafff991d0">日本語(同時通訳)はこちら</a>　：　<a href="https://vimeo.com/446674498/a0b8760ed9">英語配信はこちら</a><br />下記「Platform for Redesign 2020」でも視聴可能</p>
<p><a href="https://platform2020redesign.org/"><strong>Platform for Redesign 2020(</strong><strong>英語サイト)はこちら</strong></a> </p>
</div></div>
</div>
<p></div>
<p></p>

環境省が主導、「グリーンリカバリー」目指し国際連携プラットフォームを立ち上げ

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/us/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/17/ocean750.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>かつてないほど自然環境を重視したビジネスや暮らしのあり方が求められる時代に突入している。各国の政府や企業がコロナ後の世界経済の再建を目指す中、世界経済フォーラム(WEF)が7月に発表した報告書<a href="https://www.weforum.org/press/2020/07/395-million-new-jobs-by-2030-if-businesses-prioritize-nature-says-world-economic-forum">『自然とビジネスの未来』</a>では、自然に良い影響をもたらす「ネイチャー・ポジティブ(nature-positive)」なビジネスによって2030年までに3億9500万人の雇用創出と年間10.1兆ドル(約1070兆円)規模のビジネスチャンスが見込めることが明らかになった。</p>
<p>世界は今、自然環境と気候変動の状況が後戻りできないような転換点に差し掛かっている。報告書は、自然を喪失することで世界のGDPの半分以上にあたる44兆ドル(約4700兆円)の経済価値を損失する可能性があると警鐘を鳴らす。さらに、経済再建・復興の過程で私たちが選択する社会や経済のあり方がこれからの数十年を決める可能性が高いとし、より自然に重点を置いた刺激策をとることで、自然共生型の持続可能で回復力のある、人と地球にやさしい社会や経済をつくることができるという。</p>
<p>報告書では、自然に良い影響を与えることでビジネスの成果が上がった事例が紹介されている。例えば、インドネシアではセンサーと衛星画像を活用したスマート農業により、作物の平均収穫量が60％上がった。イタリアでは、2015年に開催されたミラノ万博で使用した100ヘクタール規模の土地が「ヨーロッパ・イノベーション・ハブ」に生まれ変わった。現在では、科学的なハブ、そして高機能で自然と共生するインフラを備えたコミュニティの拠点として、約1000人の雇用を生み出している。ベトナムでは、危機的状況だったマングローブが回復したことで、沿岸部の住人らの貝やカキなどの養殖による収入が2倍以上になったという。</p>
<p>報告書では、「食料、土地・海の利用」「インフラと建築環境」「エネルギーと抽出物」という3つの社会経済システムにおける15の根本的な変革が自然に良い影響をもたらしながら、どのようにして2030年までに年間10.1兆米ドルのビジネス価値を生み出し、3億9500万人の雇用創出をもたらすことができるかが説明されている。また、絶滅危惧種やほぼ絶滅危惧種と認められている種の約80％が、この3つの社会経済システムに存在する脅威によって絶滅の危機に陥っているという。</p>
<p>変革の一例が、多様な食生活への移行だ。世界の食糧の約75％は12種の植物と5種の動物からできている。より幅広い種類の野菜や果物を食べる、植物ベースの生活にシフトすることで2030年までに年間3100億ドル(約32兆円)のビジネスチャンスを創出することができるという。</p>
<p>循環型のソリューションを生み出すことも必要だ。繊維製品や自動車部品などに循環型モデルを適用することで、年間数百万トンの廃棄物を削減し、さらに材料をより長く使えるようになる。例えば、廃棄された衣類が原因で毎年5000億ドル(約53兆円)が失われている。衣類を再利用、再生、リサイクルすることで、1300億ドル(約14兆円)の節約につながり、2030年までに1億4800万トンの繊維廃棄物を防ぐことが可能になるのだ。さらに、同年までに一部の自動車部品を再利用することで約8700億ドル(約93兆円)を節約することもできるという。</p>
<p>スマートインフラのさらなる整備や再生可能エネルギーの普及も重要だ。大規模なスマートビルの建設とスマートセンサーの利用により、2030年までに約9400億ドル(約100兆円)を節約できるという。さらに、再生可能エネルギー分野では、2030年までに6500億ドル(約69兆円)の投資機会、10％以上のROI(投資利益率)、数百万人の新規雇用を見込める。補助金がなくても、太陽光発電は30カ国以上で化石燃料の価格と変わらないものになり、2021年までに中国とインドでは化石燃料発電よりも安くなると予測されている。</p>
<p>このほかには、生態系の回復と土地・海の利用の拡大回避、生産的な再生型農業、健全で生産性の高い海洋環境、持続可能な森林の管理、透明性のある持続可能なサプライチェーン、ネイチャー・ポジティブな建築環境設計、グリーンインフラなどにおいて現状から移行していくことが必要だとしている。</p>
<p>報告書の目的は、政策立案者が自然を資本の一つの形態として捉えることだ。自然は適切に管理されていれば、社会の長期的な幸福、レジリエンス(回復力)、繁栄の基盤となる。また、必要とされる変化のスピードや政府が直面している予算問題、国際協力などの状況を考えると、政府に頼ることは限界があるという。企業には、自主的なコミットメントなどの政策や規制の先を行く方法で社会をリードし、政策改革を進めるために政府やステークホルダーと協力していくことが必要と指摘する。そして、コロナが収束した後に訪れる深刻な社会的・経済的危機に対処するためには、私たちの生活や生産・消費の方法をリセットする必要がある、と企業や政府だけでなく個人の生活の変革の必要性についても言及している。</p>
<p>報告書は自然環境を優先した世界経済の基礎を築くビジネス・リーダーのコミュニティ「Champions for Nature」の活動の優先事項のほか、ポストコロナの公正かつ持続可能でレジリエンスのある未来に向けた社会・経済の復興「グレート・リセット」の一環として、政府がどのように自然を経済に組み込むことができるかを示した『ポリシー・コンパニオン・レポート』(世界経済フォーラム)にも反映されている。</p>
<p>世界経済フォーラムのロードマップは、「緑と公正な復興のためのC40(世界大都市気候先導グループ)市長会議のアジェンダ」や米大統領選に挑むジョー・バイデン氏の「2兆ドルの気候変動対策」とも合致する。この夏、ドールやネスレ、P&amp;G、ユニリーバといった大手グローバル企業が発表した戦略においても、自然とコミュニティの健全性を最優先することでビジネス価値を生み出すことが打ち出されている。</p>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p><a href="https://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1197451_1534.html">2020年、生物多様性が気候変動と同じくらい重要になる理由</a><br /><a href="https://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1196694_1534.html" title="「生物多様性から見た新型コロナ・パンデミック：本質を見極める」の記事へ移動します">生物多様性から見た新型コロナ・パンデミック：本質を見極める</a><br /><a href="https://www.sustainablebrands.jp/community/column/detail/1196565_2557.html">サステナビリティから「リジェネレーション」の時代へ</a><br /><a href="https://www.sustainablebrands.jp/news/us/detail/1195595_1532.html">生物の仕組みから解決策探る――SDGs達成に必要なイノベーション「バイオミミクリ」</a><br /><a href="https://www.sustainablebrands.jp/news/us/detail/1196745_1532.html" title="「森林伐採の防止が新たなパンデミックリスクの低減につながる」の記事へ移動します">森林伐採の防止が新たなパンデミックリスクの低減につながる</a><br /><a href="https://www.sustainablebrands.jp/news/us/detail/1196567_1532.html" title="「サステナビリティを再定義するとき：より持続可能な「再生型」を考える」の記事へ移動します">サステナビリティを再定義するとき：より持続可能な「再生型」を考える</a></p>
</div></div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>編集・翻訳：サステナブル・ブランド ジャパン</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

