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IHRP

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/07/21/top50800.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>伝統的な日本の大企業の中には、ともすると内向きで硬直的な組織体質や企業文化が見受けられます。そうした企業は、若者から『JTC』と称され、往年の風格や輝きは感じ取ってもらえないようです。そこで本稿では、JTCこそがサステナビリティ時代を味方につける素地があるという観点から、エールを送ります。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>ありがたくない烙印? 「JTC」とは</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>持続可能な社会への関心が一層高まる中、有力企業が「サステナビリティ経営」や「人的資本経営」に舵を切る一方で、歴史ある日本の大手の中には、まだまだ『変化』が見受けられない企業が散見されます。ネット上や就職・転職市場では、古い体質を引きずる日本の伝統的な大企業は、「JTC(Japanese Traditional Company)」というありがたくない烙印(らくいん)を押され、Z世代を中心とした働き手から敬遠される傾向があるようです。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>「変化への対応力」は競争優位の源泉</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>近年、「変化への対応力」が企業の競争力に大きな影響を及ぼします。変化に対応できる組織風土、時代と調和する企業活動が強く求められています。時代とともに社会の関心や価値観が目まぐるしく変容するにつれ、<u>企業への要請や期待される役割</u>も、それを映し出して変化します。過去に通用してきた成功体験や理屈だけに拘泥すると、現代社会のためにならなかったり、場合によっては世間の顰蹙(ひんしゅく)を買うこともあり得ます。</p>
<p>伝統ある大企業にとってのリスクは、歴史とともに図体(ずうたい)が大きくなったのはいいけれども、『大きな古木』のように微動だにしない。結果、環境の激変という突風により、ボキっといく。こうした企業像がハイリスクの象徴といえましょう。とかく過去の栄光に胡坐(あぐら)をかいてしまいがちな老舗企業にとって、磐石な経営基盤を確保しつつ、<u>現代社会の要請や期待への『対応力』を研ぎ澄ますことが競争優位の源泉</u>となります。企業がこうした「<u>マテリアリティ(</u>重要課題：企業とステークホルダーの両者にとって大きな影響を及ぼす課題)」の変化を感度よく経営に織り込む体制や企業文化を構築できているかは、企業価値評価にとって今後ますます重要になってくるでしょう。</p>
<p>ただしここで留意すべきは、『時代への対応』とは、過去をすべて捨て去り、新しく生まれ変わることではなく、原点に立ち返り、『(創業の)志を今に具現化する』という視点が肝要だということです。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>創業のスピリットを『今』に実現する</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>今日まで長きにわたって営々と発展してきた会社は、創業者や中興の祖が、魂を込めて「あるべき姿」を思い描き、まさに命がけで立ち上げています。その千金の価値のある創業者の口ぐせや珠玉のエピソードこそが、「創業の精神(スピリット)」であり、「企業理念」へと昇華してきました。優良企業の理念には、おしなべて「社会を幸せにしたい」「社会を豊かにしたい」という趣旨が込められています。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>しかしながら、時代とともに<u>その「社会」が激変</u>します。昔ながらの発想でやっていると、良かれと思ってやったことが、無価値になったり、挙句の果てには仇(あだ)になることも起き得ます。その逆に、今まで気にも留めてこなかったことが、社会からプレミアムな価値として受け入れられることもあります。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>さらには、『従業員』は<u>身内ではなく、ステークホルダーである</u>という認識が大変重要です。そもそも『従業員を大切にする』という考え方は有力な日本企業は創業時から伝統的に備えており、雇用の保障や福利厚生の充実という形で報いてきました。しかし、いま大きく変容しているのは、従業員としての『労働条件の満足』から一歩踏み込んで、『個人のウェルビーイング』と『会社のパーパスや中長期の経営計画』をしっかりとつなぎ合わせてマネジメントする必要があります。現代企業へのロイヤルティは、昔の『忠誠心』や『愛社精神』とは質が異なります。こうしたスタンスが、現代の働き手に選ばれるか否かの大きなポイントです。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ビジネスの究極の目は「理念」の実現といえます。それは、企業の『社会との約束事』であり、<u>社会における存在意義そのもの</u>です。この文脈が、現代における「パーパス(purpose)」につながります。ここに、時を超えて「自社の存在意義(パーパス)」を実現する戦略として、<u>『サステナビリティ』を経営に組み込む意義</u>があります。</p>
<p>「サステナビリティ経営」とは、多様なステークホルダーに広く目を配りながら、中長期の時間軸をもって、自社と社会の相乗発展を志向する経営のあり方といえます。<u>ステークホルダーも社会も、サステナビリティ重視の価値観へと変化</u>しています。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>変らないでいるために、変わり続ける</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>創業時から扱ってきた素材やノウハウが「持続可能な社会」の実現に向けて、戦略的に応用される成功事例が続々と登場しています。長い時間をかけて祖業(そぎょう：創業時から受け継いできた事業)と向き合ってきたことが、サステナビリティ時代における新しい着眼点や発想が芽生えることにより、現代のビジネスで優位に立つことにつながります。</p>
<p>伝統ある企業の多くは、長きにわたる挑戦の積み重ねの上に成り立っています。代々にわたり、<u>時代の流れをつかまえる力(社会的感受性：Sensitivity)</u>が備わっていたからこそ、歴史と伝統が結実したといえます。<u>『JTC』にこそ、元来、時代を生き抜く素地(ケイパビリティ：capability)がある</u>といえます。ところが、昨今のサステナビリティへのうねりは、これまではと比較にならない抜本的な対応が迫られます。それが、サステナビリティを起点とするトランスフォーメーション、すなわち、『SX(Sustainability Transformation)』です。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>いつの時代にも、「やっぱり、さすがだね！」と言われたい。『<u>変らないでいるためには、変わり続ける</u>』のが鉄則です。これこそが、伝統に裏打ちされた<u>自社ならではのコアコンピタンス(Core competence：核となる能力・得意技・伝家の宝刀)で、(今の)社会のためになる</u>という「サステナブル・ブランディング」の真骨頂です。JTCの「企業ブランド」を<u>時代にふさわしく磨きをかける</u>のが、『サステナビリティ』なのです。 </p>
</div>
<div class="elem_block color">
<div class="inner">
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>☆感謝のメッセージ</p>
<p>本稿で、2016年6月より続けてきました「細田悦弘のサステナブル・ブランディングスクール」は50回を迎えました。長らくお読みいただきました皆様に、心より御礼申し上げます。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>本連載はここで一段落とし、次回からは装いも新たに、新タイトルの連載をスタートさせていただきます。</p>
<p>ますます関心が高まる「サステナビリティ」を新しい視点で見つめ直し、深掘りしていきたいと思っております。引き続き、お付き合いをいただければ幸いです。</p>
</div></div>
</div>
<p></div>
<p></p>

