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  • 公開日:2016.02.27
  • 最終更新日: 2025.03.21
サステナブル・ブランド国際会議を初開催、満員に
    • 池田 真隆

    世界11か国で開かれている「サステナブル・ブランド国際会議(SB)2016」が24日、日本で初めて虎ノ門ヒルズ(東京・港区)で開かれ、定員300人を上回る聴衆が集まった。「企業と地域とNPOのオープンイノベーション」「B2BのCSRブランディング」「サステナビリティ(持続可能性)はなぜ、ブランドの中核になるのか」など多彩なテーマで討議が続いた。

    「サステナブル・ブランド国際会議」は米サステナブル・ライフ・メディア(SLM)社が2010年から米カリフォルニア州サンディエゴで持続可能性とブランド価値の向上をテーマに開催している。米国のほか、デンマーク、スペイン、オーストラリア、ブラジルなど11カ国でも開かれるようになった。

    日本初の開催となった「サステナブル・ブランド国際会議」(主催・博展)の分科会1(午前)では、「企業と地域とNPOのオープンイノベーション」と題し、青木茂樹・駒沢大学教授、清水勇人さいたま市長、髙橋陽子・日本フィランソロピー協会理事長、柳生好彦・小豆島ヘルシーランド相談役の4人が、異なるセクター間での協働について議論した。

    分科会2では、「B2B企業のCSRブランディング」というテーマで、増田典生・日立製作所情報・通信システム社ブランド戦略部担当部長兼CSR部担当部長、堀久美子・UBS証券コミュニティアフェアーズ&ダイバーシティエグゼクティブディレクター、西村修・中越パルプ工業営業企画部長3人が、サステナブル・ブランド国際会議プロデューサーである森 摂・オルタナ編集長の司会でパネルディスカッションを繰り広げた。

    その後、13時15分から基調講演「サステナビリティはなぜ、ブランディングの中核となるのか」(シリクン・ヌイ・ローカイクン氏=SLM社)、パネルディスカッション「サステナブル・ブランドとは何か、企業は何をすべきか」(青木茂樹・駒大教授、ピーター・D・ピーダーセン・NELIS共同代表、シリクン・ヌイ・ローカイクン氏、足立直樹・レスポンスアビリティ社長=モデレーター)と続いた。

    15時30分からの特別講演では、有馬利男・国連グローバル・コンパクト・ボードメンバー・富士ゼロックス元社長が「サステナビリティで企業品質を高めよ」と題して講演をした。有馬氏は講演の冒頭、富士ゼロックス社のCM「モーレツからビューティフルへ」(1970年)を会場に流し、同社が提唱した「ビューティフル」という表現と、現代に求められている持続可能性の根本は同じだ」と口火を切った。

    16時45分からは「サステナブル・ブランド 日本企業の先進事例」と題し、ナビゲーターの竹村真一・京都造形芸術大学教授が「触れる地球」の解説をした後、3社が発表した。プレゼンターは髙橋健三郎・味の素 理事広報部長、神田三奈・三菱ケミカルホールディングス経営戦略室KAITEKIグループマネジャー、花形照美・リクルートホールディングスソーシャルエンタープライズ推進室室長の3人だった。

    当日は定員300人を上回る313人が来場した。内訳は企業関係者が85%、NGO/NPO関係者が9%、学生が6%だった。主催者である博展の鈴木紳介取締役は「これだけ多くの企業関係者やNGO/NPO関係者が集まったのは、日本でもサステナビリティに対する理解度が高まってきた証拠。この流れを是非とも今後につなげたい」と意気込んでいる。

    博展は今年6月、米国サンディエゴで開かれる「Sustainable Brands」(サステナブル・ブランド国際会議)の本会議にも参加し、日本からの出展社や参加者を募集する。2017年からは、毎年春に「サステナブル・ブランド国際会議」(2日間)を開催する予定だ。

    written by

    池田 真隆(いけだ・まさたか)

    株式会社オルタナ オルタナ編集部 オルタナS編集長

    1989年東京都生まれ。立教大学文学部文芸思想学科卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、編集長に就任し現在に至る。オルタナSの編集及び執筆、管理全般を担当。企業やNPOなどとの共同企画などを担当している。 「オルタナ」は2007年に創刊したソーシャル・イノベーション・マガジン。主な取材対象は、企業の環境・CSR/CSV活動、第一次産業、自然エネルギー、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域、ダイバーシティ、障がい者雇用、LGBTなど。編集長は森 摂(元日本経済新聞ロサンゼルス支局長)。季刊誌を全国の書店で発売するほか、オルタナ・オンライン、オルタナS(若者とソーシャルを結ぶウェブサイト)、CSRtoday(CSR担当者向けCSRサイト)などのウェブサイトを運営。サステナブル・ブランドジャパンのコンテンツ制作を行う。このほかCSR部員塾、CSR検定を運営。

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