自然を優先するビジネス、2030年までに4億人弱の雇用創出

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/07/600315.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナブル・ブランド ジャパンは<strong>SB ESGシンポジウムonline 「統合思考経営」連続セミナー</strong>を開催致します。テーマは「気候変動・コロナ時代のありたい社会・経済の姿と『4つのＸ』の実践」です。気候変動の甚大被害が常態化する中、さらにコロナ禍を経験し、日本企業は2030年、2050年にどのような社会・経済の姿を目指すのでしょうか。SBJ Labの統合思考プラクティショナー(Sinc所長・首席研究員)の川村雅彦とともに、全5回+αの連続セミナーで協議します。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><a href="https://sbtokyo-hkt.wixsite.com/sb-esgsymposium2020" target="_blank"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/07/banner_3.jpg"/></a></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>「統合思考経営」連続セミナー<br />～気候変動・コロナ時代のありたい社会・経済の姿と「4つのＸ」の実践～</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>講師：川村雅彦　SBJ Lab統合思考プラクティショナー(Sinc所長・首席研究員)</p>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>4つのX</strong><br />GX：　Green Transformation (気候中立で復元力のある資源効率の高い経済に向けた環境変革)<br />DX：　Digital Transformation (デジタル技術を用いた事業変革)<br />PX：　Business Portfolio Transformation (メガトレンドを背景にビジネスモデル転換と構造変革)<br />CX：　Corporate Governance Transformation (企業価値の創造と毀損防止のための経営変革)</p>
</div></div>
</div>
<div class="elem_link emphasis">
<p><a href="https://www.sustainablebrands.jp/sbjlab/newscolumn/index.html" target="_blank">SB-J Lab連載中コラム<br />川村雅彦「『統合思考経営』のWhy , What &amp; How」</a></p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>第1回【統合思考経営①】気候変動常態化・withコロナにおけるありたい社会・経済の姿</strong><br />9月4日 16:30 – 18:00<br />・気候変動の激甚化とコロナ禍を経験した日本(企業)は、2030年や2050年に向けて、どのような社会・経済の姿をめざすのか？もはや、過去の成功体験は役に立たない。<br />・「欧州グリーンディール」を参考に、日本のありたい社会・経済の姿を明確にする。<br />・その実現に向けた企業の実践(すなわち【統合思考経営】)が、「4つのX」である。<br />・長期価値創造のための「統合思考経営」のWhy , What &amp; How<br />進行：田中 信康(サンメッセ総合研究所(Sinc)代表／SB国際会議 ESGプロデューサー)</p>
<p><strong>第2回【統合思考経営②】「統合思考経営」におけるESGコミュニケーション</strong><br />9月18日 16:30-18:00<br />・統合思考経営について伝えるコミュニケーションの在り方(パーパス・ビジョン打ち出し、長期戦略開示、マテリアリティ、取り組みのPDCA、外部評価機関対応など)<br />・モーニングスター/ゴメス・コンサルティングによるWebでのESG情報開示ランキングについての講演<br />・ESG・サステナビリティ関連ガイドライン・イニシアチブの変化と今後<br />・統合報告及びWebコミュニケーションの今後<br />進行：山吹 善彦(サンメッセ総合研究所(Sinc)副所長／上席研究員)</p>
<p><strong>第3回【統合思考経営③】「GX」としてのEUタクソノミーのインパクト ～欧州グリーンディールを背景に～</strong></p>
<div>10月07日 16:30 – 18:00</div>
<p>・ウェブコラム「EUタクソノミーの『激震』」から、その狙いと全体像の概説「グリーン・タクソノミー」と「ブラウン・タクソノミー」の仕分けと業種別インパクト ・欧州における「グリーン・リカバリー」<br />・シナリオ分析に基づく気候変動への対応(TCFD対応)</p>
<p>講師：川村 雅彦(サンメッセ総合研究所(Sinc)所長／首席研究員)<br />進行：山吹 善彦(サンメッセ総合研究所(Sinc)副所長／上席研究員)</p>
<p><strong>第4回【統合思考経営④】DXを中心にメガトレンドのインパクトと戦略的PX</strong><br />10月27日 16:30 – 18:00<br />・メガトレンド(ESG金融、資本主義の見直しを含む)の価値創造・毀損へのインパクト<br />・未来に向け戦略的に解決が必要な社会課題の概要<br />・メガトレンドを見据えたビジネスモデルの大転換とポートフォリオ変革</p>
<p><a href="http://urx3.nu/hxVm">アスタミューゼ事前配布資料はこちら</a></p>
<p>講師：<br />川口 伸明(アスタミューゼ株式会社 テクノロジーインテリジェンス部 部長)<br />稲継 明宏(株式会社 ブリヂストン グローバル経営戦略本部 サステナビリティ推進部 部長)</p>
<p>進行：川村 雅彦(サンメッセ総合研究所(Sinc)所長／首席研究員)</p>
<p><strong>第5回【統合思考経営⑤】CX、PX実践のための取締役会の在り方</strong><br />11月12日 16:30 – 18:00<br />・withコロナの状況における、企業のパーパス、長期ビジョン、マテリアリティについて取締役会でどのように協議しているのか<br />・CX、PXを実現するうえで、取締役会において意図していく必要がある事柄サステナビリティの専門性を持つ社外取締役の役割ともたらしている変化</p>
<p>講師：長谷川 直哉(法政大学人間環境学部兼大学院公共政策研究科 教授)<br />進行：田中 信康(サンメッセ総合研究所(Sinc)代表／SB国際会議 ESGプロデューサー)</p>
<p><strong>【番外総括編】気候変動・コロナ時代に2050年を見据えて4Xをどう実践するか<br />～ESGにかかわる『統合思考経営』の更なる加速～</strong><br />12月10日 16:30 – 18:00</p>
<p>・大転換の年「2020」の振り返り(山吹 講演)<br />・「4つのX」の総括～連続セミナーのまとめ～(川村 講演)<br />・ 2030年、2050年に向けて、企業戦略をどう準備をするか(三者討論)</p>
<p>講師：<br />川村 雅彦(サンメッセ総合研究所(Sinc)所長／首席研究員）<br />田中 信康(サンメッセ総合研究所(Sinc)代表／SB国際会議 ESGプロデューサー)</p>
