![]() 企業の受け入れ体制次第で、力を伸ばすミレニアル世代“Millennials Jam Workshop: Youth and ICTs beyond 2015” by ITU Pictures/Rowan Farrell used under CC BY 2.0
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世界で急増する「ミレニアル世代」は一般的に会社への忠誠心が低いとされているが、自分の価値観と会社のビジョンや社風が一致すると熱心に仕事に取り組み、生産性を飛躍的に伸ばすーー。こんな調査結果を米人材コンサル企業のピープルキーズ(本社・オハイオ)がまとめた。人材紹介大手のロバート・ハーフ(本社・カリフォルニア)は、そのようなミレニアル世代が就職することによって企業内部に及ぼす影響を明らかにした。(クローディアー真理)
ミレニアル世代を呼び込むために、企業は社内改革に着手している。ロバート・ハーフのニュージーランド支社の調査で、企業の55%が採用方法を見直していることが明らかになった。従来の求人募集や人材派遣会社の利用と平行して、LinkedInやフェイスブックなどのSNSを通して個人に直接アプローチをしたり、遠方にいる候補者との面接にスカイプを利用したりして、インターネットを取り入れ、優秀な人材の採用に取り組んでいる。
社内改革には、ほかに全社をあげての協力体制の強化や意見交換の活発化、ミレニアル世代をメンターとするプログラムやスキルアップ機会の提供が挙げられる。
![]() ミレニアル世代が働く上で重要視するのは、フレキシブルで風通しの良い社内。報酬にはこだわらない “Millennials Jam Workshop: Youth and ICTs beyond 2015” by ITU Pictures/Rowan Farrell used under CC BY 2.0
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また、在籍するミレニアル世代が勤務先にもたらす好影響のトップ3も発表になった。その筆頭に挙げられたのが、勤務場所・時間がフレキシブルになったことだ。この世代はワークライフバランスを非常に重要視する傾向がある。ワークライフバランスをうまく取れないのなら、バランスの良い他企業への再就職に向け、何の未練もなく退職する。ミレニアル世代を長く確保するために、勤務スタイルが改善されたというわけだ。
そのほかの良い影響には、コラボレーションと透明性が追求されるようになったこと、コミュニケーションが向上したことがある。またテクノロジーと共に育ったこの世代は、変化に富む社会状況に迅速に対応できる企業の立役者でもある。
同社のオーストラリア支社での調査結果も、若干数値の差はあるが、ニュージーランドとほぼ同様の傾向を見せている。
入社以前から企業に改革を促し、採用後も企業を時代に即した方向に導くミレニアル世代。この世代を取り込むために切磋琢磨すること自体が、他企業との競争において一歩先んじるための鍵になりそうだ。
クローディアー真理
ニュージーランド在住ジャーナリスト。環境、ソーシャル・ビジネス/イノベーションや起業を含めたビジネス、教育、テクノロジー、ボランティア、先住民マオリ、LGBTなどが得意かつ主な執筆分野。日本では約8年間にわたり、編集者として多くの海外取材をこなす。1998年にニュージーランドに移住。以後、地元日本語誌2誌の編集・制作などの職務を経て、現在に至る。Global Press所属。