• 細田 悦弘
  • コラム
  • 公開日:2016.06.02
  • 最終更新日: 2025.03.02
第1回: 時代に選ばれ次代にも輝き続ける企業であるために

    細田 悦弘  (ほそだ・えつひろ)

    ~ ビジネスと社会課題解決を両立させ、『らしさ』で競争優位を創り出す!待望の戦略メソッド ~

    今この時代の企業経営の根源的な使命は、何だと思いますか?

    それは、まずは「企業を継続させること」、そして「持続的な成長を目指し、社会からの評価を高めること」ということが共通認識となってきています。そのため、その『最大の敵』ともいえるのが「環境の変化」といえます。これを克服してこそ、「あるべき姿」に向かえます。創業時から今日まで、長きに渡って営々と発展してきている企業は、おしなべて、この「あるべき姿」に「社会を豊かにする」「社会を幸せにする」「社会に貢献する」などと掲げています。

    ところが、時代とともに「社会」の関心や価値観が変化するに連れ、企業に期待される役割や責任も、それを映し出して変化します。過去に通用してきた成功体験や理屈だけに拘泥すると、現代社会のためにならなかったり、場合によっては、害を与えることになったりします。

    そのため、目まぐるしく変化する社会のニーズや価値観を捉える感性の鋭さを備え、かつ時代にふさわしい「対応」が不可欠です。「対応」とは、英語で、response。つまり、CSRのResponsibilityの「R」の本質がここにあります。この単語response(反応する、対応する)と、ability(力、能力)からなります。つまり、「対応する能力」といえます。いつの時代にも、磐石な経営基盤を確保しつつ、あらゆる変化に柔軟に「対応」していくことこそが、CSRの基本です。

    巷間では「CSRでメシが食えるか?」という発言があるらしいのですが、「今や、CSRをないがしろにしていると、メシが食えなくなる」と明言できそうです。目先の利益は大事、ただ、目先の利益を着実に続けていくためにも、CSRが必要ということです。したがって、今日の企業にとって、「現代社会の要請や期待」への「対応力」を研ぎ澄ませた経営、すなわち「CSR経営」が不可欠であり、企業競争力の原動力となります。

    CSRは、企業の経営戦略の中核に位置付けられるようになり、企業の持続的な成長を促し、社会的評価を高めることにつながります。そして、社会的評価が高まれば、持続的成長がもたらされます。

    CSRは、ここ数年で格段の進化を遂げ、従来の「社会貢献活動」や「リスク対応型CSR」から、「価値共創型CSR」へと進展し、さらには、コーポレートブランドや企業価値向上につながる「CSRブランディング」という、戦略的なステージにまで広がりつつあります。

    CSRは、社会や生活者の「変化」を認識することが基点であり、社会とともに「新しい価値」を提案し、「新しい市場」を創造し、「現代社会の要請や期待」にきちんと応え、信頼や支持を獲得することにつながります。

    そして、「CSRブランディング」は、ビジネスと社会課題解決を両立させ、『自社らしさ』を発揮することによって競争優位を創り出す戦略メソッドとして、脚光を浴びています。

    信頼・信用は、競争力といわれる時代、その上で、「らしさ」(得意技と個性)を発揮することが、時代が求める競争優位の源泉となります。今この時代に選ばれ、次の時代にも輝き続ける企業であるために、「CSR」で『社会対応力』を備え、「ブランディング」で選ばれ輝く。すなわち、「CSRブランディング」でサステナブルな競争優位を獲得することが、現代の経営戦略の要諦となります。

    次回以降は、数年前に上梓した「企業ブランディングを実現するCSR」(産業編集センター刊)のエッセンスとともに、最新バージョンの「CSRブランディング」について、私が提唱するメインフレームに基づき、系統立てて分かりやすく解説していきます。

    written by

    細田 悦弘  (ほそだ・えつひろ)

    公益社団法人 日本マーケティング協会 「サステナブル・ブランディング講座」 講師 一般社団法人日本能率協会 主任講師

    1982年 中央大学法学部卒業後、キヤノン販売(現キヤノンマーケティングジャパン) 入社。営業からマーケティング部門を経て、宣伝部及びブランドマネジメントを担当後、CSR推進部長を経験。現在は、企業や教育・研修機関等での講演・講義と共に、企業ブランディングやサステナビリティ分野のコンサルティングに携わる。ブランドやサステナビリティに関する社内啓発活動や社内外でのセミナー講師の実績豊富。 聴き手の心に響く、楽しく奥深い「細田語録」を持ち味とし、理論や実践手法のわかりやすい解説・指導法に定評がある。 Sustainable Brands Japan(SB-J) コラムニスト、経営品質協議会認定セルフアセッサー、一般社団法人日本能率協会「新しい経営のあり方研究会」メンバー、土木学会「土木広報大賞」 選定委員。社内外のブランディング・CSR・サステナビリティのセミナー講師の実績多数。 ◎専門分野:サステナビリティ、ブランディング、コミュニケーション、メディア史 ◎著書 等: 「選ばれ続ける会社とは―サステナビリティ時代の企業ブランディング」(産業編集センター刊)、「企業ブランディングを実現するCSR」(産業編集センター刊)共著、公益社団法人日本監査役協会「月刊監査役」(2023年8月号) / 東洋経済・臨時増刊「CSR特集」(2008.2.20号)、一般社団法人日本能率協会「JMAマネジメント」(2013.10月号) / (2021.4月号)、環境会議「CSRコミュニケーション」(2010年秋号)、東洋経済・就職情報誌「GOTO」(2010年度版)、日経ブランディング(2006年12月号) 、 一般社団法人企業研究会「Business Research」(2019年7/8月号)、ウェブサイト「Sustainable Brands Japan」:連載コラム(2016.6~)など。

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