<p>進行：山吹 善彦(サンメッセ総合研究所(Sinc)副所長／上席研究員)</p>
<p>講演(45分)+質疑応答(45分)<br />オンラインでの開催となります。<br />*各回単体で参加申込いただけますが、連続でのご参加をお薦めいたします。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><a href="https://sbtokyo-hkt.wixsite.com/sb-esgsymposium2020" target="_blank"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/07/banner_4.jpg"/></a></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>＜開催概要＞</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>◆参加費： </strong>無料(事前登録制)<br /><strong>◆対　象：</strong> 事業会社の経営企画、IR、CSR・サステナビリティ、SDGs 等の担当役員・部課長・担当者<br />※コンサルティング会社様、各種情報開示レポート制作会社様のご参加につきましては、誠に恐縮ながらご遠慮願います。<br /><strong>◆形　式：</strong>zoomを利用し、全90分の中で開催。45分程度スピーカーによる話題提供に続き、45分の参加者との質疑応答・意見交換を行います。5回の受講者参加型連続セミナーとし、一部資料や意見交換の内容を公開します。<br /><strong>◆内　容：</strong>SB-Jにて連載中のウェブコラム「『統合思考経営』のWhy , What &amp; How」に基づいてお伝えします。<br /><strong>​◆主　催：</strong>サステナブル・ブランド ジャパン(株式会社博展)／SB Japan Lab<br /><strong>◆共　催：</strong>サンメッセ総合研究所(Sinc)</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>登壇者プロフィール</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/07/photo_kawamura.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>講師：川村 雅彦</strong><br />サンメッセ総合研究所(Sinc)所長/首席研究員<br />前ニッセイ基礎研究所上席研究員・ESG研究室長。1976年、大学院工学研究科(修士課程：土木)修了。同年、三井海洋開発株式会社入社。中東・東南アジアにて海底石油プラントエンジニアリングのプロジェクト・マネジメントに従事。1988年、株式会社ニッセイ基礎研究所入社。専門は環境経営、CSR/ESG経営、環境ビジネス、統合思考・報告、気候変動適応など。論文・講演・第三者意見など多数。著書は『カーボン・ディスクロージャー』『統合報告の新潮流』『CSR経営パーフェクトガイド』『統合思考とESG投資』など</p>
<p>​【外部委員等】<br />株式会社ニッセイ基礎研究所　客員研究員<br />認定NPO法人環境経営学会(SMF)　副会長<br />一般社団法人経営倫理実践研究センター(BERC)　フェロー<br />一般社団法人サステイナビリティ人材開発機構(Sus-Pro)　代表理事　<br />NPO法人Network for Sustainability Communication(NSC) 幹事　など<br />(2019年5月現在)</p>
</div>
</div>
</div></div>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/07/photo_tanaka.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>進行：田中 信康</strong><br />サンメッセ総合研究所(Sinc)代表<br />サンメッセ株式会社 専務執行役員経営企画室長 営業副本部長<br />SB Japan Lab/サステナブル・ブランド国際会議 ESGプロデューサー<br />大手証券会社にて株式、デリバティブ取引業務、リサーチ関連業務、人事、財務・IR、広報部門など管理部門を幅広く経験した後、大手企業の財務・IRコンサルタント、M&amp;Aアドバイザー、コーポレートコミュニケーション支援業務の責任者として従事。数多くの経営層との対談を含め、財務・非財務コンサルティングのキャリアを活かし、企業経営にかかわる統合思考、ESG/SDGsコンサルティング、社内浸透、情報開示の支援業務を中心に、各講演・セミナー、ファシリテ―ションなど幅広いコンサルティング業務に携わり、サステナブル・ブランド国際会議にてESGプロデューサーに就任し、企業と地方自治体との地方創生・地域連携プロデュースも担う。<br />​<br />【外部委員等】<br />サステナブル・ブランド国際会議 ESGプロデューサー(Sustainable Brands Japan)<br />PRI Japanネットワーク PRIインベストメント・プラクティス・チーム<br />プライベート・エクイティ・ワーキンググループ・メンバー<br />NPO法人日本経営倫理士協会(ACBEE JAPAN)総合企画委員<br />(2020年8月現在)</p>
</div>
</div>
</div></div>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/07/photo_yamabuki.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>進行：山吹 善彦</strong><br />サンメッセ総合研究所(Sinc)副所長/上席研究員<br />サンメッセ株式会社 ソリューション企画部 次長<br />大学卒業後、広島県北部を中心としたアートマネジメント及び地域創生プロジェクト従事。英国Volunteer Matters(Community Service Volunteers)に参加の後、2003年英国バーミンガム大学にてMBAを取得。帰国後、株式会社YUIDEAにおいて企業の環境CSR領域のコミュニケーション活動支援及びCSRコンサルティングに従事。CSR/ESG/CSV関連の活動支援・コンサルテーション・情報発信支援実績多数。共著に『統合思考とESG投資』、寄稿『鍼灸治療としてのアートプロジェクト : 灰塚アースワークプロジェクト』など</p>
<p>【外部委員等】<br />認定NPO法人環境経営学会(SMF)　理事<br />統合思考研究会　共同委員長<br />公益財団法人広島平和創造基金　海外留学奨学金第18回奨学生<br />(2019年10月現在)</p>
</div>
</div>
</div></div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><a href="https://sbtokyo-hkt.wixsite.com/sb-esgsymposium2020" target="_blank"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/08/07/banner_5.jpg"/></a></div>
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</td>
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<p></p>

