![]() 「VRどうぶつえん・すいぞくかん」は、仮想現実で臨場感のある体験を提供する
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朝日新聞は2017年の社内表彰制度で「SDGs大賞」を新設し、このほど初の大賞を「闘病の子どもたちに『VRどうぶつえん・すいぞくかん』」プロジェクトに決定した。同賞はSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けて優れた取り組みをした本社グループの個人・団体に贈られる。朝日新聞は自社ホームページに設けたSDGsのコーナーを充実するなど、社会課題の解決に積極的に取り組む。(オルタナ編集部=沖本啓一)
「SDGs大賞」は、2002年度に始まった社内表彰制度「CSR(旧CS)推進賞」の部門賞として新設された。SDGsに対する社内の理解を深めるとともに、持続可能な社会の実現に向けた本社の取り組みを加速させる狙いがある。
大賞が贈られた「VRどうぶつえん・すいぞくかん」は、簡易ゴーグルとスマートフォンを組み合わせたVR(バーチャルリアリティー=仮想現実)機器で朝日新聞デジタルのコンテンツ「いきもの目線 360度動画」 を見てもらい「動物園や水族館にいるような体験」を提供する。トラやライオンが隣にいるように感じられたり、サメが泳ぐ海に潜る体験などができる。
2017年7月と11月に横浜市立浦舟特別支援学校で行われた出張授業では、同校のほか、横浜市、横浜・八景島シーパラダイス、よこはま動物園ズーラシアが、講師派遣などで無償協力した。社内選考会では、SDGsの理念である「誰も取り残さない」につながる、明快な取り組みである点などが高く評価された。
朝日新聞社の倉持祐和・CSR推進部次長は「SDGsに取り組むことは社会の流れとして当然のこと」と話す。同社はHPに充実したSDGsのコーナー(リンク)を設けるなど、特に力を入れている。これまでも、がんとの共生をテーマにしたプロジェクトや、多様な働き方への取り組みなどを、SDGsの17ゴールにコミットするかたちで推進している。
「社内表彰だが、、朝日新聞がSDGs達成に向けて本気で取り組んでいることを知ってもらいたい。当社のSDGsへの取り組みは大手メディアの中では先駆的。SDGs大賞は今後も継続する」(倉持氏)
2017年はSDGsイヤーとも言われるほど、SDGsの広報が過熱した。2018年以降は各企業が取り組みを実行に移すタームだ。業界をけん引する迅速な着手と積極的な取り組みが、企業にとって大きな優位性を生む。