• 細田 悦弘
  • コラム
  • 公開日:2016.07.15
  • 最終更新日: 2025.03.02
第2回: 「CSRブランディング」への関心の高まり

    細田 悦弘  (ほそだ・えつひろ)

    ~ ビジネスと社会課題解決を両立させ、『らしさ』で競争優位を創り出す!待望の戦略メソッド ~

    2011年に、「企業ブランディングを実現するCSR」(共著:産業編集センター刊)を上梓し、同時期より、外部研修機関や大学ビジネススクール等にて、「CSRブランディング研修」を継続展開してきました。ここにきて、読者や受講生の皆様をはじめ、各方面より「CSRブランディング」のコンセプトへの関心が高まり、広く支持をいただけるようになり、大変うれしく思っております。

    企業においては、規模の大小・業種業態を問わず、そして、病院、大学等、あらゆる組織体が、現代社会に望ましいかたちで存在意義を発揮でき、今この時代に選ばれ、次代にも輝き続けるための戦略メソッドとして、「CSRブランディング」の世界にお誘いいたします。

    「先進のCSR」と「企業ブランディング」の融合

    今日の激変する経営環境において、企業は現代社会からの要請や期待を的確に捉え、時代にふさわしい新しい価値を「自社らしく」創造し、持続的な成長に結びつけていく経営が求められています。

    ともすると、「時代が変わったよなぁ」とぼやいてしまう経営層やビジネスパーソンが見受けられますが、その場合、ほぼネガティブ、つまり「昔は、よかったよなぁ」を意味していませんでしょうか。

    先進のCSRは、事業を現代社会のニーズに適合させつつ進化させることができます。

    すなわち、「ビジネス」と「社会課題解決」を両立させることが可能となります。その際、その企業ならではの哲学や信条、使命感のもと、得意技と個性が発揮されると、競争優位の源泉となります。「CSR」と「ブランディング」の融合です。

    ブランディングというと、秀逸な「商品ブランド」によって、顧客ロイヤルティを獲得していくという意味合いで使われることが多いですが、CSR視点のブランディングとは、現代社会にふさわしい「企業ブランド」を構築することによって、お客様をはじめとする、あらゆるステークホルダーからの信頼度と愛着度を高めることです。

    「CSR」と「ブランディング」。この戦略性ある深遠なる2つの概念を「らしさ」を触媒として融合させることで、自社ならではの持続的な競争優位性が創出できます。これが、「CSRブランディング」の要諦です。

    現代経営において、CSRは企業と社会の相乗発展を実現するものであり、中期経営計画に組み込むなど、経営の中核に位置づけ、戦略的に投資をするだけの価値があります。先進のCSRは、経営のサブシステムではなく、基幹システムとして機能させることが重要です。

    そして、その企業ならではの持ち味を発揮すれば、時代が求める新しい企業競争力となります。現代企業は、ステークホルダーから、「CSRブランド力」によって、選ばれる時代に入ったといえるでしょう。

    「レッドスター」を目指す!

    「CSRブランディング」のメインフレームが、この3つの輪の図です。

    これまでの「事業戦略」に「時代の要請や期待」を組込み、時代にふさわしいビジネスとして磨きをかけ、その上で、「その企業らしさ」が触媒になることで「差異化」が実現し、競争優位につながります。脈々と培ってきた経営に、今の時代の3つのキードライバーを注ぎ、この3つの輪が重なった、真ん中の「レッドスター」こそが、時代が求める競争優位の源泉といえます。

    CSRを通じて、時代に相応しく企業の実体を磨き上げ、社会の課題や期待に対して、自社の持ち味で応え、「らしさ」で魅力を醸し出す。企業の「健全な実体」と「魅力」の融合。これが「CSRブランディング」のエッセンスとなります。

    次回からは、「事業活動×CSR×自社らしさ」の3要素を掛け合わせた、「CSRブランディング」の独自のフレームワークをベースに、「ビジネスと社会課題解決を両立させ、『らしさ』で競争優位を創り出す」戦略メソッドについて、順を追って解説していきます。

    written by

    細田 悦弘  (ほそだ・えつひろ)

    公益社団法人 日本マーケティング協会 「サステナブル・ブランディング講座」 講師 一般社団法人日本能率協会 主任講師

    1982年 中央大学法学部卒業後、キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン) 入社。営業からマーケティング部門を経て、宣伝部及びブランドマネジメントを担当後、CSR推進部長を経験。現在は、企業や教育・研修機関等での講演・講義と共に、企業ブランディングやサステナビリティ分野のコンサルティングに携わる。ブランドやサステナビリティに関する社内啓発活動や社内外でのセミナー講師の実績豊富。 聴き手の心に響く、楽しく奥深い「細田語録」を持ち味とし、理論や実践手法のわかりやすい解説・指導法に定評がある。 Sustainable Brands Japan(SB-J) コラムニスト、経営品質協議会認定セルフアセッサー、一般社団法人日本能率協会「新しい経営のあり方研究会」メンバー、土木学会「土木広報大賞」 選定委員。社内外のブランディング・CSR・サステナビリティのセミナー講師の実績多数。 ◎専門分野:サステナビリティ、ブランディング、コミュニケーション、メディア史 ◎著書 等: 「選ばれ続ける会社とは―サステナビリティ時代の企業ブランディング」(産業編集センター刊)、「企業ブランディングを実現するCSR」(産業編集センター刊)共著、公益社団法人日本監査役協会「月刊監査役」(2023年8月号) / 東洋経済・臨時増刊「CSR特集」(2008.2.20号)、一般社団法人日本能率協会「JMAマネジメント」(2013.10月号) / (2021.4月号)、環境会議「CSRコミュニケーション」(2010年秋号)、東洋経済・就職情報誌「GOTO」(2010年度版)、日経ブランディング(2006年12月号) 、 一般社団法人企業研究会「Business Research」(2019年7/8月号)、ウェブサイト「Sustainable Brands Japan」:連載コラム(2016.6~)など。

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