「統合思考経営」SB ESG シンポジウムを連続開催　9月から

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<tbody>
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<td class="elem_pik_box">
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<div class="elem_paragraph">
<p>先の見えないコロナ危機が続く中、南米のコロンビア、コスタリカ、メキシコの数十人の学生起業家は国連環境計画(UNEP)の主催するコンテストに参加し、コロナ危機からの持続可能な復興「より良い復興(Build Back Better)」を実現するためのアイデアを生み出し、さらに進化させようとしている。(翻訳＝梅原洋陽)</p>
<p>新進気鋭の現役大学生の起業家たちは、UNEP(国連環境計画)が実施する「持続可能なライフスタイルのためのイノベーション」と題したコンテストに取り組んでいる。25人の選抜者たちは後2ヶ月間、持続可能なビジネスアイデアを考案する。そして9月に審査員から選抜された3人(各国1人ずつ)は、スタートアップ・ブートキャンプで投資家たちと会うことになる。このコンテストは、持続可能性に取り組む若手スタートアップの育成を目指すもの。特に、コロナウイルスからの地域復興を支援するための、二酸化炭素の排出量の少ない移動手段や都市間移動ソリューション、環境に配慮したスマートビルや食糧システムといった専門分野が対象だ。</p>
<p>ラテンアメリカ・カリブ海地域(LAC)には、15〜29歳までの人口が約16億人暮らしている。すでに格差は広がっており、多くの非正規雇用者や脆弱な医療サービスの環境下で、地域で最も弱い立場にある人々が最も大きな打撃を受けている。</p>
<p>LAC地域へのパンデミックによる影響に関する国連の報告書によると、世界の他の地域と同じく、コロナウイルスにより地域経済の脆弱性が露呈し、既存の不平等を深刻化させているという。そして世界の他の多くの地域で見られるように、パンデミックにより、政策立案者や一般市民は地域経済をより持続可能にする方法を再考することになっている。</p>
<p>このイニシアティブは、主要経済国がパンデミックから復興するための効果的で総合的な戦略を模索するのと同じく、持続可能なイノベーションを加速することを目指している。5月には、カナダとEUがパンデミック後の復興計画として、持続可能性を中心に据えた計画を明らかにした。米国の”LEAD on Climate 2020”サミットでは、300人以上のビジネスリーダーたちがコロナウイルスと社会的危機に同時に取り組むよう議会に求めた。</p>
<p>UNEPのコンテストの勝者は、10月にコロンビアのロス・アンデス大学のアントレプレナーシップセンターが主催するバーチャルブートキャンプに参加する。勝者には1人3000米ドル(約32万円)の技術支援金と、未来の投資者やパートナーとなりうる投資家、ビジネスリーダーを前に、計画をプレゼンする機会が与えられる。</p>
<p>このコンテストは、EUが出資する「ラテンアメリカ・カリブ海地域における持続可能な消費促進(ICSAL)」プロジェクトの取り組みの一つ。同プロジェクトは、政府、企業、ステークホルダーと協働して、製品のデザインや消費者情報の持続可能性を高める政策実行を目指して活動を行う。</p>
<p>さらに、このプロジェクトはコロンビア、コスタリカ、エクアドル、メキシコ、パラグアイの4カ国で、共通のエコラベルを開発するためのイニシアティブ「アメリカ環境同盟」も支援している。</p>
</div>
<p></p>
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<p></p>