ファイナンス

経済 economy

経営 management

ブランド戦略

第50回　『JTC』にエールを送る！時代を味方につけるサステナビリティ経営

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/06/17/49top.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>「雑草という草はない」という心にしみる名言。NHK朝ドラ「らんまん」が好評放映中です。モデルは、日本の植物分類学の父と称される牧野富太郎博士です。持って生まれた才能や生きざまはもちろん秀逸ですが、その『出で立ち(いでたち)』も含め、この主人公からブランドのエッセンスを垣間見る(かいまみる)ことができます。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>「らんまん」のモデル・牧野富太郎</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>NHK朝ドラ「らんまん」は、春らんまんの明治の世を舞台に、夢を追いかけて天真らんまんに駆け抜けた天才植物学者の波瀾万丈の物語です。モデルは高知県出身で、日本の植物分類学の父と称される牧野富太郎博士です。主人公の槙野万太郎を神木隆之介さんが好演しています。</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/06/17/ranman01.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>江戸時代末期、万太郎は高知で酒造業を営む裕福な商家の一人息子として生まれました。少年の頃、体が弱くいじめられていましたが、植物の魅力に没頭し秘めた才能を発揮するのでした。草木を見つけるために毎日野山を歩き回ったおかげで、健康で丈夫な体に育ちます。</p>
<p>そして小学校を中退しながらも独学で植物学を学び、一念発起し、東京大学植物学教室へと進みます。助手として働くことになった万太郎はまるで水を得た魚のように研究に明け暮れて、次々と新種を発見し学名をつけていきます。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/06/17/ranman02.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>しかし、その活躍に嫉妬する周囲の人々から理不尽な目にあったり、さまざまな苦難が降りかかります。<br />それでも愛する植物のため、「<u>日本独自の植物図鑑を編さんする</u>」という壮大な目標実現のため、さまざまな苦難にみまわれますが、万太郎は情熱を失うことなく一途に突き進んでいきます。</p>
<p>このような、ひたむきに道を究める主人公に視聴者は魅了されますが、そこには<u>「ブランディング」のエッセンス</u>が詰まっています。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>主人公の『見た目』は、ブランドの重要ファクター</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>朝ドラファンの心をつかむ、「らんまん」の主人公・槙野万太郎。回を重ねるにつれ、イントロで神木隆之介さんが『正装』で登場すると、この先のドラマの展開が待ち遠しくワクワクします。その姿はドラマに『花』を添え、彩を与え、エンターテインメント性を醸し出しています。さまざまな出来事が身に降りかかると、『きっと、彼ならこうして乗り越えるだろう』という『期待』が沸き上がり、『やっぱり、彼らしいなぁ』と和みます。この『<u>期待』と『らしさ』こそが、ブランディングの躯体</u>(くたい：基盤となる骨組み)です。</p>
<p>「ブランディング」とは、ブランドをつくり上げ、マネジメントをしながら、さらにいっそう強くしていく一連の活動です。そのためには、ありたい姿である『らしさ(Brand Identity)』を鮮明にし、それに<u>『期待』を寄せるステークホルダーとの『約束』を一貫して守り続ける</u>ことが鉄則です。</p>
<p>そして、ステークホルダーからすれば、企業に期待をするに際して、『目印』となるのがシンボルマークやロゴです。そのブランドを象徴するデザイン要素一式のことを「<u>ビジュアルアイデンティティ(Visual Identity)</u>」といい、略すと一般的に「VI」とされます。「らしさ」をシンボライズした(象徴した)ものが、VIといえます。VIは、ブランドが目指す姿(らしさ)を瞬間で伝える威力を発揮します。</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/06/17/ranman03.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>すなわち、<u>『見た目』(VI)は、ブランドの重要なファクター</u>となります。ドラマ主人公・万太郎が植物採集等の活動をする時の出で立ち(いでたち：服装、衣装)は、基本的に『正装』だったそうです。モデルとなった牧野富太郎博士は、若い頃から晩年まで、いつも『きちんとした』洋服を着ている写真が残っています。フィールドワークで服が汚れないかと心配になりますが、「<u>恋人である植物に会うのだから</u>」と野山に出かける際にオシャレをしていたという逸話があります。大好きな植物に常に真剣に向き合っていたことが伝わってきます。ブランドの必須条件である『こだわり』の発露(はつろ)です。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>これこそが、牧野富太郎ファンにとっての「ビジュアルアイデンティティ(Visual Identity)」といえます。<br />彼のVIである佇まい(たたずまい)から、彼の人格・人柄・個性・卓越した能力等を連想し『<u>期待</u>』します。そして常にそれに応え、『<u>約束</u>』を守り続けるところに『牧野富太郎ブランド』は成立します。『正装』は、彼のブランドが化体(かたい：形のないものを具体的に感知できるものにする)されたものといえます。企業のシンボルマークやロゴと同じ機能を果たしています。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>「雑草という草はない」</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ドラマの印象的な場面で、主人公の「<u>雑草という草はない</u>」という重厚なセリフが刺さりました。東京の住まいとなった根津の十徳長屋で万太郎は、「雑草ゆう草はないき。必ず名がある。天から与えられ、持って生まれた唯一無二の名があるはずじゃ」と言いました。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/06/18/sashikae.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>高知のシーンでも、「名も無き草はこの世になし」と説いています。自由民権運動の演説会で、弁士が「雑草は役立たず」と発言したことに対し、万太郎は「それは違う」と、下記のように反論しました。</p>
<p>「名もなき草らあはこの世にないき」<br />「どんな草やち、同じ草らあひとっつもない！一人ひとりみんなあ違う。生きる力を持っちゅう！」</p>
<p>このメッセージを現代社会において敷衍(ふえん)して解釈すれば、今日の「<u>ダイバーシティ・エクイティ＆インクルージョン(DE&amp;I)</u>」の真髄にも相通ずるものがあります。<br />そして第9週45回において、<u>「日本中の植物を載せた植物図鑑を作る」という夢(パーパス)</u>に裏打ちされた心に響く土佐弁の名ゼリフが発せられました。このフレーズは、彼の『らしさ』の根幹と受け止めることができます。</p>
<p>「やるべきことがあります。自分で決めた仕事ですき。それを放り出してしもうては、わしがわしではのうなります」</p>
<p>植物学者・牧野富太郎博士の植物をこよなく愛し自然を慈しむ(いつくしむ)『らしさ』満載の情熱的な生き方は、私たちの心を打ち、現代の生物多様性等の尊重にも通じ、<u>時空を超えたサステナブルブランディング</u>が体現されているといえましょう。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

