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  • 公開日:2017.09.20
  • 最終更新日: 2025.03.21
SDGs知らない85%――JXTG意識調査
    • 小松遥香

    石油元売り最大手のJXTGホールディングスが2300人を対象に実施したSDGs(持続可能な開発目標)に関する意識調査の結果、「SDGsを知っている」もしくは「聞いたことがある」と答えた人は15%で、「聞いたことがない」と回答した人は85%に上ることが分かった。また、勤務先がSDGsの17目標のうちどの目標に貢献しているかという質問には、「あてはまるものはない」と答えた人が最も多く43%だった。一方で、79%が「勤務先は今後いずれかの目標に貢献すべきだと思う」と回答した。(オルタナ編集部=小松遥香)

    2017年は「SDGの節目の年」とも言われ、企業だけでなく一般の人への浸透を図るためにも各所でさまざまな取り組みが行われている。今回の調査は、JXTGホールディングスが一般生活者の意識調査を目的に、今年7月、全国の20代から60代の男女2300人を対象にインターネットで実施したものだ。

    年代別の認知度を見ると、SDGsを「知っている」「聞いたことがある」と答えた割合は20代(19.8%)で最も高く、30代(16.5%)、60代(15.1%)、40代(13.3%)と続いた。最も低かったのは50代(11.6%)だった。

    勤務先がSDGsの17目標に貢献しているかどうかという質問に対し、「あてはまるものはない」(43%)に次いで多かったのは、目標8「経済成長と雇用(働きがいも経済成長も)」(28.9%)、目標3「保健(すべての人に健康と福祉を)」(28.6%)、目標9「インフラ、産業化、イノベーション(産業と技術革新の基盤をつくろう)」(26.4%)、目標5「ジェンダー(ジェンダー平等を実現しよう)」(26.3%)だった。

    勤務先が今後貢献すべきだと思う目標は、目標8「経済成長と雇用(働きがいも経済成長も)」(58.6%)が最も多く、目標3「保健(すべての人に健康と福祉を)」(55.2%)、目標5「ジェンダー(ジェンダー平等を実現しよう)」(52.6%)、目標9「インフラ、産業化、イノベーション(産業と技術革新の基盤をつくろう)」(51.4%)と続いた。

    企業の社会的責任をどう考えるか

    企業の社会的責任についてどう考えるかという質問に対しては、「企業も主体となって社会的な責任を担う活動を推進するべき」と答えた人は79.3%だった。年代別では、60代(92.7%)が最も高く、50代(82.7%)、40代(74.6%)、30代(74.6%)、20代(72.6%)の順番だった。

    また76%は「社会的な責任を担う活動は企業価値を上げる」と回答。「社会的責任を担う活動は企業の評価軸の一つになっている」と答えた人は58.3%。「社会的責任を担う活動は企業の評価軸の一つにするべきだ」と答えた人は71.6%だった。

    では回答者はどのような社会的課題に関心があるのか。回答者が「自分が今後、貢献すべきだと思う」と答えたSDGsの目標を見てみると、目標3「保健(すべての人に健康と福祉を)」(55.5%)や目標1「貧困(貧困をなくそう)」(52.0%)、目標10「不平等(人や国の不平等をなくそう)」(51.8%)、目標2「飢餓(飢餓をゼロに)」(51.1%)の順番で関心が高かった。

    さらに、日常生活で実感すると答えた社会的問題については、全ての年代で共通して「自然災害の発生件数の増加」(69.9%)だった。次いで、「貧富格差の広がり」(62.2%)、「正規雇用と非正規雇用の待遇の違い」(62.1%)。反対に、実感の少ない社会的問題は「セクシャルマイノリティーが受けている差別の問題」(34.1%)「一票の格差」(38.4%)「再生エネルギーへの転換の拡大」(38.7%)だった。

    JXTGホールディングス総務部広報グループの新井千絵さんは、「一般生活者の認知度はまだ低いことが分かった。調査結果を多くの人に役立ててもらい、自社でも活用していきたい」と話した。

    written by

    小松 遥香(こまつ・はるか)

    オルタナ編集部

    アメリカ、スペインで紛争解決・開発学を学ぶ。趣味は、大相撲観戦と美味しいものを食べること。

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