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ウナギについて国内の主要スーパーマーケットの意識調査を2013年から続けている国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが、6月4日に最新の結果を発表した。今回初めて廃棄量を調べたところ、売れ残って処分した絶滅危惧種のニホンウナギが、回答5社だけで約1万3650匹分にのぼることが分かった。また、一部の蒲焼きに使われたウナギが、小売りの認識と異なる種類であることもDNA検査で明らかになった。ニホンウナギを巡る業界の取り組みに新たな一石を投じる内容となっている。(瀬戸内 千代)
イズミヤ(大阪市西成区)とフジは調査協力を拒み、イオン、イズミ(広島市東区)、イトーヨーカドー、オークワ、コープデリ、西友、平和堂、マルエツ、ヤオコー、ユニー、ライフ、ラルズ、バロー、ヨークベニマル、ダイエー、パルシステムの16社がアンケートに回答した。
2017年のウナギ加工商品の売れ残り処分について、「なし」と言い切ったのは、パルシステムとヤオコーのみ。多くは、売り切る努力をしたと答えつつ数値を示さなかった。明確に「あり」と答えた7社のうち5社が協力し、処分量が計2トン730キログラムに達することが分かった。
グリーンピース・ジャパンは、養殖ウナギの一般的な出荷サイズから1匹200グラムで換算し、1年間で少なくとも約1万3650匹のニホンウナギが廃棄されたと発表した。
ニホンウナギは、国際自然保護連合(IUCN)が2014年に絶滅危惧種に指定してからも消費され続け、資源減少による価格高騰がIUU(違法、無報告・無規制)漁業や不正取引を招いている。
16社はいずれも、その悪循環に加担するリスクを認識していた。しかし、トレーサビリティーが確立できていると回答したのはオークワ1社で、そのオークワでも、グリーンピース・ジャパンがDNAを検査した結果、認識と異なる種を販売していたことが分かった。
「今後の対策」という問いには、複数のスーパーが関係者との協議を挙げた。さらに、パルシステムやイオンは流通の透明化に向けた「法整備」を求め、ユニーは完全養殖に期待を込めて「人工ふ化の技術の進歩を望む」と答えた。

瀬戸内千代(せとうち・ちよ)
海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。
1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。