第49回　『らんまん』主人公に学ぶ！時空を超えたブランド・エッセンス

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<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>かつて一大ブームとなったタピオカミルクティー店の跡地等に、続々と自家焙煎コーヒー店がオープンしています。『鉄瓶』で芯まで熱せられたお湯を沸かし、その熱量とまろやかなお湯でコーヒーを抽出すると、成分がじわっと押し出され一段と深い味わいが得られることでしょう。今回はこの鉄瓶のような、伝統工芸の継承をモチーフに、時代を超えてブランドを輝かせる要諦について考えていきます。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>深淵(しんえん)なる南部鉄器</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>日本の伝統工芸品「南部鉄器」が人気です。その代表とされるのは『南部鉄瓶』で、サッカーワールドカップ2022大会で活躍した田中碧選手が愛用していることでも注目されました。このところ、タピオカミルクティーの店の跡地などに自家焙煎コーヒー店が続々とオープンし好評です。自宅でおいしくオシャレに味わい深いコーヒーを飲もうとこだわる人の中にも、南部鉄瓶の愛好家が多いことでしょう。伝統的な佇まいを残しながらも、ポップなコーヒーポットなどが世界中のファンの心を奪っています。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>南部鉄器とは、17世紀ごろから岩手県の盛岡市や奥州市でつくられてきた鉄鋳物の総称です。鉄鋳物とは溶かした鉄を鋳型に流して形をつくる技法です。盛岡藩主が京都から茶釜師を招き、茶の湯釜をつくらせたのが始まりだそうで、「南部鉄器」の「南部」は、当時の盛岡藩が「南部藩」と呼ばれていたことに由来します。鉄資源が豊富な盛岡ではその後も鋳物産業が発展し、のちに茶の湯釜を小ぶりにした『鉄瓶』が誕生します。今日、<u>鉄瓶は南部鉄器の代名詞的存在</u>となっています。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>南部鉄瓶で沸かしたお湯は白湯(さゆ)で飲んでもよし、お茶を煎(い)れてもコーヒーを淹(い)れても格別なようです。美味しくなる理由は、水道水に含まれる塩素を取り除くには『鉄』が最も優れており、鉄瓶の内側の鉄分が溶け出すため、まろやかで柔らかい味になるそうです。鉄瓶で煎れたお茶やコーヒーは角がとれておいしく、鉄瓶は鉄分が補給できるから健康によいと定評があります。</p>
<p>ちなみに、「鉄瓶」と「鉄急須」はほぼ同じ形状をしていますが、その用途が異なります。鉄瓶は『湯沸かし』に使う道具です。中に水を入れ、直火やIHにかけてお湯を沸かします。つまり、やかんと同じ役割です。もともと鉄瓶は茶の湯で使われていた茶釜に注ぎ口と持ち手をつけることで、広く一般に普及したものです。一方、鉄急須は『お茶を煎れる』ための道具です。茶こしがついているため、そこに茶葉を入れ、お湯を注ぎ、お茶を煎れるのに使用します。</p>
<p>南部鉄器の特徴は、さびにくく長持ちすることや熱が均一に伝わること、保温性に優れていることなどです。その独特な重量と安定感、ざらりとした特徴ある風合いは素朴な美しさがあり、南部鉄器の代表ともいえる鉄瓶には、職人によってさまざまな紋様が施されています。表面がポコポコしたデザインのアラレ紋様は、鉄瓶の表面積を増やす目的で南部鉄器に用いられています。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>AIで、匠の技を次世代へつなぐ</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ところが、伝統工芸の世界では、やはり<u>後継者問題</u>を抱えています。南部鉄器は熟練技術者の経験知に依存する領域が広く、名工(匠の職人)の高齢化や若手の不足などで卓越した技術を伝えていくことが難しくなっています。<u>伝統工芸のブランドの伝承</u>が課題となっています。</p>
<p>そこで近年、『人工知能(AI)』を使った製造業の支援サービスを手掛ける企業が注目されています。AIを活用し、ものづくりの技術継承を支援することで生産改善効果が期待されています。AIによる支援サービス企業が得意とするのは、熟練技能者から長時間かけてヒアリングしたものづくりのノウハウを、AIを使って分析して伝達可能なデータや作業手順に置き換える技術とのことです。 </p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>こうして抽出した情報をAI化して使えば、経験が浅い若手職人でも<u>『熟練者の思考』を素早く学べる</u>ことが期待できます。とかく、若手がベテラン(師匠)に相談した際に、アドバイスや駄目出しをされても、断片的な言葉でしか説明されない場合があります。すると若手は、直すべきポイントを正確に理解できませんでした。その『断片的な言葉』をAIに入力すると、その言葉の裏にある考え方や関連性を知ることができるので、改善が必要な理由のヒントが得られるというわけです。熟練者に一から十まで教えてもらわずとも、パソコン上で『熟練者の思考』を再現しながら、必要なタイミングで自主的に学んでいけるというわけです。若手と熟練者のコミュニケーション・ギャップを補うことにもつながります。</p>
<p>ともすると熟練職人は、長年かけて身をもって会得した知見や(体で覚えた)ノウハウを『言語化』することが不得手だったり、現代の労働条件面においては、若手職人と寝食を共にして、始終寄り添って時間をかけて指導することもかなわなくなっています。そこで、これまで<u>『暗黙知』だった特有の思考や製造ノウハウをデジタル化して、『形式知』に転換し</u>、繊細なものづくりを次世代に引き継ごうとする試みが注目されています。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>ブランドの伝承は、暗黙知を形式知に</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>職人が代々受け継いできた技や熟練の勘などが「暗黙知」の代表例とされます。<u>暗黙知とは、言語としてはっきり示すことができないような知識</u>を指します。暗黙知(tacit knowing)という言葉が初めて登場したのは、ハンガリーの社会科学者・物理化学者のマイケル・ポランニーが1966年に上梓した『暗黙知の次元』とされています。その後、1990年代初頭に一橋大学の経営学者・野中郁次郎氏が社会に広めたと言われています。</p>
<p>一方、<u>対比される言葉として「形式知(explicit knowledge)」があり、言語としてはっきり示すことができるような知識</u>のことをいいます。企業にとって、暗黙知を暗黙知のままにしておくと、大きく2つのリスクが生じます。一つは、言語化されていない暗黙知を活用できるのは、その暗黙知を有しているメンバーに限られることです。もう一つは、暗黙知は業務に精通した特定のメンバーが有しているケースが多いため、暗黙知を有するメンバーは、都度、周囲に作業やコツを教える機会が多くなりがちです。自分の業務を中断してでも周囲に教えないといけないという状況になってしまうと、暗黙知を有するメンバーの生産性は低下しがちです。それにより、チーム・組織全体の生産性低下につながる可能性があります。</p>
<p>暗黙知を暗黙知のままにしておくと、このようにさまざまな問題が発生します。暗黙知のまま放置せず、形式知に変えていくことが重要です。ただし、言わずもがなですが、<u>セキュリティには十二分に留意</u>する必要があります。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>無形資産の中核を形式知に</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/05/20/05sasikae.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>昨今、最も重要な経営資源として『無形資産』が注目される中、<u>ブランドがその中核</u>に位置づけられます。<u>その根源が、自社の持ち味である「らしさ(Brand Identity)」</u>です。老舗企業の多くが創業以来、先人から受け継いできた『自社ならではの強み』が、『<u>暗黙知</u>』となっています。</p>
<p>いきおい、時の経過とともにブランドの希釈化(らしさが曖昧・不明確になり、ブランド力が衰退すること)を招いてしまっているのが悩みの種ではないでしょうか。</p>
<p>したがって、現代のブランド戦略として、<u>「らしさ」を形式知化して社内であらためて共有することが肝要</u>です。<u>「らしさ」は無形資産に寄与する競争優位の源泉</u>であり、伝家の宝刀といえます。時代にふさわしいパーパスに裏打ちされた「らしさ」を発揮することにより、サステナブルブランディングが実現できます。​​​​​​</p>
</div>
</div>
</div>
<p></div>
<p></p>

話題のキーワード

地方創生

社会 social

第48回　AIが支える！伝統工芸のブランド伝承

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/04/19/47top.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>子どもの頃に「なりたい職業は何ですか？」と聞かれれば、多くの人は「プロ野球選手」「幼稚園の先生」「看護師」「パイロット」などと答えた記憶があることでしょう。では今の子どもたちはというと、ナント『会社員』という回答が大勢を占めているようです。ただ、次世代がイメージする『会社員』は、かつてとはだいぶ異なるようです。企業が次世代の従業員に活躍してもらいたいなら、「人的資本経営」が待ったなしのようです。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>なりたい職業1位は、『会社員』</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/04/19/470111.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>子どもたちに「将来、何になりたいですか？」という質問を投げかけると、昭和から平成の初めくらいであれば、「プロ野球選手」「幼稚園の先生」「看護師」「パイロット」などといった答えがよく聞かれました。<br />ところが近年ではだいぶ様相が違ってきているようです。</p>
<p>第一生命保険が発表した、「第34回 大人になったらなりたいもの」調査によれば、<u>首位は小・中・高の男子と中・高の女子が『会社員』</u>で、小学生女子は「パティシエ」となりました。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/04/19/4702.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ちなみに、この調査は2022年12月中に実施され、小学3年生から高校3年生までの3000人を対象にインターネットアンケートで実施されたものです。したがって、小学校男子の3位に「サッカー選手」がランクインしているのは、「2022 FIFAワールドカップ」で日本代表がベスト16に進出したことが影響したものとみられています。よって、その後「WBC2023(第5回ワールド・ベースボール・クラシック)」における侍ジャパンの大活躍を目にしたあとでは、『野球選手』が躍進していることも想像できます。</p>
<p>このように、プロスポーツ選手人気は今も昔も定番ではありますが、今回の調査で特筆すべきは、<u>中・高の男女の結果をみると、すべての1位に『会社員』が並んだことです</u>。そして、「会社員としてどんな仕事がしてみたいか」という質問に対しては、小・中・高の男子と高校生女子では「学者/研究者」がランクインしました。サステナビリティ時代を反映して、好きな学問を究めたり、社会や環境の課題解決に役立つ職業への注目度の高さがうかがえました。コメントの中にも、「高校でSDGsを学び、未来の海洋資源のために役立つ研究をしたいと思った」といった回答がありました。また、「その職業を選んだ理由」への回答においても、小・中の男女を共通して1位は「好きだから」でしたが、中・高の男女の2位は<u>「人の役に立ちたいから」</u>でした。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>人的資本としての『会社員』</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/04/19/47033.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>この調査からも見てとれるように、Z世代・α(アルファ)世代を受け入れる企業側にとっては、従来の経営スタイルから脱皮し、<u>「人的資本経営」へのシフトが待ったなし</u>となっていることです。人的資本経営とは、経済産業省の定義によれば、「人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」です。すなわち、人材を『コスト(原価管理の対象)』と捉えるのではなく、『資本(投資の対象)』として捉え、積極的に人材に投資することで企業価値を高めていく考え方を意味します。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>主な着眼点は以下のとおりです。<br />〇従来の経営：従業員は『身内』<br />コストとしての「人的資源」、相互依存、囲い込み型<br />　　　　↓↓<br />◎人的資本経営：従業員は『ステークホルダー』<br />投資対象としての「人的資本」、個の自立、会社と従業員は選び・選ばれる関係</p>
<p>これまでは人的資源(Human Resource)という考え方が主流であり、人材は「企業が事業を行う上で活用する労働力」であり、人材にかかる費用は『コスト』と捉えられていました。しかし、人的資本の考え方に基づけば、<u>人材は「知識やスキル、経験を有し、事業活動における価値創造の源泉」</u>とされ、人材にかける費用は<u>『企業の成長に資する投資』</u>と捉えられます。「資源」から「資本」へのパラダイムシフトです。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>『社員を大切にする』とは</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/04/19/4704.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>そもそも『社員を大切にする』という考え方は、有力な日本企業は創業時から伝統的に備えています。これまでも多くの企業が、雇用の保障や福利厚生の充実という形で従業員に報いてきました。しかし、いま大きく変わってきているのは、従業員としての『労働条件の満足』から一歩踏み込んで、<u>『個人のウェルビーイング』と会社のパーパス(存在意義)や中長期の経営計画をしっかりとつなぎ合わせてマネジメントしようとする点</u>にあります。すなわち、従業員の成長や価値観と会社の目標達成の方向を一致させ、意欲的に仕事に打ち込んでもらえるよう促すことが要諦となります。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>したがって、まずはパーパス(社会的存在意義)をしっかりと標榜することが求められます。従業員からパーパスへの共感(自己実現と会社のめざす姿とがシンクロした状態)を得ることはエンゲージメントを強化し、モチベーションの基盤となります。</p>
<p>「自分を高めたい」という従業員の成長を奨励し、<u>「人(社会)の役に立ちたい」</u>という生きがいを醸成することで、会社の発展にもつなげていくという考え方です。とりわけ、Z世代の若手社員にとって、<u>社会的存在意義が実感できる会社の社員であることの誇り</u>は、従前の大企業に就職することで得られた処遇面の誇りとは異なります。パーパスを実践している企業で働くことで、会社との『強いつながりや愛着(ロイヤルティー)』が育まれます。パーパスは企業としての未来のあるべき姿を示すもので、個々の社員の価値観や自身の将来のありたい姿とを一致させることで実現が促進されます。現代企業へのロイヤルティーは、その昔の大企業への『忠誠心』とは質が異なります。忠誠心・愛社精神が尊ばれ、もてはやされた時代は明らかに過去ものとなりました。</p>
<p>これからの『会社員』の就職先選びは、決して「大企業」「上場企業」「老舗企業」にこだわるわけではなく、中小企業やスタートアップ企業にも、十分目が向けられます。中小企業が抱える喫緊の経営課題が、いわゆる『優秀な人材』が離職することや確保しにくいということであるならば、人的資本経営は競争優位につながります。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>自社が好きな『会社員』がたくさんいる会社は、持続的成長が果たせる</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/04/19/4705.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>人を最大の『資本』と捉え、投資し、熱意あふれ(エンゲージメントの高い)従業員を育む。それによって、企業のビジョンやパーパスの実現につなげる経営が求められる時代が到来しました。従業員が自社のパーパスや価値観に共鳴し、エンゲージメントが高まれば、『人的資本』は磨かれ輝きを増します。『自分の会社が好きな社員』がたくさんいる会社は、持続的成長・中長期の企業価値向上が見込まれます。</p>
<p>本調査で「大人になったら『会社員』になりたい」と回答した、<u>5年後・10年後の従業員</u>が自らの志と価値観のもとにパーパスに共鳴し、自社らしさを発揮してビジネスと社会課題解決を融合できれば、力強くサステナブル・ブランディングが実現できます。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

