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  • 公開日:2018.07.19
  • 最終更新日: 2025.03.02
「SB2018バンクーバー」報告会–SB-Jフォーラム開催

    トークセッションの模様

    サステナブル・ブランド(SB)国際会議の日本における会員コミュニティ活動第2回SB-Jフォーラムが7月17日、博展本社(東京・築地)で開催された。今回はSB国際会議東京の総合プロデューサー 森 摂・オルタナ代表取締役と同アカデミックプロデューサー青木 茂樹・駒澤大学経営学部教授から、6月に開催されたSBのフラッグシップ・イベントであるSB2018バンクーバーの報告があり、終了後の懇親会では活発な意見交換がされた。(オルタナ編集部=中島 洋樹)

    「サステナブル・ブランド国際会議」は2017年から3年間、世界共通で「グッド・ライフ」というテーマを掲げている。2年目となる今年のテーマは「グッド・ライフの再構築(Redesigning the Good Life)」だ。

    第1部 議論のポイント・先進性の報告

    森総合プロデューサー

    第2回SB-Jフォーラム第1部では、SBバンクーバーに参加した2人から、議論のポイントやその先進性などが報告された。

    森氏は「丸テーブルを囲んで、参加者同士が積極的にコミュニケーションを取っている様子が特に印象的だった」と話し、「日本でも双方向性のある場づくりができれば」と意気込んだ。

    続けて、「FSC(森林管理協議会)がスポンサーの1つとなっていたことにも驚いた」とし、SBは企業だけのイベントではなく、NGO/NPO、行政などさまざまなセクターがともに議論する場であったことを強調。さらに、「バンクーバーは住みやすさなどで北米1位の評価を得ているが、行政の担当者がホームレスの存在を包み隠さず報告していたのが素晴らしかった」と話した。

    SBバンクーバーの重要なキーワードとして、森氏は、1)パーパス(存在意義)、2)ブランド・リーダーシップ、3)デザイン・シンキング――の3つを挙げた。

    青木アカデミックプロデューサー

    青木教授は、同会議に出席して「アメリカやヨーロッパの企業が順風満帆でサステナビリティに取り組んでいる訳ではない。悩み苦しんでいるということを改めて感じた」と伝えた。

    フラッグシップ・イベントの開催地となったバンクーバーは2020年までに最もグリーンな都市になることを目指している。「バンクーバーは自転車での移動を主眼に街作りが行われており、街の中を高速道路が走っていないのも主要都市の中では珍しい」と語った。

    第2部 セッション事例紹介

    第2部では、セッションの事例を紹介しながら、トークセッションと質疑応答を行った。

    まず、青木教授からセッションで印象に残った3社の取り組みを紹介。スターバックスはストローに代表される脱プラスチックへの取り組みが世界的なトピックだが、カナダの店舗ではニート雇用プログラムを行っている。

    2社目のMax Humburgerはスウェーデンのハンバーガーチェーンだ。肉を使わず大豆を用いたパテの使用を開始し、現在では肉を使ったパテとの比率が逆転するまでになった。

    最後に挙げたHILTONはTravel with Purposeを掲げている。同社がサステナビリティに取り組む理由は「ゲストの3分の1が環境や社会への取り組みを評価しているから」だという。ホテルとオフィスが地域社会の団体と協力して、ホテルと地域のリソースを最も良く活かせる取り組みをしている。

    青木教授は「HILTONでは他にもユニークな取り組みが行われている。宿泊者に対して滞在中に無料でスマートフォンを貸し出し、アプリを通して宿泊者同士を結び付けるものだ。通常ではなかなか接点のなかった人同士が出会う機会を提供することで、新たなビジネスチャンスを生み出す契機になるとも言えるのではないか」と実例を紹介した。

    質疑応答

    その後の質疑応答で、モニター デロイト/ストラテジーの山田 太雲氏が「足元の経済格差にどう向き合っているのか気になった。例えば、スターバックスの環境への取り組みや難民雇用などが世界的にフォーカスされている一方で、欧州では租税回避に対し厳しい批判がある。本質から目をそらさせているのではないか。サステナブル・ブランド国際会議ではどのように議論されているのか」と質問した。

    森氏は「欧州や米国の企業はある種、割り切っているようにも感じる。しかし、『グリーンウォッシュ』『SDGsウォッシュ』という言葉があるように、言っていることと実態が乖離していれば、それはブーメランのように返ってくる。貧富の差は拡大しているし、労働分配率は上がってこない。一企業の問題でもあり、社会全体の問題でもある。やはりできるところからやっていくしかないのではないか」と話した。

    青木教授は「本気でマーケティングにサステナビリティを取り入れていこうというエネルギーを感じる。SBはワークショップがたくさんあり、異業種や若い人も参加し、さまざまな意見を出し合っている。針金や工作道具を使いながら、流通業をデザインするというワークショップもあった。そうしたなかで、従来の価値観にとらわれず、商品の裏側や実態をもっと見える化するなど、アイデアが生まれてくるのではないか」と言う。

    続けて森氏は「もっとNGOの参加率を上げて、緊張感のあるぎりぎりのところで価値を生み出していく場になれば面白いのではないか」とまとめた。

    次回(第3回)SB-Jフォーラムは9月19日に開催される。

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