• ニュース
  • 公開日:2017.02.24
  • 最終更新日: 2025.03.21
住商が南相馬市でメガソーラー着工、自然エネ100%へ
    • 辻 陽一郎

    約32.3MWのメガソーラー設備を整備する Image credit: minoru karamatsu(柄松稔)

    住友商事は、東日本大震災で被災した福島県南相馬市で、約32.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を着工する。南相馬市では、2030年に市内の総消費電力量を自然エネルギーでほぼ100%まかなう体制を目指しており、この事業で目標達成に弾みをつけたい考え。商業運転開始は、2018年12月の予定。(辻 陽一郎)

    同事業の総事業費は約130億円で、住商は特定目的会社(SPC)の福島県ソーラーパワー南相馬・原町を通じて事業を実施する。みずほ銀行が幹事行として組成した金融機関団がSPCへ融資を行なう。EPC(設計・調達・施工)は東芝と大成建設が担う。

    同事業では、被災地約46ヘクタールの土地に一般家庭が一年間で使用する電力量に換算すると、約1万世帯分の電力を発電する。

    住友商事などは2016年5月から、南相馬市の右田・海老地区および真野地区の敷地にも、一般家庭約2万世帯の電力を発電する約59.9MWのメガソーラー整備を進めている。総事業費は約220億円で、2018年3月の商業運転開始を予定。

    東日本大震災による原子力発電所の事故は、南相馬市民にとってエネルギーを見直す契機となった。同市は「南相馬市再生可能エネルギー推進ビジョン」を2012年10月に策定し、2030年には市内で消費する電力のほぼ100パーセントを自然エネルギーに由来するものにするという目標を掲げた。原子力依存から脱却するために市民一体となり、自然エネルギー推進を行っていく。

    住友商事の広報担当者は「被災地の荒廃を防ぐためには、継続性のある事業を根付かせることが重要で、本事業の実施は復興の一助になるものと考えている。本事業を通して被災地に貢献していきたい」と述べた。

    written by

    辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)

    オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。

    News
    SB JAPAN 新着記事

    ごみと貧困の連鎖を断つ。アースデイに考えるプラスチックニュートラル
    2025.04.22
    • ニュース
    • #カーボンニュートラル/脱炭素
    • #プラスチック
    混沌とした世界情勢の中、気候変動コミュニケーションを強化する3つの方法
    2025.04.21
    • ワールドニュース
    • #気候変動/気候危機
    • #行動変容
    明るい未来を描き、地球規模の価値を追求する「フューチャーフィット」のすすめ
    2025.04.21
    • ニュース
    • #リジェネレーション
    海の未来は地球の未来そのもの――持続可能な海洋利用の実現に奔走
    2025.04.18
    • ニュース
    • #イノベーション
    • #気候変動/気候危機

    Ranking
    アクセスランキング

    • TOP
    • ニュース
    • 住商が南相馬市でメガソーラー着工、自然エネ100%へ