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  • 公開日:2016.05.27
  • 最終更新日: 2025.03.21
味の素がつづる「被災地の声」、「復興ごはん」発売
    • 吉田 広子

    味の素は5月25日、災害復興期の「食」の力を紹介する書籍『復興ごはん』を小学館から発売した。同社は2011年から、復興支援として「味の素グループ 東北応援 ふれあいの赤いエプロンプロジェクト」を展開している。同書では、せまい仮設住宅のキッチンでも作りやすく、栄養価の高いメニューなどを紹介している。

    『復興ごはん』では、赤いエプロンプロジェクトのパートナーである行政、社会福祉協議会、食生活改善推進員協議会、NPO、大学、仮設住宅の自治会といった「被災地の声」を綴りながら、復興の原動力となった「食」の力を紹介している。

    仮設住宅では、キッチンがせまいことなどから料理離れが起こり、栄養バランスの偏りが問題になっていた。さらに、仮設住宅という新しいコミュニティーで高齢者が孤立化したり、引きこもりがちになってしまったりするといった社会問題も起きていた。

    そこで、味の素は「心と体の健康づくり」を応援しようと、赤いエプロンプロジェクトを開始。2011年10月からは避難生活者の食生活を改善する「健康・栄養セミナー」を実施した。

    大型トラックに、移動式キッチンや調理器具など、料理教室に必要な道具を積み込んで、被災各地をまわってきた。料理教室では、おいしさはもちろん、簡単で再現性の高いレシピを心掛けている。現在は東北3県に専任スタッフを派遣し、「健康・栄養セミナー」の実施回数は累計1833回、参加者はのべ2万8981人に上った。

    本書『復興ごはん』では、「食」のエピソードや、「いっしょに作って、いっしょに食べる」ことで仮設住宅に住む人の心や体が満たされ、「食」の力が復興の原動力になっていった事例を紹介している。思い出のメニューとして、宮城県東松島市の「カツオの餃子」や、福島県富岡町での「小松菜の海苔わさび和え」なども紹介。

    売り上げの一部は東日本大震災・熊本地震の被災地支援のために寄付されるという。

    written by

    吉田 広子(よしだ・ひろこ)

    株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナ副編集長

    大学卒業後、ロータリー財団国際親善奨学生として米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。2007年10月に株式会社オルタナに入社、2011年から現職。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。

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