![]() 「Scan for Trees」はデータ化した名刺枚数に応じて植樹を行うプロジェクトだ。 Image credit:Wingtor
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法人向けクラウド名刺管理サービスを運営するSansan(東京・渋谷)はデータ化した名刺枚数に応じて植樹を行うプロジェクトを始めた。同プロジェクトでは、データ化した名刺3万9000枚につき1本を岩手県宮古市に植える。牧草地域に「名刺の森」をつくり、漁業の復興を後押しする。
同プロジェクトの名称は、「Scan for Trees」。今回植樹する、岩手県宮古市の山間部川井地区は、県内でも有数の寒冷地。寒さに強いブナを植える予定だ。
同社が提供する「Sansan」は名刺をデータ化して組織で共有する法人向けサービス。2007年に開始し、2016年1月時点で導入社数は4000社を超える。現在は月間で平均200万枚の名刺がスキャンされている。
同社の日比谷尚武・名刺総研所長は、「サービスの導入企業数の伸び率から、植樹するのは年間で800-1000本を見込む」と言う。植樹は、認定NPO法人環境リレーションズ研究所(東京・千代田)に委託し、年に2回ほど行う。第一回目の植樹は10月に予定しており、社員からも参加者を募る。
宮古市は世界有数の漁場だが、2011年に発生した東日本大震災により、甚大な被害を受けた。被害額は、2450億円に及ぶ。植樹地域は、サケの遡上で有名な閉伊(へい)川の水源近くにある。森をつくることで、きれいな水が宮古湾に流れ込み、漁業復興につなげる。
植樹実績と植栽地の様子は、同社のウェブサイトで公開していく。このプロジェクトは、同社の社内ボランティア組織NOW事務局が運営している。これまで、NPO団体などへの支援や東日本大震災時に、名刺1枚1円の義援金寄付を呼び掛けてきた。
池田 真隆(いけだ・まさたか)
株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナS編集長
1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。