南米諸国の大学生、コロナ危機からの「より良い復興」のアイデア競う

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<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>気候危機の時代だ。日本国内での台風や暴雨などの被害の深刻化はもちろん、昨年から今年にかけて240日余りも続いたオーストラリアの森林火災など世界でも自然災害が多発し、多くの専門家が「人類の活動による気候変動の結果である」と分析している。経済活動や消費者の動向にも大きな影響を及ぼし、企業がその対応に動くことは急務だ。サステナブル・ブランド2020横浜では「気候危機の時代を生きる企業の役割」と題したセッションを設け、分野、セクターを超えた登壇者が対策や求められていることを語り合った。(サステナブル・ブランド ジャパン編集局)</p>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>【Facilitator】<br />気候変動に関するアジア投資家グループ<br />プロジェクトマネージャー　古野 真 氏</p>
<p>【Panelist】<br />Ørsted<br />Managing Director of Ørsted Sales UK　 Ashley Phillips 氏</p>
<p>MS&amp;ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社<br />総合企画部サステナビリティ推進室　課長<br />浦嶋 裕子 氏</p>
<p>一般財団法人日本気象協会<br />事業本部 防災ソリューション事業部<br />専任主任技師　本間 基寛 氏</p>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>米国の気象庁は「2020年の1月は観測史上最も暑い1月だった」と発表した。今年に入って、史上初めて南極の気温が20度を超え、札幌気象庁によれば積雪量は平年の約半分。オーストラリアの森林火災では日本の国土の約3割にあたる面積の森林が焼失し、2000戸以上の家屋、10億以上の動物が犠牲になったとの推定がある。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>気候変動リスクをどう捉えるか</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ファシリテーターの古野氏が「世界各地で起きている信じ難い、異常な状況」という現在を、企業はどのように捉えているのだろうか。</p>
<p>浦嶋氏はMS&amp;ADインシュアランス グループ ホールディングスで約10年間、サステナビリティに取り組んでいる。保険商品を取り扱う同社は、気候危機による災害リスクに敏感だ。「保険商品を売るということだけでなく、いかにリスクを適切に評価して、お客様に事前に伝えるかということが重要」な業界だ。</p>
<p>「全体にとって一番いい状況は、リスクが実際に起きないこと」と浦嶋氏は保険・金融の視点から気候危機の課題を分析する。保険というビジネスの根幹を、「リスクの影響を小さくしたり、発現を防ぐこと、不幸にもリスクが現実になったときには経済的負担を小さくすること」と説明した。</p>
<p>この数年、同社にとっても気候変動がトップリスクになってきている。再保険の大手、スイス・リーが発表した保険金の支払い額推移では、気候関連の災害が、地震・津波や人災に比べ、近年明らかに増えているという。日本国内でも、2018年の台風18号での被害による保険支払い額が1兆円を超えて最多額だ。「気候リスクをどう捉えるかは保険会社のビジネスの中核にあると言える」と浦嶋氏は話す。</p>
<p>課題は、その予測の難しさだ。不確実性が高く、いくら保険金を支払うことになるか、精緻な数字を出し難い。大学などの研究機関や国連機関と連携し、ビジネス、情報、テクノロジーを駆使して気候変動のリスク評価を計算し始めているという。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>「緩和」と「適応」を事業に</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>登壇した本間氏はまさに「気象予測」に関するプロフェッショナルだ。日本気象協会で17年間、気象のデータ分析に携わってきた。冒頭で「(地球の)気温上昇、温暖化は疑いがない。記録的な猛暑や暖冬が、記録的でもなんでもなく、常態化することが確実だと考えている」と改めて警鐘を鳴らした。</p>
<p>日本気象協会は創業70年を迎えた、民間の「気象会社」だと本間氏は説明する。事業者向けに気象情報を提供する。</p>
<p>気候危機への対応として「緩和策」と「適応策」が必要なことはよく知られているだろう。日本気象協会の中にもこれらに対応する事業がある。「適応策」では気象の予測と分析を提供している。例えば昨年の台風19号の折に、3日前には「首都圏を中心に大規模な河川氾濫がある」ことを企業に伝えていたという。</p>
<p>食品メーカーなどにとっては気象予測のメリットは特に大きい。暑い、寒いなどの気象の予測がそのまま需要予測になるため、過剰生産や、無駄な物流や保管コストなどを抑えることができる。もちろんその分、無駄なCO２排出を抑制することにもなる。</p>
<p>そして「緩和策」としては、再生エネルギー(再エネ)事業者に対するコンサルティングなどを行う。再エネの発電量予測や、発電所の建設に関して適所を推薦する。日本の国土では適地は限られる。また通年の気候が定常的でなく、効率的に発電所を設置しなければコストが上がってしまう。「コンサルティングをしっかり行うことで効率的な再エネの設置を促し、その比率が高まることに寄与しなければいけないと思っている」と本間氏は言う。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>課題を複合的に捉える</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>再エネ事業に真正面から取り組み、ダボス会議のglobal 100 index：世界でもっとも持続可能な企業100社で１位に評価されているのがØrsted(オーステッド)だ。Phillips氏は「産業革命前に比べ1.5℃未満に気温上昇を抑えることが重要」と事業の大前提を語る。</p>
<p>Phillips氏が「SDGsを達成することは不可欠だが、いくら努力しても、気候変動対策が上手くいかなければ、貧困の撲滅もままならない。貧困層の人々は農業や水産業といった一次産業に従事している場合が多く、天然資源に頼る生活をしていることが多いからだ。SDGsを全体的に達成するために、気候変動対策が重要な位置づけとなる」と話すように、現在の多くの問題の背景、根本のひとつに「気候危機」という壁がそびえ立っている。</p>
<p>同じくダボス会議で発表された、世界経済を危険にさらすリスク要因のトップ5はすべて環境課題だ。気候変動に対する緩和、及び適応策の失敗がもっとも重大なリスクとされた(補足として、今年５月に新型コロナのリスクが追加発表された)。</p>
<p>Ørstedは「気候変動のリスクは多軸に渡る」とそのビジネスリスクを分析している。サプライチェーンの混乱、人材の維持、組織として継続して成功をおさめることに対する、根本的なリスクにまで及ぶ。</p>
<p>「気温の上昇を1.5度未満に抑えるためにどうすればいいのか、そしてもしそれに失敗したらどういうことを考えなければならないのか。気候変動のリスクと機会を発見し、測定する必要がある」(Phillips氏)</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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</tr>
</tbody>
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</div>
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<div>
<h2>インパクトあるアクションとは</h2>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>「1.5℃」という目標を達成するために、全世界での温室効果ガス排出量を2030年までに半減、2050年までに実質ゼロにしなければならない。現実的にインパクトのある、具体的なアクションが必要だ。本間氏が先に話した気象予測を利用する売り上げ予測もそのひとつだろう。Ørstedは「この10年間でビジネスを変えた」という。</p>
<p>化石燃料からグリーンエネルギーへ、事業そのものを大きく変えたのみならず、所有する自動車を100％EVに置き換えるなど企業活動にまつわるあらゆる部分で気候危機に対応し、効果を測定している。今後は2025年までに企業活動をNet Zeroにするほか、2032年までにサプライチェーン全体でCO2排出量を50％削減する目標も掲げている。</p>
<p>さらに「2040年までにカーボンニュートラルにする」という大きな目標を持つ。そのために、この10年間で同社は約290億ドルの投資をしてきたが、これからの6年間では約300億ドルの投資をする。例えば輸送に関しては実現のためのプランはできているという。</p>
<p>2040年の目標にとってもっとも大きなボトルネックになるのは風力発電設備を製造するときのCO2の排出だという。サプライヤーと協調し達成する目論見で、サプライチェーン全体での取り組みが不可欠になるという。</p>
<p>「経営幹部のいかなる決定も、この目標(2040年までにカーボンニュートラルを実現する)を達成するための意思決定だ」とPhillips氏は力強く語った。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>セクターを超えた連携と企業の役割</h2>
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<div class="elem_paragraph">
<p>日本国内も含め、世界で各国の温室効果ガス削減目標がすべて達成できたとしても、今後、地球の平均気温は3度上昇するという分析がある。「科学的に必要とされている行動と実際の取り組みの間には大きなギャップがある」と古野氏は話す。地域、国、あるいは国際的なネットワークを通じた、セクターを超えた連携が必要で、そこに企業の役割がある。</p>
<p>「災害が起こったとき、いかに速やかに復旧するか」は重要だが、浦嶋氏は「安心・安全なまちづくりをする、という視点にいかに切り替えていくのか、保険会社も真剣に考えたい」と話す。「リスクを適切に回避することが経済的なインセンティブになるという社会をつくることが、もっとも経済合理的で、安全で効率的だと考えている」という。そして、それは保険会社だけで実現できることではない。</p>
<p>「この数年の日本の自然災害を受けて、対話や連携は増えていると感じる。この動きを加速させなければならない」(浦嶋氏)</p>
<p>「産業革命前に比べて気温上昇を２℃未満に抑える」「努力目標として1.5℃未満に抑える」というパリ協定の枠組みだが、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は気候変動による壊滅的影響を避けるために、産業革命前に比べ気温上昇を可能な限り「1.5℃未満」に抑える必要があるとしている。</p>
<p>本セッションでは、最初の挨拶から最後のまとめまで、登壇者が「２℃」という数字に言及することはなく「1.5℃」が当然の前提として語られた。それほどまでに気候危機はひっ迫した課題だ。</p>
<p>しかしPhillips氏が言うように「気候変動に関して、われわれには影響力がある。組織として変革を起こす力があり、簡単ではなくとも、シンプルに、迅速にできることがある」のだ。浦嶋氏や本間氏、Phillips氏は「コラボレーションによって確実に気候変動への対策ができる」というメッセージを発した。気象協会、保険金融、発電事業という、異なった領域の３社が語り合った本セッションは象徴的だ。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

