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  • 公開日:2016.10.13
  • 最終更新日: 2025.03.21
P&Gが誇る経営の多様性は「イクボス」が生み出す
    • 池田 真隆

    イクボスとして社内外で有名な鷲田氏。部長として、部下全員と2週間に1回、1時間の面談。毎日定時に出退社し、息子を幼稚園に送迎。帰宅後は家事も欠かさない

    プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が経営戦略の一環として掲げる「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)」に弾みがついている。P&Gジャパンの鷲田淳一・経営管理本部アソシエイトディレクターが厚労省主催の「イクボス(部下の育児と仕事の両立を支援する管理職)アワード2016」でグランプリを受賞したのを機に、P&Gの知られざるダイバーシティ戦略に迫ってみよう。

    P&Gジャパンの鷲田淳一・経営管理本部アソシエイトディレクターは、「イクボス」のロールモデルとして社内外で有名だ。

    鷲田氏は1993年にP&Gに入社。家族構成は、妻と3歳の長男。鷲田氏は、仕事と子育ての両立と部下への働き方支援が評価され、このたびイクボスアワードでグランプリを受賞した。

    P&Gでは1992年から、経営戦略の一環として「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げている。「多様性を互いに受け入れる企業文化の醸成」「多様な人材・働き方を支える社員 支援制度の整備」「多様な社員が活躍するためのスキルの育成」の3本柱で、推進させている。

    特に、管理職の「インクルージョン・スキル」を重要視している。インクルージョン・スキルとは、部下の多様性を受け入れ、組織の強みとして活用するマネジメントスキルのことだ。

    主な制度としては、勤務時間を月単位で管理する「フレックス・ワーク・アワー」、月に5日間、オフィス以外で勤務できる「ロケーション・フリー・デー」、そして、オフィス勤務と在宅勤務を合わせたフルタイム勤務「コンバインド・ワーク」などがある。

    スキルを習得するための自社で開発した研修プログラムは数百種類に及ぶ。今年に入り、同社が25年に渡って、培ってきたD&Iのノウハウを社外に無償で共有する取り組みも始めた。

    P&Gジャパンがダイバーシティ&インクルージョンを経営戦略に取り入れている理由について、山下浩子広報渉外本部マネージャーは、「ビジネスの継続的な成長や個々の生産性向上、市場における競争力向上のためにも重要だから」と話す。

    written by

    池田 真隆(いけだ・まさたか)

    株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナS編集長

    1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。

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