2016年に行われた第2回ソーシャル・イノベーション・サミットは、他都市との連携を狙い、初めて京都市外で実施した(熊本県水俣市)
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京都市と、京都市ソーシャルイノベーション研究所[SILK]を運営する公益財団法人京都高度技術研究所(京都市下京区中堂寺南町)は、7月28日、同志社大学今出川校地室町キャンパス・寒梅館(上京区烏丸通上立売下ル御所八幡町)で「ソーシャル・イノベーション・サミット2017 in 京都〜全国のソーシャルイノベーションの芽を育み山脈をつくる!」を開催する。
3回目となる今回は、社会課題をビジネスの手法で解決する「ソーシャルビジネス」を推進する地域・都市の連携を強化し、「京都発」で自治体関係者・NPO・企業・ベンチャーなど多様なセクターによるオープンイノベーションをさらに加速する。
同市は、2015年に「京都市ソーシャル・イノベーション・クラスター構想」を発表し、1200年の歴史で培われた様々な文化・社会関係資本を生かして社会課題解決事業のプレイヤーを発掘・育成し、その集積を目指している。
同年に始動したSILKを中心に、異なるセクターのネットワーキングやビジネスプランのブラッシュアップ事業、ソーシャルビジネス企業認定制度などを実施してきた。
「サミット」は、「持続可能な地域・環境・世界」の構築を目指して足元の地域課題にビジネスチャンスを見出し、事業を構想している革新的なビジネスプレイヤーや支援する自治体・NPO関係者、オープンイノベーションを考えている大企業関係者らが集まり、事例の共有や対話を行うもので、今回で3回目となる。
今回のサミットでは都市間連携にフォーカスしている。過去2回の開催で見えてきた各地の社会起業家・行政職員など個々の「点」を、「線」にしてソーシャルビジネスの価値を広め、持続可能な社会の構築に向け、芽吹き始めたソーシャ ルイノベーション推進の潮流をさらに加速させる。
サミットでは、まず、ソーシャルイノベーションを推進する自治体の代表者が集まりトークセッションを実施する。さらに、地域がもつ価値を再定義し、持続可能な形で展開している先進事例3ケースを紹介。「食と農からはじまるイノベーション【奈良県 × プロジェクト粟】」「空き家活用から始まるイノベーション【鹿沼市 × 日光珈琲】」「中小企業から始まるイノベーション【水俣市 ×RELEASE;】」について、それぞれのプロジェクトリーダーが語る。
また、この3件に関わる社会起業家らが登壇するパネルディスカッションでは、事業構想のきっかけや異なるセクター間のコミュニケーションのあり方、これからの課題などについてさらに話を深め、参加者間の価値観を共有する。
申し込みは京都市ソーシャルイノベーション研究所のウェブサイトから。
宮島 真希子(みやじま・まきこ)
株式会社オルタナ オルタナ編集部。1988年から2010年まで神奈川県内の地方紙に記者として在籍。NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ等複数の非営利組織にてまちづくりに携わる。 オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(エコ・ソーシャル・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。