![]() 聖火リレーコース候補の浜通りを桜並木にして、次世代につなぐプロジェクトだ Image credit:raneko
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ディノス・セシール(東京・中野)は、復興支援活動として福島県浜通りの国道6号などへ桜を植樹する活動を2013年から実施してきた。今年3月末までに867本に達し、桜並木としては10キロメートル相当になる。東京オリンピックの聖火リレーコースとして検討されている浜通りに桜並木を作り、福島が誇れるシンボルとして後世に語り継いでいく。(辻 陽一郎)
同社は福島で活動するNPO法人ハッピーロードネットの「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」に協力して、桜並木の植樹を続けてきた。同社広報部の田丸直子広報担当は「20年後、30年後、福島の子どもたちが大きくなったときに、誇れる桜並木を残すという目的に賛同し協力を始めました」と話す。
今年度はディノス・セシールだけでなく、関連各社に呼びかけを行ったことで、フジ・メディア・ホールディングス(東京・港)や同社取引先など19社が210本分の桜の苗木のオーナーとなった。プロジェクトでは、1本1万円で苗木のオーナーとなることができる。
プロジェクトは、国道6号のいわき市から新地町まで163キロメートルに2万本の桜を植樹することを目指している。桜並木の植樹は震災以前から計画されていたが、ハッピーロードネットは桜並木を通じて、福島の復興を世界中に伝え、浜通りへ聖火リレーを誘致する活動を行っている。
「復興・創生期間」における東日本大震災からの復興の基本方針でも「復興五輪」として被災地の復興した姿を世界に発信することを掲げている。桜という日本を象徴する花が咲き誇る桜並木の姿が世界に発信され、子どもたちが誇れる福島となるよう期待したい。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。