![]() 益城町コラボ・スクールでカタリバの職員が中学生に勉強を教える
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サッポロホールディングスは、熊本地震で被災した中学生に学習支援を行うNPO団体へ11月16日、1000万円の寄付をした。学習支援の地域は被害が甚大だった熊本県益城町。同社は被災地への支援金として同寄付金も含め、熊本県と大分県に対して3000万円を活用することを決定している。
サッポロが寄付金を提供するNPO団体のカタリバ(東京・杉並)が運営する学習支援事業「コラボ・スクール」は、安心して勉強できる環境を失ってしまった子どもたちに学習機会を提供することが目的だ。中学生への学習指導には、団体の職員や、大学生などもボランティアとして携わる。学習する場としてだけではなく、被災した中学生の心のケアや居場所の役割も果たしている。
サッポロホールディングスグループCSR部小笠原恭子さんは「復興支援の重点テーマとして次世代の育成を掲げているため、将来を担う若い人たちを支援する活動に取り組んでいる」と話した。
同社は東日本大震災でも、カタリバが岩手県大槌町と宮城県女川町で展開する学習支援事業へ2011年から寄付を行ってきた。熊本地震では、東北での実績と経験によってコラボ・スクール開設にいたった。
熊本地震復興支援において同社は学習支援だけでなく、物産品消費促進への支援も行う。地震による風評被害で観光客が減ったことで、大分県物産品の販売も落ち込んだ。そこで国内各地で行う県関係機関主催の物産品販売に対して9月、300万円の寄付をした。
小笠原さんは、「3000万円のうち残りの支援金は、被災された方々が本当に必要としている支援につながるよう行政を中心に関係者と情報交換を行っている」と展望を語った。今後も熊本地震で被災した地域の人々に寄り添い、復旧に向けた支援を検討していく。
辻 陽一郎 (つじ・よういちろう)
オルタナ特約記者、NPO新聞代表。フリーライターとして、NPO・NGOやボランティア、ソーシャルベンチャー、企業のCSRなどを中心に取材。