人的資本経営

第47回 『なりたい職業1位』が示唆する！待ったなしの人的資本経営

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/03/19/46top.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>DX、GX、SX…。何やら、「アルファベット＋X」が俄然目につくようになりました。ところが、それを担う従業員にまつわるEXの「X」は毛色が違うようです。人的資本に注目が集まる今、EXのアプローチは不可欠です。EXは、Employee Experience(エンプロイー・エクスペリエンス：従業員体験)です。従業員が会社生活においてウェルビーイングを『体験』できてこそ、エンゲージメントが高まり、SXの実現に勢いがつきます。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>SXは『移行』ではなく『変革』</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>毎日のようにメディアに登場する『サステナビリティ』。新聞・テレビ等の企業広告でもよく発信されています。多くの企業は経営の中核にサステナビリティを据え、「サステナビリティ経営」を唱えています。企業の本分は人々の生活を豊かにすることといえます。サステナビリティ経営の本質は、<u>現代において豊さを追求するために</u>、社会(環境含む)の持続可能性を担保しながら、企業の持続的成長・中長期的な企業価値向上を図ることにあります。もはや従来の経営戦略のあり方を抜本的に見直すことが迫られ、そこで『SX』という大変革に直面しています。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/03/19/GAZOU01SASHIKAE.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>SXとは、Sustainability Transformation(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の略語です。「Transformation」が『X』に略されるのは、「Trans」という言葉の由来にあります。「trans」は、「cross」という言葉と同義であり、「交差する」という意味の「cross」は省略して『X』と書かれるため、同じ意味の「trans」も『X』で代用されるようになったとされます。したがって、GX(Green Transformation)もDX(Digital Transformation)も、『X』には同じ意味合いが込められています。企業がSXを目指すにあたって、その大きな目標の一つがGXであり、そのための卓越した手立てがDXとなります。</p>
<p>経済産業省「伊藤レポート3.0」によれば、「SXとは、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを『同期化』させていくこと、及びそのために必要な経営・事業変革(トランスフォー メーション)を指す」と定義されています。<br />SXは、単に企業が地球や社会に配慮する経営に『移行』するだけでなく、<u>「社会全体の持続可能性」と、「企業の持続可能性」を同時に実現する経営へと『変革』</u>することを意味します。そして、この　『大変革』を担うのは従業員であり、そのために重要な取り組みテーマとなるのが『EX』です。ちなみに、この『X』は上記とは毛色が違います。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>SXを実現するには、まずはEX</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/03/19/GAZOU02.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>昨今、人的資本開示の必修科目ともいえる「従業員エンゲージメント」に取り組む企業が増えています。<br />従業員エンゲージメントとは、『会社や仕事に対して自発的な貢献意欲のもと、主体的に取り組む状態』をいいます。これが、SXに立ち向かう従業員の必携のメンタリティといえます。そのためには『EX』が必要不可欠であり、<u>SX実現のための原動力</u>となります。さらに言えば、EXの充実なしでは、SXによる競争優位を獲得することは難しい時代となったといえます。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>EXは、Employee Experience(エンプロイー・エクスペリエンス)を指し、日本語では「従業員体験」と訳されることもあります。<u>従業員が会社で働くことを通じて得られる経験価値</u>です。従業員(エンプロイー)一人ひとりが心身ともに健全で、かつ社会的にも良好な状態である『ウェルビーイング』を体験(エクスペリエンス)できることで、自発的・主体的に継続して生産性向上につなげていく考え方です。<br />マーケティングの世界では、顧客体験のことを『CX(Customer Experience)』と称されますが、この概念を人的資本領域に適用したのがEX(エンプロイー・エクスペリエンス)といえます。EXは、従業員を顧客に見立て、従業員のエンゲージメントを高め、持続的にパフォーマンスを向上させていく取り組みです。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/03/19/GAZOU03.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>エンプロイー・エクスペリエンスに必要な要素としては、個人の側面では「健康」「家族」「通勤」「財政面の健全さ」などがあり、企業人として重要なのが「仕事上の価値観」「職責(仕事内容)」「キャリアに対する姿勢」「心理的安全性」などがあります。とりわけ近年ではZ世代・ミレニアル世代を中心に、<u>『社会のためになりたい』『自分を高めたい』</u>というニーズが高揚してきており、サステナビリティに対する企業姿勢をパーパスとしてしっかりと標榜することが求められています。従業員からパーパスへの共感(自己実現と会社のめざす姿とがシンクロした状態)を得ることはエンゲージメントを強化し、モチベーションの基盤となります。<u>EXへの取り組みは、SX実現のためのキードライバー</u>といえましょう。キードライバーとは、目標達成度に大きな影響を与える要素のことです。人的資本経営の観点からも、EXのアプローチは必須です。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>EXによるロイヤルティーで、『自社らしさ』を体現する</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/03/19/GAZOU04.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>EXの高度化によって、従業員エンゲージメントが強化されロイヤルティーが醸成されます。自社に誇りをもった従業員一人ひとりが、顧客や社会のあらゆる接点において『自社らしさ(ブランドアイデンティティー)』を自発的・主体的に体現することでブランドは高まります。従業員の一挙手一投足がパーパスに根差していれば、サステナブルブランディングにつながります。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