SB国際会議

サステナブル・ブランド国際会議2017～2020

気候危機の時代を生きる企業の役割とは

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/07/03/top.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">IMAGE: <a href="https://pixabay.com/photos/typhoon-sea-storm-evening-1725056/" target="_bkank">マサコ アーント/PIXABAY</a></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><div>In a recent conversation about the role of his company in ensuring a sustainable future in times of increasing uncertainty, MS&amp;AD Insurance Group Holdings’ Shiro Fujii said, “We don’t see ourselves simply as an insurance provider, but as a risk solutions expert.” </div>
<p>Amid new risks and greater uncertainties caused by extreme weather across the globe and rapid changes in society due to the digital revolution, Japanese non-life insurance giant <a href="https://www.ms-ad-hd.com/en/index.html" target="_blank">MS&amp;AD Insurance Group Holdings</a> is aiming to create a “resilient and sustainable society.”</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/07/03/msaad800.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph">Shiro Fujii, director at MS&amp;AD Insurance Group Holdings | Image credit: Sustainable Brands</div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>As director (EVP at the time of the interview) Shiro Fujii told Sustainable Brands™ in a recent interview: “Insurance has always had a big role to play in supporting people that take on challenges. Providing products and services that address social issues will help prevent and mitigate disasters, as well as create a resilient and sustainable society in which people support each other.”</p>
<p>So, how should we manage the natural disasters and new risks intensifying inside and outside Japan? Naoki Adachi, a producer involved in sustainability efforts at <a href="https://www.sustainablebrands.jp/" target="_blank">Sustainable Brands Japan</a>, asked Mr. Fujii about the role that non-life insurance companies should play, along with their purpose and significance, as society faces an era of mounting challenges.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Responding to an increasing number of natural disasters</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Naoki Adachi: It seems like the <a href="https://sustainablebrands.com/read/marketing-and-comms/climate-crisis-considered-our-greatest-challenge-and-it-s-overwhelming">climate crisis</a> and accompanying extreme weather events are becoming a <a href="https://sustainablebrands.com/read/business-case/scenario-analysis-determine-your-business-resilience-to-climate-change">major business risk</a> for non-life insurance companies. There’s been a tremendous amount of damage in Japan recently — i.e., major floods and three <a href="https://www.theguardian.com/world/video/2019/oct/13/rescue-efforts-under-way-after-typhoon-hagibis-hits-japan-video-report" target="_blank">typhoons</a> in the past two years.</strong></p>
<p><strong>Shiro Fujii:</strong> That’s right. Insurance payments for damages caused by natural disasters have increased significantly in recent years; and unfortunately, premiums have also risen. As an insurance company, we need to find the best solution for coping with this. We have to manage both social sustainability and our own sustainability.</p>
<p>In FY 2018, the insurance industry paid out 1.5 trillion yen (US$13.94 billion) for claims related to natural disasters, and this was a record high. Analysts expect the figure to exceed 1 trillion yen (US$9.29 billion) again in 2019. This amount is down from the previous year; but before 2018, the non-life insurance industry in Japan had never paid out more than 1 trillion yen for damage caused by disasters involving storms and floods.</p>
<p>The industry faces two problems: If fire insurance premiums continue to rise, customers won&#8217;t be able to afford the purchase of such insurance. On the other hand, non-life insurance companies won&#8217;t be able to provide insurance without premiums corresponding to the risk.</p>
<p>In the U.S. state of Florida, which is often damaged by hurricanes, barely any private non-life insurance companies offer coverage any more — the state government handles insurance. Consequently, insurance payouts have become inadequate.</p>
<p>If damage caused by heavy rain and typhoons keeps increasing in Japan, the point may come when non-life insurance companies can no longer provide insurance that fully covers the risks posed by natural disasters.</p>
<p>The government of Japan and private insurance companies are already running joint initiatives for earthquake insurance. The 1964 <strong>Niigata Earthquake</strong> produced<strong> the Act on Earthquake Insurance</strong>. The amount of insurance paid out for the 2011 Tohoku earthquake and tsunami topped around 1.3 trillion yen (US$12.08 billion), but private insurance companies only footed some of the bill, due to the government&#8217;s support through reinsurance. These arrangements meant that coverage options and payments were sufficient.</p>
<p><strong>Adachi: I see. With natural disasters expected to intensify due to extreme weather and climate change, the response from non-life insurance companies will become even more important. There’ll be a huge social impact if you can’t offer insurance.</strong></p>
<p><strong>Fujii: </strong>The most-important aspect of the insurance business isn&#8217;t simply compensating for loss; it&#8217;s protecting customers from loss by working together on measures to prevent and reduce damage from disasters. Insurance will be there to provide compensation if losses occur despite these measures.</p>
<p>We&#8217;re taking the same approach to climate change. We support the<strong> Task Force on Climate-related Financial Disclosures (TCFD)</strong> and engage in initiatives for mitigating and adapting to climate change. Rising temperatures are increasing the risk of flooding. We&#8217;re working with the <strong>University of Tokyo</strong> and the <strong>Shibaura Institute of Technology</strong> to conduct research on improving global flooding risk forecasts and impact assessments. We want to use these improvements to support the use of climate-related disaster forecasts in management strategies and business investment.</p>
<p>We&#8217;re currently holding internal discussions on our use of <a href="https://sustainablebrands.com/read/cleantech/tide-slowing-turning-toward-a-future-free-of-coal">coal-fired power generation</a>. The Japanese government has positioned coal-fired power as a major source of energy in its fundamental energy plan; however, many Japanese companies are trying to decrease their reliance on this form of energy. We’re taking these discussions very seriously.</p>
<p>We also believe it’s important to participate in initiatives to reduce disaster risk, such as <strong>Ecosystem-based Disaster Risk Reduction (Eco-DRR)</strong>.</p>
<p><strong>Adachi: One of the priorities of this ecosystem-based work is to improve the sustainability of natural capital. Why focus on natural capital?</strong></p>
