![]() スマホアプリ「Driving BARISTA」の画面。走行距離に応じてコーヒーのしずくが溜まっていく
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スマートフォンの普及に伴い、車を運転しながらスマホを操作する「ながらスマホ運転」が増えている。KDDIとトヨタ、コーヒーチェーンのコメダ(名古屋市)は、こうした「ながらスマホ」による事故の防止プロジェクトを9月20日から愛知県内で開始した。利用者はKDDIが開発したスマートフォンアプリを活用。走行中にスマホを触らなければ走行距離に応じてポイントがたまり、コメダはコーヒーをプレゼントする。
愛知県は13年連続「交通事故死亡者数全国ワースト」であり、交通事故の低減が課題となっている。自動車運転中の携帯電話使用等違反の検挙数についても、県内で50,101件 (愛知県警調べ) 発生しており、「ながらスマホ運転」が増加している。
「KDDIは交通事故軽減をいかにして行うか、社会課題として捉えていた」とKDDI広報部の中村玲子さんは話す。トヨタも同様の問題意識を持っており、今回、愛知県でプロジェクトを開始するにあたり、コメダに協力を仰いだ。スマホアプリ「Driving BARISTA」はプロジェクトが決まってから開発したという。
「Driving BARISTA」は、スマートフォン本体の傾きを判定する感知センサーや移動距離を判定するGPS(衛星利用測位システム)を活用したアプリ。運転中にスマホ画面を伏せた状態の走行距離を計測し、走行した距離が100km分蓄積されると、「珈琲所コメダ珈琲店」でコーヒーと交換できるクーポンを入手できる。
走行中にスマートフォンを表にすると、それまでの走行距離はゼロとなり、加算されない。誰でも参加しやすいゲーミフィケーションの手法を用い、運転事故低減につながる啓発活動になっている。
プロジェクトは10月6日までの実験的な取り組みだが、KDDIは今後さらに、他社とのコラボレーションを含め、アプリを活用した「事故防止」などのソリューションに取り組む予定だ。
松島 香織(まつしま・かおり)
サステナブルブランド・ジャパン ニュースサイトの立ち上げメンバーとして参画。その後2022年12月から2025年3月まで、デスク(記者、編集)を務める。