行動変容

第46回　EXは、SXのキードライバー

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/4501800.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>いよいよ本格化する24卒の就活。大企業・有名企業・上場企業からの内定も喜ばしいですが、就活の目的は本当に自分にマッチした企業に出会うこと。近年、「エシカル就活」に関心が高まっています。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>24卒就活、本格スタート</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/45011.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>2024年3月卒業予定(24卒)学生の就職活動が本格化する時期がやってきました。親世代はとかく『大企業・有名企業・上場企業』への就職意向が取り沙汰されましたが、気候変動や海洋汚染、格差社会等を身近に感じて育った現世代の就活学生の目線はだいぶ違うようです。</p>
<p>昨今、Ｚ世代を中心に地球環境や社会課題への関心が高まり、<u>エシカルな暮らし</u>への志向性が芽生えています。とりわけ直近では新型コロナウイルスの影響も相まって、その傾向が顕著に表れているといえます。そうした価値観がライフスタイルや消費行動の域を超え、<u>『会社選び』の基準</u>にも反映されてきています。<u>「エシカル就活」</u>という言葉も、散見されるようになりました。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>「エシカル」とは</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>最近よく耳にする「エシカル」という言葉。エシカル(ethical)とは、直訳すると「倫理的・道徳的」という意味の英語です。エシカルという考え方が日本で広がったきっかけの一つとして、2015年に消費者庁が、「倫理的消費(エシカル消費)」の普及に向けた調査研究会を発足させたことが挙げられます。この報告書において、<u>倫理的消費(エシカル消費)とは、「地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動」</u>と定義されています。<u>消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと</u>と説明されています。</p>
<p>消費者庁が2016年度と2019年度に行った「倫理的消費(エシカル消費)に関する消費者意識調査」の結果を比較すると、『エシカル消費・倫理的消費』の認知度は6%から12.2%へ、エシカル消費への興味度は35.9%から59.1%へと意識が向上してきていることがわかります。</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/4502.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>また、日経MJが2021年11月に実施した、Ｚ世代が社会や企業に何を求めているかを探るアンケート調査でも、同様の傾向が見て取れます。<br />アンケート項目の一例として、「価格が高くなったり、不自由になったりしても、自らの消費行動を通じて社会の課題解決に貢献したいか」という質問に対して、<br />Ｚ世代の中の16～26歳の計34.9%が「貢献したい」という意向を示しています。自分は金銭的にあまり恵まれていないと考えるＺ世代に限っても計24.6%が「貢献したい」ということでした。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><u>所得の多寡に関係なく、自分の消費行動をソーシャルグッド(社会に良いインパクトをもたらす活動)につなげたいという意識</u>が垣間見えます。ここにきて、1990年代半ばから2010年頃に生まれたＺ世代が消費のあり方を変えようとしているようです。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>「経営資源の調達」という補助線</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ESG投資、エシカル消費、そしてエシカル就活…。なんだか、そこかしこで『サステナビリティ』に関するコンセプトが注目されるようになりました。企業側の見地から、この錯綜しがちな潮流を本質的に捉えるためには、<u>「経営資源の調達」という補助線</u>を引いてみるとスッキリします。</p>
<p>企業はステークホルダー(経営にとって欠くべからざる人々)とともに事業を営んでいます。もとより、事業運営のためのヒト・モノ・カネといった経営資源(リソース)は、このステークホルダーから提供されるわけです。<u>経営資源を潤沢に調達したければ、ステークホルダーに「価値提供」をしなくてはなりません。</u>このステークホルダーが期待する『価値』こそが、時代の変化とともに変容しています。個別の主な市場ごとにみていきましょう。 </p>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/4503.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>○資本市場… 国連の「責任投資原則(PRI：Principles for Responsible Investment)」に署名したり、日本版スチュワードシップコードの受入表明をしている多くの機関投資家は、短期主義(ショート・ターミズム)から<u>中長期への時間軸のシフトによる投資リターンを志向</u>するようになってきている。したがって、<u>持続的成長・中長期的な企業価値向上が見込める企業を選別</u>するため、投資行動の喚起にあたっては<u>非財務(ESG)が重視</u>されるようになった。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>○財市場…エシカル消費が普及し、製品・サービスの性能もさることながら、<u>環境や社会への配慮が行き届いているか</u>ということも重要な購入判断基準になってきている。消費行動の喚起にあたっては、サステナビリティ要素が基本的なスペックとなった。</p>
<p>※ちなみに今年のバレンタインデー商戦では、ご褒美チョコなどで『フェアトレード』の商品が人気を集めたそうです。<u>フェアトレードとは、開発途上国等で生産している原料や製品を適正な価格で継続購入することで、立場の弱い生産者や生活改善の自立を目指す貿易の仕組みのこと</u>。これにより、生産者の生活を支え、自然環境を守り、教育支援などのサポートにつながります。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/4504_1.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>○労働市場… 就活学生は応募するに際し、<u>『社会のためになっているのか』</u>が重要な企業選択の目線となってきている。初任給を入口とする金銭報酬も大事だが、<u>仕事を通じて『社会のためになりたい』</u>というニーズを通じて満たしてくれるのは重要な<u>「非金銭報酬」</u>となっている。よって業界1位企業に内定しても、2位のサステナブルカンパニーに行くケースも見受けられるようになった。求職行動の喚起にあたっては、企業規模や業種業態を問わず、<u>サステナビリティ・SDGsに対する企業姿勢の訴求が不可欠</u>となった。</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/4505.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>このように、<u>従来の</u><u>経済価値(財務)のみならず、時代の価値観である社会・環境価値(非財務)を含む『統合的な価値』を訴求</u>しなければ、投資・消費・求職などの行動を喚起できず、<u>経営資源の調達</u>に支障をきたします。企業に求める要請と期待は変化しています。これに対応してこそ、ステークホルダーからの信頼や支持が獲得でき、円滑に経営リソースが確保できるということです。</p>
<p>とりわけ<u>「人的資本経営」</u>が注目される中、リクルーティングの観点からも、優秀な人材を確保したり育成したりできるかが、ますます企業競争力を大きく左右するようになっています。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>この指、とまれ!</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/45062.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナビリティを軸とする新しい時代を迎え、有為(ゆうい)な学生から選ばれるためには、パーパス(社会的存在意義)をしっかりと掲げ、<u>「この指、とまれ!」と就活学生に自信を持って呼びかける</u>ことが大事です。<br />パーパスへの共感(個々の志と会社の目指すところとのシンクロ)を獲得できるかが決め手といえます。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナビリティが経営戦略の中核に据えられる今日、イノベーション・トランスフォーメーションは不可避です。それを成し遂げるには、従業員が高いエンゲージメントのもと、時代の変化への感性を研ぎ澄まし、自律的・主体的に想像力や創造力等の能力を存分に発揮してもらうことが第一義です。人的資本への投資として、従業員が持つ知識やスキルなどに磨きをかけることで『無形資産』が高まり、競争優位につながります。<u>就活学生は、明日の企業の命運を握る「人的資本」</u>なのです。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>採用版・サステナブルブランディング</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/02/16/4507.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>エシカル就活に関心が高まる中、カウンターパートとなる企業側の採用戦略においても、<u>「企業活動と社会課題解決を融合させ、自社らしさで競争優位を創り出す戦略メソッド」</u>であるサステナブルブランディングが有効です。それこそが、サステナビリティ時代の採用ブランディングといえましょう。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

