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パナソニックはSDGsへの貢献を目指し、3月から大阪本社などの社員食堂でMSC・ASC認証付きサステナブル・シーフードを使ったメニューを提供している。現在は2拠点で毎月1回ずつだが秋から頻度を増やし、2020年までに約10万人の社員が勤める100以上の国内拠点の全食堂で実施する予定。日本企業初のこの試みは訪問客にも好評で、同社では持続可能な漁業を支える仕組みを社内外に広めていきたい考え。(瀬戸内 千代)
導入初日の第1弾メニュー「びんちょう鮪&かつおの漬けと帆立貝柱の丼ぶり あおさのすまし汁付き(530円)」は、767食中350食と人気で、前例のない喫食率45.6%を記録した。
今後も、該当メニューに国際的な水産認証であるMSC認証(天然)やASC認証(養殖)を取得した魚介類を使い、利用者に分かるように認証ロゴを表示して提供する。理解促進を図るためのパネルなども食堂内に掲示している。
6月は、27日に大阪ビジネスパークの拠点で、翌28日に大阪府門真市の本社で、それぞれ4回目を実施予定だ。
今年で創業100周年の同社は、WWFジャパンの海洋保全活動を20年以上支援してきた。今回の試みもその一環で、SDGsの「目標14:持続可能な開発のために海洋・海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」を意識した取り組みである。
社員の中には社員食堂で初めてサステナブル・シーフードという言葉を知る人もいて、「サステナブル・シーフードがあるということは、他は持続可能ではないのか」「海がこんなに危機的な状況になっているとは」と驚く声もあった。
「一般社員にも参画しやすい点がすばらしい」と他社からの評価も高く、実際に導入に向けて検討を始めた企業もあるという。
パナソニックのブランドコミュニケーション本部CSR・社会文化部事業推進課の喜納厚介氏は、「社員食堂を機にスーパーでもサステナブル・シーフードを選ぶなど、社員の消費行動に変革を起こし、家族や友人への波及効果も含めてSDGs達成に貢献できれば。他企業や団体、地方自治体などにも積極的に導入を提案していきたい」と語った。

瀬戸内千代(せとうち・ちよ)
海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。
1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。