![]() シリカル・ヌイ・ロウカイカル氏は、タイのプミポン元国王(10月に逝去)が提唱していた「足るを知る経済哲学」を紹介した
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サステナブル・ブランド会議が9月にコペンハーゲンで開催され、「マーケティング」や「事業の推進」、「競争による有利さの創造」などのテーマについてのスピーチが行われた。その中でも、ブランドビーイング・コンサルタントの創設者で、タイ・サステイナブル開発財団(TSDF)の代表でもあるシリカル・ヌイ・ロウカイカル氏のスピーチは興味をそそる内容だった。(翻訳:安部 かすみ、編集:オルタナ編集部)
ヌイ氏が紹介したのは、タイのプミポン元国王(2016年10月に逝去)が提唱していた「足るを知る経済哲学」だ。
足るを知る経済とは?
ヌイ氏によると、「足るを知る経済哲学」とは、人生において適切な行動をとるために中道を重んじる考えのことだ。この哲学はタイの21世紀の指針として、過去40年にわたりプミポン元国王によって唱えられてきたものだ。
同元国王は、過去のスピーチの中で以下の5つのポイントについて述べている。
1. 理にかなった、決して過剰ではない物質の目標を立てることの重要性。元国王は物質的な財産は人々にとって大切なものだということを充分理解しているが、決してそこに無理がないよう促している。
2. 物質的な願望を追求する過程において、不必要なリスクを回避することの重要性。例えば、今何かを購入することであなたの子供の将来(資源や金銭的なもの&機会)を妥協するなどしてはならない。
3. 自立することの望ましさ。これはガンジーの唱えた自立の思想とは違う。自分だけを頼るのでは十分ではなく、他の人と関わることが必要だ。
4. 他の人を守るため人を気にかけながら実行しなさい。自分のためだけに何かをすると、利己的な人になるだけ。いつも他人のことを考え、彼らが目標を十分達成するために助けてあげること。
5. 物質的なものにこだわらず、物質的な側面以外のものに着目すること。自己実現は他人を助けることから始まる。
これらの考えは基本的に、節度という仏教哲学から来ている。この哲学はブランド、ライフスタイル、現実のニーズと利用可能な資源に良いバランスをもたらしてくれる。
「私たちの問題は、主に次の2つの考え方から来ている。『満たされていない』と『満たされたことがない』という考え方」とヌイ氏。そのような貪欲さが「もっともっと」という、終わりなき欲望への追求へ人々を掻き立てるのだ。
個人や会社として「十分だ」と公言することは勇気がいる。しかしそうすることで、もっと自由になり、ブランド価値が向上するのだ。