エシカル

第45回　エシカル就活と採用ブランディング

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/800a.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>新しい年を迎え、昨年のヒット商品や注目商品を振り返ると、新機軸もさることながら、なじみ深い商品が進化したものも目立ちます。サステナビリティ視点の『レセプター』が研ぎ澄まされていると、「定番商品」がアップデートした競争優位のポイントに気づきます。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>レセプターとは</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>レセプター(receptor)とは受容体のことで、生物の体のなかにある伝達装置のようなものです。外界や体内からの何らかの刺激を受け取り、情報として利用できるように変換する仕組みを持った構造のことをいいます。人間の細胞はお互いにコミュニケーションを交わしており、そのためには他の細胞から発信された情報を<u>受信する器官</u>が必要になります。この細胞が情報を受信する器官が「レセプター」です。 </p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b001.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>日常のコミュニケーションにおいても、きちんと情報を伝えるには相手のレセプターの状態が影響します。長きにわたる友人同士でも、趣味や関心領域が互いに異なれば、少し突っ込んだ話をしてみても、相手の反応が薄かったり、あまり理解されなかったりすることは多々あります。ところが、繰り返し話題にしているうちに、相手が膝を打ってくれる瞬間が訪れることがあります。それが、聴き手の<u>レセプターが開いた状態</u>です。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>一方で、ビジネスシーンなどで同じ分野・同じ志向性の人とのやりとりなら、簡単に「そうそう！」「確かに！」とすぐに分かり合えるのではないでしょうか。互いにレセプターが開いているからです。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b002_1.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>サステナビリティ視点のレセプターで、『定番商品の進化』をチェック</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>新しい年が明け、昨年のヒット商品や注目商品を振り返ると、新機軸もさることがなら、『定番商品の進化』が多く見受けられました。従来から親しまれてきた商品が時代にふさわしくアップデートしており、その主な訴求ポイントがサステナビリティ要素でした。社会性への感度の高いＺ世代を中心に、<u>サステナビリティ視点の『レセプター』</u>を備えた人々に刺さり、これまで以上にアドバンテージを獲得したといえましょう。</p>
<p>☆一例をあげると下記のとおりです。</p>
<p>●Yakult1000／Y1000 </p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b003.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>現代の社会課題である『眠り』を重視した乳酸菌飲料が累計10億本近く売れたそうです。</p>
<p>ヤクルトは創業時より、それまでになかった「予防医学」「健腸長寿」という考え方に基づき、新しい価値の創造をめざしています。そのもとに、「Yakult(ヤクルト)1000」、「Ｙ1000」が開発されました。これまでの乳酸菌により「腸」を丈夫にすることで健康になるという考え方に加え、現代特有の「ストレス・睡眠」という悩みに対する課題解決になっています。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><u>事業を通じて「健康」という社会課題を解決</u>することで、ヤクルト事業の持続的成長につなげています。<u>社会的価値と経済的価値の両立</u>です。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>● 無印良品「アルミ缶ドリンク」</p>
<p>ドリンクのペットボトルをリサイクル率が高く、循環型資源とされるアルミ缶に切り替えました。アルミ缶は水平リサイクル率(缶から缶へのリサイクル率)が他の素材に比べて圧倒的に高いことが特徴です。<br />また、アルミ缶は透明のペットボトルに比べて遮光性が高く、炭酸ガスが抜けにくいということから、賞味期限が伸びるそうです。無印良品は、アルミ缶を採用した理由について｢回収ルートが決まっている｣｢リサイクル率が高い｣｢フードロス削減｣の３つを挙げています。<br />これまでアルミ缶で飲むのはコーヒーが主でしたので、水が入っていたりすると、一瞬『えっ？』と思った人も多かったのではないでしょうか。サステナビリティ視点のレセプターが開いている人は、すぐに<u>｢地球資源の循環化｣</u>だと納得したことでしょう。</p>
<p>●ラベルなし(ラベルレスボトル)コーラ</p>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b006.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>100リサイクルPETを使用したラベルレスボトルのコカ・コーラです。<br />「コカ･コーラ」を象徴するコンツアーボトル(胴部がくびれたボトル)は、1915年に「暗闇で触っても地面で砕け散っていても、『コカ･コーラ』のボトルだと分かるもの」をコンセプトに開発されました。独創的な形状のボトルは、100年以上経つ今でも継承されています。今回のラベルレスボトルにおいても、<u>ブランドのDNAを踏襲しながらも、「サステナビリティ」の要素を加えて時代対応</u>をしています。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>もちろん、ラベルなしのボトルにはロゴがきちんと刻まれています。サステナブル・ブランディングの好例といえます。</p>
<p>●ラボグロウンダイヤモンド</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b004.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>ラボグロウンダイヤモンド(Lab grown Diamond)は、文字通り「ラボ(研究所・工房)で育てられたダイヤモンド」で、天然ダイヤモンドと全く同じ化学組成、結晶構造、物理的特性を持った『本物のダイヤモンド』だそうです。</p>
<p>ダイヤモンドテスターでも本物のダイヤモンドであるという鑑定結果となり、プロの鑑定士がルーペで確認しても、天然ダイヤモンドとの差異を確認することはできないとのことです。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>『研究所(ラボ)で育てられた(グロウン)ダイヤモンド』ということで、限りある天然ダイヤの資源枯渇を回避するとともに、天然ダイヤモンドに関しては、紛争問題、過酷な労働環境、児童労働、採掘時の環境破壊などが広く問題視されています。ラボグロウンダイヤモンドは、<u>人も環境も傷つけることなく生成され、</u>天然と同様の美しさ、輝きを放ち、しかも天然ダイヤよりも安価ということです。サステナビリティ視点のレセプターのスイートスポットといえるでしょう。</p>
<p>●オールバーズ（Allbirds）</p>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b007.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>2016年に、再生資源の専門家であるジョーイ・ズウィリンジャー氏と元サッカー選手のティム・ブラウン氏が共同創業した米サンフランシスコ発のブランドです。「より良いものを、より良い方法で」という理念のもと、環境への配慮と快適性、高いデザイン性を両立する革新的シューズを生み出しました。<br />羊の育て方や環境への配慮をした認定済みのウール、植物油やサトウキビ由来のソール、靴ひもは再生ポリエステルを利用するなど、サステナビリティを重視したスニーカーやランニングシューズを世に送り出しています。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>近年、Ｚ世代やミレニアル世代を中心に「エシカルファッション」をはじめとする、サステナビリティを意識したライフスタイルへ移行する動きが注目されています。オールバーズは、こうした若者を中心に、<u>自然由来の原料から作られたサステナブルな製品でありながら、すこぶる快適だと評判のシューズ</u>です。</p>
<p>とかく、サステナビリティに力点を置く企業はそれを『ウリ』にする傾向がありますが、オールバーズの場合は、まずは『抜群に心地よい靴』を追求しています。その上でサステナビリティという付加価値を加えて支持を獲得しているようです。いくらサステナブルで地球環境に貢献する製品であっても、<u>本来の価値や魅力を訴求できなければ、卓越したブランドは成立しない</u>ことを示唆してくれています。</p>
<p>●PCM冷却ネックリング</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b008.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>地球温暖化が懸念され、猛暑が常態化する今日、「24～28℃で凍る」という、化学の力を生かした『首にかけるリング』が手軽に暑さ対策ができると好評でした。</p>
<p>PCMとは、NASAのために開発された「Phase Change Material(相交換物質)」という新素材で、熱を吸収・発熱することで一定の温度を保つ性質があるということです。周囲の温度が上昇しても、一定の温度帯を維持するためひんやりとした感触をキープできるということです。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>●日清の「完全メシ」</p>
</div>
<div class="elem_various img_right">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2023/01/22/b005.jpg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>ジャンクな装いのバランス栄養食品で、30～40代男性を中心に『栄養バランスを考えるのがめんどくさい人』の心をつかんだようです。</p>
<p><u>オーバーカロリーによる肥満、偏った食生活による新型栄養失調など、現代人が抱える課題を解決したい</u>という思いから開発されたということです。厚労省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)で設定された33種類の栄養素をバランスよく摂取できるとのことです。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>一番のこだわりは「おいしさ」とのことです。『栄養とおいしさのバランスが完全』になっていることを表現するため「完全メシ」というネーミングになったそうです。『ジャンク風のおいしいものは、カロリーが高く栄養が偏りがち』というトレードオフの通念を打破したことが勝因といえましょう。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>サステナビリティは、マーケティングそのもの</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>このように、ヒット商品の多くは時代の襞(ひだ)に触れ、現代社会の価値観を捉えたコンセプトとなっています。したがって、今この時代においては、価値判断の大事な拠り所となっているのが「サステナビリティ」といえます。とかく世の中の要請ではあるものの、「事業を通じて社会課題を解決せよ」と言われると肩に力が入りがちですが、サステナビリティは時代が求めるプレミアムなスペックと捉えることができます。サステナビリティをビジネスで希求することは、<u>『マーケティングそのもの』</u>といえましょう。</p>
<p>時代と調和したビジネスの着想は、<u>サステナビリティ視点のレセプター</u>によって、気づきやインスパイアが生まれます。『周辺視野』としてぼんやり視界に入っているものが、<u>新しい価値創出・新しい市場開拓の鍵</u>となっていることが洞察できます。</p>
<p>こうしたビジネスアプローチにおいて、自社の本領である『らしさ』を発揮して、時代にふさわしい競争優位を獲得していくのが、「サステナブル・ブランディング」です。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