<p><strong>Fujii:</strong> I believe that the <a href="https://sustainablebrands.com/read/leadership/business-for-nature-our-economy-wellbeing-depend-on-restoring-biodiversity">preservation of biodiversity</a> and health of the Earth form the basis for achieving a resilient and sustainable society. The ways in which we <a href="https://sustainablebrands.com/read/finance-investment/new-guide-will-empower-banks-to-quickly-assess-natural-capital-risk">manage natural capital</a>, such as water and forest resources, are now an essential part of business discussions. The degree of climate change occurring means that this isn&#8217;t easy, but I believe that businesses must think about creating mechanisms for sustaining ecosystems and food chains and incorporating initiatives into their operations accordingly. We’ll work to improve the sustainability of natural capital through the business activities (such as consulting) of our entire group.</p>
<p>As part of this effort, we developed an “animal alert” app with an automotive insurance company, in working to prevent traffic accidents that kill wild animals. Traffic accidents are one of the greatest causes of the death of wild animals. For this, we used data from the government of Japan and local governments to develop a function that provides voice alerts when drivers approach areas in which vehicles frequently hit wild animals, and we loaded this data into our exclusive driving recorder and smartphone app. The sound of the alert changes in accordance with the animal appearance rate, which is based on life cycles, time, and the weather.</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>Need for change when society changes</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Adachi: So, we can also contribute at these points where we intersect with wild animals, right? And speaking of automobile accidents, vehicle insurance is the biggest earner for non-life insurance companies. But the environment surrounding the automobile industry is changing radically. The electric car that Sony announced at the <a href="https://sustainablebrands.com/read/product-service-design-innovation/tech-for-a-better-world-a-look-at-standout-products-from-ces-2020">CES trade show</a> in Las Vegas in January attracted a lot of attention. AI-based automatic driving technology is advancing, and vehicle accidents are decreasing. How might this affect business?</strong></p>
<p><strong>Fujii:</strong> If every car in the world was self-driving, car accidents would be close to zero. That’s great for society. Fewer accidents and disasters would make non-life insurance companies happier, too. That&#8217;s because an insurance payout for something like a house fire can’t replace the lost memories.</p>
<p>Automatic driving might reduce the need for vehicle insurance, but society will change and other types of insurance will be required. It&#8217;s going to be a while before all vehicles are autonomous. Until that happens, risks will remain, because self-driving vehicles will share the road with conventional vehicles. Authorities will create various measures, such as dedicated lanes, but these won’t eliminate all risks.</p>
<p>In the future, edge computing is likely to provide systems that control self-driving vehicles by making decisions like humans. However, they could be prone to programming errors or hacking. No one can say that there won’t be accidents.</p>
<p>Although revenue from automobile insurance might decrease, the products and services of insurance companies will change with society. There are also aspects of automobile accidents that only insurance companies can provide for, including negotiations with the other party.</p>
<p><strong>Adachi: You&#8217;re also engaging in new communication initiatives. Your 2018 advertising campaign — &#8220;For a Better Future&#8221; — used full-page ads to highlight the following: extreme weather as a regular occurrence, Japan&#8217;s super-aging society, natural capital, the threat of cyber-attacks, and resilient urban development. The solutions that MS&amp;AD can provide through its business were printed on the back of the page. You received the Award for Excellence in the Financial Sector at the 68th Nikkei Advertising Awards at the end of last year. We were surprised that an insurance company would state the risks so definitively.</strong></p>
</div>
<div class="elem_pik_box col2">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/07/03/saaiihounomiraihe1.png"/></div>
<div class="m_paragraph">Image credit: MS&amp;AD Insurance Group Holdings</div>
</td>
<td class="separator"></td>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/tr/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/07/03/saaiihounomiraihe2.png"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><strong>Fujii:</strong> In today&#8217;s society, it&#8217;s important to accurately convey the facts — including the risks.</p>
<p>Our mission is to leverage our global insurance &amp; financial business so as to provide safety and peace of mind, as well as to contribute to the development of a vibrant society and to help secure a sound future for the planet. To achieve this goal, we will address the risks arising from the social issues that challenge us and will provide products and services to overcome these issues. Through these initiatives, we will create an environment in which our customers can thrive and conduct their business activities with confidence. The risks presented in our advertisements were focal points for stories in which we create shared value with society.</p>
<p>First, our job is to make everyone aware of the risks. Next, it&#8217;s essential that we encourage everyone to engage in disaster readiness and safe driving so as to prevent and mitigate damages from such. This is nothing special needed, but it can be very simple and basic, such as in: “Please drive carefully” and “Take care when starting and putting out fires.”</p>
<p>Thinking about the role of our company, we don’t see ourselves simply as an insurance provider, but as a risk solutions expert. Insurance payouts are part of our business, but essential aspects can be found before such payouts occur. In advising customers on risks, we convince them such that they need to understand the risks that they might be exposed to, and we encourage them to consider whether they can manage those potential risks on their own. Most important is a form of accountability that can enable customers to make their own informed decisions, and this also has huge impact on brand building. A brand is built on trust and on a promise between the seller and the buyer.</p>
<p><strong>Adachi: My image of insurance was that it’s quite a passive business, but are you in fact talking about actively building a resilient and sustainable society?</strong></p>
<p><strong>Fujii: </strong>That’s right. Insurance is here to support individuals and businesses taking on challenges. Challenges involve risks. Thinking back to where insurance originated from, it is believed to have begun in the 12th-13th century marine trade with “adventure loans” — an arrangement to cover repayment for the ship and cargo in the event of a shipwreck or other misfortune. The foundation of insurance is supporting adventurous initiatives, which helps with the development of society.</p>
<p><strong>Adachi: Amid the rapid changes in business and lifestyles to come, I feel that the attitude of supporting those taking on challenges is very much in tune with our times.</strong></p>
</div>
<p></div>
<p></p>

