「パーパス・ブランディングのススメ」を講演する森摂・オルタナ編集長(12月8日、東京ビックサイト)
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「エコプロ2016――環境とエネルギーの未来展」が8日から東京ビッグサイトで始まった。サステナブルブランド・ジャパンのブースでは最終日の10日までの3日間、SBJコラムニストが登壇するスペシャル・セッションを開催している。(オルタナ編集部=小松遥香、蔵元うらら)
初日のセッションは、森摂・オルタナ編集長の「パーパス・ブランディングのススメ」から始まった。近年注目されている「パーパス」というキーワードだが、目的と理解するだけでは不十分だ。パーパスが意味するのは、「何のために自社は存在しているのか」という存在意義だ。企業価値の原点とも言える。
ミレニアル世代の出現やリーマンショックにより、消費の傾向が変化している。パーパスこそ社会が企業に求めるものだ。P&Gやベン&ジェリーズなどの先駆企業の例を挙げ、「どの企業にもソーシャルなコアバリューが必ずある。それを大きく育てることで、ブランド全体のバリューを高めることができる」と話した。
![]() 「Life Scapeマーケティングのススメ」を講演する青木茂樹・駒澤大学教授(12月8日、東京ビックサイト)
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15時からは「Life Scapeマーケティングのススメ」と題して、サステナブル・ブランド国際会議アカデミックプロデューサーを務める、駒澤大学の青木茂樹教授が講演した。「Life Scape」とは「生活情景」のことで、B to Bのビジネスにとっても重要なキーワードだ。
バリューチェーンはITの参入により効率が良くなったが、新しいビジネスが生まれたかどうかが問題だ。縦の軸がバリューチェーン、横の軸がICTとすると、その軸を連携することがライフスケープで重要になってくる。
これからは、ネットワークとソーシャルを捕まえてミッションにすることが必要で、企業はソーシャルアウト(社会)の声にこたえなければならない。最後に、「社会問題の解決は行政だけでいいのか?皆さんと一緒に考えたい」と締めくくった。