第44回　レセプターで洞察する！定番商品の進化

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/12/18/43800.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サッカーW杯・カタール大会の決勝トーナメント1回戦で、日本は惜しくも敗退しました。「新しい景色」を見ることはできませんでしたが、試合後の森保監督へのインタビューでは、日本サッカーの「新しい時代」が感じられました。これは現代企業にとっても、示唆に富む珠玉のメッセージとなりました。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>ビジネスの「新しい景色」</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会の決勝トーナメント1回戦において、世界ランキング24位の日本は同12位で前回準優勝のクロアチアに、延長を終えてからのPK戦で惜しくも敗退しました。あと一歩のところでしたが、一次リーグではドイツのみならず、スペインといったワールドカップ・チャンピオンに勝ち、日本サッカーが世界という舞台で充分戦える実力と揚々たる未来を感じさせてくれました。 </p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/12/18/i001.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>森保監督は帰国後の会見で、「(初のW杯ベスト8進出という)『新しい景色』は見ることができなかったが、(選手たちは)『新しい時代』を見せてくれた」と熱く爽快に語りました。心を打つメッセージでした。</p>
<p>この<u>「新しい景色」「新しい時代」</u>という観点は、現代企業にとっても示唆に富んでいます。<br />長らく企業は、「いかに利益を創出するか」という視点から経営のあり方が論じられてきました。しかしながら、近年では、<u>盤石な地球環境や健全な社会なしにはビジネスは成り立たない</u>ことが自明となっています。サステナビリティが基軸の価値観となった 『新しい時代』において、<u>「事業によって社会課題を解決し、社会とともに発展する」という経営の視座</u>が強く求められています。</p>
<p>ここにきて、社会的な文脈の中でいかに生活者の共感を呼ぶ企業であるかが問われるようになりました。今この時代において企業ブランドを語るには、自社商品が社会に生み出す新たな価値(社会的価値)づくりのストーリーが大事です。<u>社会的な文脈のなかで自社の存在意義(パーパス：Purpose)を実現</u>できるかが重要です。</p>
<p>とりわけ株式市場においては、企業を選別するに際し、「これからこの企業に投資をして、望む結果が得られるのか」が判断基準となります。望む結果とは中長期的な運用リターンであり、「<u>リスクを避け、事業機会を生かす企業</u>」に投資することは、金銭的収益最大化を目指す際の定石です。そのため、企業の行き先を見据えるには、財務だけではく、『非財務(ESG)』を吟味するようになっています。</p>
<p>『新しい時代(サステナビリティ時代)』にふさわしい経営をすれば、経済的価値とともに社会的評価(Corporate Reputation)が獲得でき、それが人的資本である従業員のエンゲージメントを高めます。その上で『自社らしさ』を発揮できればコーポレートブランドに寄与し、<u>無形資産(Intangibles)</u>を増大させます。よって、持続的成長・中長期の企業価値向上に結びつきます。それが、ビジネスの『新しい景色』です。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>日本(ジャパン)ブランドと企業ブランド</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>今般の日本代表チームはサッカーの健闘はもちろんですが、総合的な観点からも世界から賛辞が送られました。森保監督はクロアチア戦の試合後、ファンに感謝の意を込めて深々とお辞儀をしました。現地メディアは、「日本人監督の紳士的な行動　ファンにお辞儀!」と題する記事を掲載しました。森保監督がお辞儀をする写真を添えて「彼は試合後、ファンに頭を下げる紳士的な行動をした」「森保監督はフィールドの中央にいる選手の前で感情あふれるスピーチを行い、選手の努力に感謝した」などの報道をしました。 </p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/12/18/i002.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サーカーの試合内容はもちろん大事ですが、彼のこうした行動は、世界からリスペクトされました。加えて、ロッカールームをきれいに整頓した美意識ある選手たち、ゴミをきちんと回収して去るサポーターやファンの人々が世界の賞賛を浴びたことは、「<u>日本(ジャパン)ブランド</u>」に大きく寄与しました。『日本らしさ』の真骨頂です。 </p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/12/18/i003_2.jpg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>企業でいえば、事業(サッカー)だけではなく、企業(日本国)としてのブランドが大切です。事業や商品の卓越性はもちろん重要ですが、<u>社会との接点(タッチポイント)</u>における一人ひとりの従業員の一挙手一投足が社会からの評価を受けています。日本代表チームメンバーが「日本」を背負っているように、社員は『自社の代表』としての誇りと自覚を持って職務に従事することが大事です。 </p>
</div>
<div class="elem_block">
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>〈帰国後の森保監督の会見より～抜粋〉</p>
<p>国民の皆さんの応援・共闘の熱いエールが<br />この素晴らしい選手たちを後押ししてくださって、<br />日本一丸になって世界に挑めれば<br />必ずこの壁は乗り越えられると思います<br />これまでの応援、皆さま本当にありがとうございました<br />これからも一緒に戦ってください<br />そして後押ししてください </p>
</div></div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p><u>ステークホルダーの支援</u>があってこそ、サステナビリティ時代における本業のパフォーマンスを追求できます。ステークホルダーとの信頼関係のもと、ビジネスとサステナビリティを融合させ、<u>無形資産の中核であるブランド力</u>に寄与する『らしさ』を発揮して競争優位を創り出す戦略メソッドが「サステナブル・ブランディング」です。<br />『新しい時代』において、サステナブル・ブランディングでビジネスの『新しい景色』を希求し、「ブラボー!」と称賛される企業になりましょう!</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

第43回　ビジネスの「新しい景色」が見える！サステナブル・ブランディング

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/11/20/hosodaetsu.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>連続ドラマ『ザ・トラベルナース』が人気です。スーツケースひとつで渡り歩く優れた資格を持ったフリーランス看護師であるトラベルナースが、令和の医療現場を改革するクールで痛快なストーリーです。劇中の決めゼリフに、サステナビリティ時代の企業のあり方と相通ずるものがありそうです。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>トラベルナースの『決めゼリフ』</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>テレビ朝日系列の連続ドラマ『ザ・トラベルナース』が好評です。主人公は、一定レベルの診断や治療などを行うことができる看護資格「NP(ナース・プラクティショナー)」を持ち、アメリカを転々としながら医療活動に従事してきた、岡田将生さん演じるフリーランス看護師・トラベルナースです。</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/11/20/4101.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>日本に帰国して病棟に勤務することになり、アメリカとは異なる看護師の待遇、慢性的な人手不足、院内のヒエラルキーなどに直面します。<br />そうした状況に対し、同時期に入職した男性のスーパーナースとともに、同僚や患者に影響を与えていくストーリーです。その絶妙なバディ役とおぼしき中井貴一さん扮するスーパーナースが、主人公に対して柔和な笑みを浮かべながら、次のフレーズを言い放ちます。</p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>◎「医者は病気を見つけて病気を治し、ナースは人を見て人を治す」<br />ナースの誇りと矜持がにじみ出る『決めゼリフ』です。</p>
<p>患者にとって病気の治療は第一義ですが、それに加えて、<u>生活の質や人生の質、そして何を幸せとするかといった視点</u>が大事になってきており、上記のようなメッセージは重みを増しています。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
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<h2>QOLと企業のあり方</h2>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>医療の世界では近年、「QOL」という考え方に関心が高まっています。QOLはQuality of lifeの略で、通常「人生の質」または「生活の質」と訳されます。この概念は歴史的には、ソクラテスの「なによりも大切にすべきは、ただ生きることでなく、よく生きることである」という哲学や、プラトンの「善き生(good life)」の追求等までさかのぼることができるようです。</p>
<p>現代において、QOLに注目が集まってきたのは1970年代頃で、技術の進歩によって物が豊富に手に入るようになったため、生活の豊かさを評価する基準が、物の量ではなく、質の良さになってきたことがきっかけといわれています。つまりQOLとは、「より多く」よりも「<u>より良く</u>」という価値観であり、<u>物質的な豊かさに満たされた生活ではなく、毎日が充実し心身が満たされた生活</u>に焦点をあてた考え方といえます。量的指標よりも質的指標で生活の豊かさを判定することへの関心の高まりです。保健医療の分野においても、医療評価を従来の治癒率や生存率等の量的指標に基づいた判定から、患者自身の主観的評価を重視する方向へと変化してきています。</p>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/11/20/4202.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>こうした時代の価値観や考え方は、企業経営のあり方にも反映し相通じるものがあります。<br />財務業績も大事ですが、<u>社会の中で企業がどうありたいか、どう持続可能性を高めることができるか</u>の観点がますます重要になっています。企業の『生きざま』が問われるようになりました。</p>
</div>
</div>
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<div class="elem_heading_lv2">
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<h2>スーパーナースの至言が示唆する！これからの「良い会社」</h2>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>スーパーナースの至言：「医者は病気を診て病気を治す。ナースは人を観て人を治す」<br />これを企業に当てはめてみると、<br />「これまでの経営は、<u>短期</u>を見て、<u>企業本位</u>で財務業績拡大を志向。これからの経営は、<u>中長期</u>を見て、<u>ステークホルダー本位</u>で持続的成長・企業価値向上を目指す」といった文脈が導き出せます。</p>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>企業は今日に至るまで、経済活動の規模と範囲を大きく拡大させ続けた結果、環境面及び社会面の「持続可能性」を阻害することになり、さまざまな課題に直面しています。現代においては、社会的価値を毀損しながら経済的価値を向上させることは御法度(ごはっと)です。そこで、サステナビリティ(Sustainability)を企業経営の中核にビルトインすることが主流になってきています。</p>
<p>「サステナビリティ」という言葉はこれまで、企業活動を行うにあたって「地球」を大事にするという趣旨で使われる傾向にありました。それが現在では、<u>企業活動を進めるにあたって地球や社会を大切にすれば、企業もまた持続的に成長させてもらえる</u>という脈絡で語られるようになりました。</p>
<p>企業は地球環境や社会を前提に存在していることは自明です。したがって、今日の経営にあたっては、<u>「盤石な地球」と「健全な社会」があってこそ、将来にわたってのビジネスが円滑に展開できる</u>という認識に基づく企業姿勢が強く求められています。社会(ステークホルダー)をおもんばかり、地球をケアすれば、<u>企業のQOL</u>を高めることにつながります。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>目先の利益はもちろん大事。ただ<u>目先の利益を続けたければ、「サステナビリティ経営」が必須</u>です。これからの「良い会社」は、いかに現代社会において『自社らしく』存在意義を発揮できるかを念頭に、まわり(ステークホルダー)に配慮しながらコーポレート・ブランドを高め、持続的成長・中長期の企業価値向上を目指すことが大事です。</p>
<p>ビジネスとサステナビリティを融合させ、自社の存在意義の発露である『らしさ』を発揮し、競争優位を創り出す戦略メソッドがサステナブル・ブランディングです。</p>
</div>
<p></div>
<p></p>