Shelter from the Storm: Overcoming Challenges to Build a Resilient, Sustainable Society

松島香織

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
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<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/__icsFiles/afieldfile/2020/06/30/top.jpg"/></div>
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<p>投資家やステークホルダーから企業の非財務情報への注目が大きくなるなか、何をどのように考え開示すべきなのか。ツールのひとつとなるのが、気候変動関連リスク及び機会に関する「ガバナンス」「リスク管理」「指標と目標」についての開示を求めている「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」だ。日本では大和ハウス工業や積水化学工業など271の企業・機関が賛同(※)。世界の潮流は気候変動関連リスク対応に向かっている。(松島 香織)</p>
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<p><sup>(※2020年5月18日時点)</sup></p>
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<p>【Facilitator】<br />SB Japan Lab<br />サステナブル・ブランド国際会議 ESGプロデューサー<br />サンメッセ総合研究所(Sinc)代表<br />田中 信康 氏</p>
<p>【Panelist】<br />大和ハウス工業株式会社　環境部 部長　小山 勝弘 氏<br />EY新日本有限責任監査法人　気候変動・サステナビリティサービス　アソシエートパートナー　松本 千賀子氏<br />積水化学工業株式会社　ESG経営推進部　担当部長　三浦 仁美 氏<br />PRI事務局　ジャパンヘッド / CDP事務局　ジャパンディレクター　森澤 充世 氏<br />(50音順)</p>
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<p>「サステナブル・ブランド国際会議 2020 横浜」に登壇したEY新日本有限責任監査法人の松本千賀子氏は、コンサルタント会社の視点からTCFDの実践ポイントを解説した。松本氏は「TCFDという開示情報が増えて負担に感じている企業があるが、世界の潮流から見てメリットがある」と強調する。</p>
<p>気候変動リスクは目に見えないネガティブな資産であるが、機会でもあり、有形ではないが価値になると考えられる。非財務情報は「未来財務情報」と呼ばれ、企業が非財務情報をいかに価値化しているか、投資家やステークホルダーが注目しているという。</p>
<p>TCFDの特徴は定量的なシナリオ分析にある。例えば「地球の平均気温の上昇を、産業革命の前と比べて２度未満に抑える」という気候変動シナリオに基づいて企業活動を行った場合、炭素税からのインパクトをバリューチェーン全体で見た時にどのように価格い転嫁してくるのか数字で見ることが出来る。</p>
<p>「変数を使って定量化すると、予想していた結果と違う数字が出てくる場合がある。だからこそ定量分析は価値があり、方向性や規模感を見られるメリットがある」と松本氏は話す。また取り組みのポイントとして「経営層のコミットメント」をあげ、全社で取り組む体制づくりが重要だとした。無形価値を見るための定量化をどうするのか、日本では大きなトレンドになるという。</p>
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<h2>TCFDによるシナリオ分析で事業の妥当性を再認識</h2>
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<p>「気候変動が深刻化し、将来家を持ちたいと考える若者がいなくなる危機感がある」と大和ハウス工業の小山勝弘・環境部長は話す。同社は国際イニシアティブである「EP100」「RE100」「SBT(Science Based Targets)」に加盟しているが、脱炭素を進める戦略としてTCFDで数値化しつつ、これら３つの取り組みで加速・循環させている。</p>
<p>TCFDを活用することで、それまでのリスク対応の妥当性が確認できたという。「分析をしたら終わりでなく、実際の活動に落とし込むことが重要」と小山環境部長は話し、住宅や街づくり事業で展開する際の戦略的なアプローチとして活用。その結果、経営層の理解が進みプロジェクト推進がしやすくなった。</p>
<p>積水化学工業の三浦仁美担当部長は、「環境対策は事業成長の質のシフトに欠かせない」と話した。同社がTCFDに取り組んだ理由として、気候変動に与える/与えられる変化はインパクトが大きく、不確実なドライビングフォースの中でも自分たちが取り組むべきであること、中長期計画の方向性策定前に検討することに有用性があること、シナリオ分析は自社のサステナビリティ向上とそれを示すための有効な手段であること、を挙げた。</p>
<p>同社は、気候変動対応2℃・4℃の場合と都市集中・地方分散を軸にしたシナリオを策定し分析した。その結果を現在の取り組みや展開している事業、今後の事業戦略に落とし込んで再確認し、多岐にわたる業種・業務参入による経営の強みを再認識できたという。</p>
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<h2>PRIはTCFD取り組みのためのガイドを作成</h2>
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<p>CDPジャパン ディレクターであり、PRIジャパン ヘッドを務める森澤充世氏は、CDPとPRIの両面からTCFDを解説した。</p>
<p>CDPは英国のNGOが管理・運営する環境影響についての情報開示システムであり、2018年にTCFDの提言内容を評価できる指標に大きく転換した。スコアリングの方法は公開しており、高いスコアリングを取るために何に注力すればよいかわかるようにしている。またデータは比較可能で標準化され、投資家の意思決定に役立つ。</p>
<p>PRI(国連責任投資原則)には世界で2500を超える機関投資家が賛同署名している。「気候変動対策のためのシナリオ分析はもっとも革新的で難易度が高いTCFDの提言であると、PRIも認識している」と森澤氏は話す。</p>
<p>そういった中でPRIは2018年に「TCFD提言の実施 アセットオーナー向けガイド」を作成した。TCFD提言を理解すること、有力要因の決定、専門家ツールの活用、対応及び報告の特定といった、気候変動シナリオ分析統合のため４段階のプロセスを設けている。</p>
<p>森澤氏は日本のESG投資について「長期の投資に気づいていない企業が多く、ワーカーズキャピタル(企業年金)が回っていない。日本ではそうした面が活発にならなくてはいけない」と指摘した。</p>
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#気候変動/気候危機

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