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  • 公開日:2016.12.27
  • 最終更新日: 2025.03.21
東京五輪の食の調達基準案は緩い、複数企業が発言

    瀬戸内千代(せとうち・ちよ)

    シンポジウム開会の挨拶をする日本エシカル推進協議会の山本良一代表

    日本エシカル推進協議会は12月22日、食品認証ラベルをテーマにシンポジウムを開催した。登壇したのは、イオンアグリ創造(千葉市)、マルハニチロ、エスビー食品、埼玉県。現在パブリックコメント中の五輪の調達基準案に関しては、「緩いのでは」という意見が相次いだ。埼玉県農産物安全課は、有料で厳密なグローバルGAP認証に消極的な中小規模農家に向けて、埼玉県独自のS-GAPを開発。取り組みやすい無料のチェックリストを提供し、意識の底上げを図っている。(瀬戸内 千代)

    GAP(Good Agricultural Practice)は「食品と労働と環境の安全に配慮した良い農業のためのルールを守ること」。同課の有機・安全生産担当の中村祐一主査は「農薬の管理などモラルに近い内容まで含むS-GAPは、あくまでグローバルGAP移行前の農家育成ツール」と述べ、国際認証とは到達度が違うことを説明した。

    ところが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が今月13日に公表し、27日まで意見を募集中の「持続可能性に配慮した調達コード」案は、S-GAPのような都道府県GAPも認めている。

    水産物についても、まだ国際的な信頼を得ていない日本独自のMELやAELが、ロンドン大会とリオ大会で優先されたMSCやASCよりも先に掲げられている。

    全国20カ所の自社農場に世界標準のグローバルGAPやオーガニック認証を導入してきたイオンアグリ創造の福永庸明代表取締役は、「性善説で成立している日本の基準は国際大会では通用しない」と喝破した。

    マルハニチロ水産商事ユニット水産第二部の熊本義宣副部長は、「MSC認証に対する期待が社内でも高まっている。五輪はサステナブルが市場に広まる良い機会」と述べ、その前提として、認証やラベルの意味が正しく社会に伝わる必要性を強調した。

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    瀬戸内千代(せとうち・ちよ)

    海洋ジャーナリスト。雑誌「オルタナ」編集委員、ウェブマガジン「greenz」シニアライター。

    1997年筑波大学生物学類卒、理科実験器具メーカーを経て、2007年に環境ライターとして独立。自治体環境局メールマガジン、行政の自然エネルギーポータルサイトの取材記事など担当。2015年、東京都市大学環境学部編著「BLUE EARTH COLLEGE ようこそ、「地球経済大学」へ。」(東急エージェンシー)の編集に協力。

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