ウェルビーイング

第42回　トラベルナースが示唆する！企業のQOL

<p></p>
<div class="blockTemplateArea"></p>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ソロ動物園、ソロ水族館、ソロキャンプ…。グループや団体とは違い、ひとりで好きなことを好きな時に好きなだけ楽しめることが『ソロ』の最大の魅力のようです。もちろん、サステナビリティもライフスタイルの中で、ソロで取り組むことが大事です。ただ、企業(コーポレート)のサステナビリティは留意する点がありそうです。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>ソロ活とは</h2>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ソロはイタリア語で｢単独｣を意味し、日本語の「活動」と組み合わせ、『ソロ活』という表現もよく見聞きするようになりました。従来から｢一人焼き肉｣や｢一人カラオケ｣など単独で外食やレジャーを楽しむスタイルがありましたが、最近ではよりポジティブに「積極的にひとりの時間を楽しむための活動」という意味あいで、よく使われるようになりました。</p>
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<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/10/23/hosoda012_2.jpeg"/></div>
<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>ソロ動物園、ソロ水族館、ソロプラネタリウム…。好きな時に、好きな場所で、ひとりを楽しむ人生をテーマにした、江口のりこさん主演のドラマ「ソロ活女子のススメ」も人気となりました。さらには、お笑い芸人のヒロシさんが配信する「ヒロシちゃんねる」が注目され、ソロキャンプのブームが巻き起こったりしています。今ではソロキャンプの指南役として脚光を浴びています。 </p>
</div>
</div>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/10/23/hosoda02.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ただソロ活というと、とかく一人で出かけるレジャーや外食、旅などを連想しますが、わざわざ遠出をしなくても、生活のなかで場所を選ばず、どこでも楽しめるのがソロ活の魅力といえます。そうした視点から、時代の価値観を反映した「サステナビリティ」を自然に取り入れるライフスタイルを、本稿では『ソロ・サステナビリティ』というコンセプトで捉えてみます。 </p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>ソロ・サステナビリティとコーポレート・サステナビリティ</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>サステナビリティ(Sustainability)を希求するには、個人(ソロ)でも企業(コーポレート)でも、自らの活動によって生ずる<u>地球や社会への「影響」</u>という着眼点が重要です。企業も個人も、生活や事業を営めば、地球や社会に必ず影響を及ぼします。それには、<u>負の影響(Negative Impact)</u>と<u>正の影響(Positive Impact)</u>があります。この『影響』がキーとなります。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/10/23/hosoda03_1.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ただし留意すべきは、企業(コーポレート)は個人(ソロ)に比べ、比較にならないくらい大きな『影響』を地球や社会に及ぼすということです。したがって、企業セクターがサステナビリティに取り組む場合は、まずは、自社のビジネスが環境や人権などに悪影響を与えるのを防ぎ緩和することが 『要請』されているということです。その上で、各社の強みを活かして社会課題の解決などの良い影響をいっそう醸し出してほしいと『期待』されている、ということがポイントです。この時代が求める「<u>要請と期待</u>」に応えることが、<u>企業の持続可能性を高める</u>ことにもつながります。</p>
<p>すなわち、『要請』にきちんと対応することによって<u>リスクを回避</u>し、『期待』に応えて<u>機会の創出</u>につなげるという文脈です。後者が「事業による社会課題解決」の概念であり、「CSV(Creating Shared Value：共通価値の創造)」と位置づけられます。まずは、自社の事業プロセスや製品・サービスが環境・社会に及ぼす影響に関わる責任をきちんと果たし、その上で、事業を通じて社会課題を解決するという押さえ方が大事です。<br />現代社会からの「要請と期待」をかみ砕くと、以下のとおりです。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/10/23/hosoda04.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>影響の範囲 (Sphere of influence)</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>もうひとつ大事な観点は、とりわけ大企業は「サプライチェーン」「バリューチェーン」における<u>「影響の範囲 (Sphere of influence)</u>」という概念を認識し、厳重に注意を払わなくてはならないということです。自社工場のみならず、契約工場、取引先等であったとしても、環境や人権等に関する社会的責任は免れません。さらには、他のステークホルダーにも影響を及ぼします。企業は影響力の範囲内において、意思決定や活動に対して責任を負うことになります。<br />昨今サプライチェーンは、企業にとってリスク管理上の重要課題として認識されるようになりました。「サプライチェーンを含めて」「サプライチェーンを通じて」の影響が、ますます注視されるようになりました。</p>
</div>
<div class="elem_pik_box full">
<table class="elem_pik_box" summary="">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
<div class="pik"><img decoding="async" alt="" src="https://cms.sustainablebrands.jp/article/sbjeye/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/10/23/hosoda052_1.jpeg"/></div>
<div class="m_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>政府も、サプライチェーン全体で人権侵害を把握し改善する『人権デューデリジェンス』に取り組む企業を政府調達で優遇する仕組みを検討しています。サステナビリティへの対応次第で、リスクにもなれば、アドバンテージにもなるという証左ともいえましょう。</p>
</div>
<div class="elem_heading_lv2">
<div>
<h2>サステナビリティ・マインド</h2>
</div>
</div>
<div class="elem_various">
<div class="elem_pik_box">
<table class="elem_pik_box">
<tbody>
<tr>
<td class="elem_pik_box">
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<div class="elem_paragraph"></div>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="inner">
<div class="elem_paragraph">
<p>個人も企業も、『サステナビリティ・マインド』を備えることで、生活やビジネスのクオリティが向上する時代です。サステナビリティ・マインドとは「<u>サステナビリティ的モノの見方・考え方</u>」であり、時代の襞(ひだ)を読み解く力となります。</p>
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</div>
<div class="elem_paragraph">
<p>ソロでもコーポレートでも、一人ひとりがサステナビリティ・マインドを備え、『らしさ』を意識しながら、『要請や期待』に応えることが、サステナブル・ブランディングの要諦です。時代と調和し、時代を味方につけたセルフブランディングやコーポレートブランディングにつながります。</p>
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<p></div>
<p></p>

サプライチェーン

第41回　ソロ・サステナビリティとコーポレート・サステナビリティ

細田 悦弘

細田悦弘