• 細田 悦弘
  • コラム
  • 公開日:2016.08.04
  • 最終更新日: 2025.03.02
第3回: 「CSRブランディング」の戦略フレーム

    細田 悦弘  (ほそだ・えつひろ)

    ~ ビジネスと社会課題解決を両立させ、『らしさ』で競争優位を創り出す!待望の戦略メソッド ~

    ★(レッド・スター)を目指そう!

    CSRブランディングは、「ビジネスと社会課題解決を両立させ、『らしさ』で競争優位を創り出す」戦略メソッドです。事業戦略にCSR要素を融合し、自社の強みや持ち味を活かした資源を投入し、戦略的に取り組む。それにより、社会からの信頼とリスペクト目線を獲得しながら、コーポレートブランドが高まり、企業価値向上につながります。本稿では、「時代に選ばれ、次代にも輝き続ける企業」であるための気付きや経営戦略の切り口を提示します。

    「CSRブランディング」の戦略フレーム

    「事業活動×CSR×自社らしさ」の3要素を掛け合わせた、「CSRブランディング」の独自のフレームワーク(3つの輪の図)をご紹介します。

    これまでの「事業戦略」に「時代の要請や期待」を組込み、時代にふさわしいビジネスとして磨きをかけ、その上で、「自社らしさ」が触媒になることで「差異化」が実現し、競争優位につながります。この3つの輪が重なった、真ん中の「★」こそが、時代が求める競争優位の源泉といえます。

    最終的に競争力となるのは、他社との「違い」をつくることです。脈々と培ってきた経営に、今の時代の3つのキードライバーを注ぎ、磨きをかけることが「CSRブランディング」の狙いとなります。

    このフレーム図は、それぞれの「輪の重なり」がポイントとなります。すなわち、「1・2・3・★」です。

    1.赤と緑の重なり 「自社らしさ」×「CSR(現代社会からの期待)」 自社らしい社会貢献活動
    2.青と緑の重なり 「事業活動」×「CSR(現代社会からの期待)」 価値共創型CSR、
    CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)
    3.赤と青の重なり 「事業活動」×「自社らしさ」 自社の持ち味を活かしたマーケティング活動、
    ブランディング活動
    ★3つの輪の重なり 「事業活動×「CSR(現代社会からの期待)」
    ×自社らしさ」
    CSRブランディング

    「CSRフィルター(緑の輪)」が、レバレッジに

    「CSRブランディング」の戦略フレームの要諦は、「緑の輪」、すなわち「CSR(現代社会の要請や期待)」の取扱いです。時代が変わり、ビジネスの視点も、これまでの平面的・一面的・表層的な視点だけでは、死角ができてしまったり、せっかくの大事な部分を見逃すリスクが出てきました。

    すなわち、これまでのプロダクトアウト型の商品性能やプロモーションが牽引した事業活動に目線がいっていたとすると、もう一つの角度から「CSRフィルター」を掛け合わせることにより、奥行きと立体感ができ、質量が増し、時代にふさわしい付加価値を生み出します。

    通常の事業活動に、戦略的にCSR視点を織り込むことによって、それがレバレッジとなります。こうしたアプローチにより、変化する社会の要請や期待を先取りし、それをいち早く、新しい価値創出や新しい市場開拓に結びつけ、イノベーションが促され、企業競争力につながっていきます。

    「CSRがビジネスにつながる」という、クリエティティブで戦略的な視点、「ビジネスをCSRにつなげる」という志の高い気概を併せ持つことが大切です。経団連も、CSRを「企業活動において、経済・環境・社会に側面を総合的に捉え、競争力の源泉とし、企業価値の向上につなげる経営活動」としています。

    この文脈には、「企業と社会の価値共創」「企業と社会の相乗発展」のメカニズムを築くことによって、時代が求める企業競争力の強化とより良い社会の両立を実現しよう、という積極的な観点が読み取れます。

    次回からは、主として「1・2・★」に着眼し、実例とともに、勘所をわかりやすく解説していきます。

    written by

    細田 悦弘  (ほそだ・えつひろ)

    公益社団法人 日本マーケティング協会 「サステナブル・ブランディング講座」 講師 一般社団法人日本能率協会 主任講師

    1982年 中央大学法学部卒業後、キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン) 入社。営業からマーケティング部門を経て、宣伝部及びブランドマネジメントを担当後、CSR推進部長を経験。現在は、企業や教育・研修機関等での講演・講義と共に、企業ブランディングやサステナビリティ分野のコンサルティングに携わる。ブランドやサステナビリティに関する社内啓発活動や社内外でのセミナー講師の実績豊富。 聴き手の心に響く、楽しく奥深い「細田語録」を持ち味とし、理論や実践手法のわかりやすい解説・指導法に定評がある。 Sustainable Brands Japan(SB-J) コラムニスト、経営品質協議会認定セルフアセッサー、一般社団法人日本能率協会「新しい経営のあり方研究会」メンバー、土木学会「土木広報大賞」 選定委員。社内外のブランディング・CSR・サステナビリティのセミナー講師の実績多数。 ◎専門分野:サステナビリティ、ブランディング、コミュニケーション、メディア史 ◎著書 等: 「選ばれ続ける会社とは―サステナビリティ時代の企業ブランディング」(産業編集センター刊)、「企業ブランディングを実現するCSR」(産業編集センター刊)共著、公益社団法人日本監査役協会「月刊監査役」(2023年8月号) / 東洋経済・臨時増刊「CSR特集」(2008.2.20号)、一般社団法人日本能率協会「JMAマネジメント」(2013.10月号) / (2021.4月号)、環境会議「CSRコミュニケーション」(2010年秋号)、東洋経済・就職情報誌「GOTO」(2010年度版)、日経ブランディング(2006年12月号) 、 一般社団法人企業研究会「Business Research」(2019年7/8月号)、ウェブサイト「Sustainable Brands Japan」:連載コラム(2016.6~)など。

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